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自然エネこそ日本の活路 作家 島田雅彦さん

島田雅彦180.jpg  自然災害については地震、火山、台風の多い列島に暮らす国民はある程度、覚悟していますが、東日本大震災で被害を拡大したのは人災です。人災は、基本的に利益優先の資本主義や電力会社の秘密主義、そして情報伝達の錯綜(さくそう)によって引き起こされたものといえます。
   原子力発電所は「核の平和利用」と触れ込む日米安保や冷戦時代のイデオロギーのもと、「低コスト」と「安全」、「クリーン」を売りに、高度経済成長期から建設されていったが、長期的なコスト計算をすると、資本の原理にもかなっていない。原発が廃炉になったあとの後始末のコストも計上したら、水力や火力よりはるかに高い。メルトダウン(炉心溶融)した福島第1原発の事故によって生じた被害まで計上すると、何兆円の単位です。そういう原発が全国に54基もあるという事態は今、見直さなくて、いつ見直すのか。


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