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赤旗

校則問題アンケート(結果発表)

校則アンケート・アンケート結果

「校則アンケート」(4月15日~6月30日)に、多くの子どもたちの切実な訴え、おとなたちの真剣な回答がよせられました。回答された約3000名のみなさんに感謝いたします。 校則の見直しが進むことを願い、アンケート結果を発表します。


第一回 校則アンケート結果の概要(前編)

第二回 校則アンケート結果の概要(後編)

第三回 中高生が疑問に思う校則

第四回 校則検査への「イヤな思い」を訴える子どもたち

第五回 校則の影響 「監視されているようで窮屈」が最多



第六回 校則を守る理由の説明 7割が納得せず

 中高生たちの多くが疑問をもつ校則ですが、先生たちからは校則を守る理由の説明があります。今回は、その説明はどんなものか?中高生たちは納得しているのか?に関するアンケート結果の分析です。


①半分以上の生徒が、校則を守る理由の説明をうけていない

グラフ「校則をなぜ守らなければならないのか、説明をうけましたか」1453件の回答。「説明をうけてない」766人(52.7%)「説明をうけた」687人(43.7%)

コメント

 注目されるのは、校則を守る理由の「説明をうけていない」という中高生が52.7%と過半数をこえたことです。校則は、憲法上は自由とされる頭髪などを細かく規制しています。その規制がなぜ必要か説明しないのは、おかしなことです。


 少し先回りですが、「説明をうけていない」中高生のほうが「納得していない」と回答する割合が85%と高率だったことは当然といえます(「説明をうけた」中高生では57.4%)。説明をうけなくても「納得している」中高生は15%ですが、うち半分は「校則検査がない」(「校則がない」を含む)学校の生徒(57人)で、校則自体がゆるい・あるいはない生徒たちと思われます。



②説明のトップは「社会に出た時困る」

グラフ「[校則を守る理由]その説明はどんなものですか」507件の回答 記述式。1位「社会に出る時に困るから」109(21.5%)、2位「校則だから」59(11.6%)、2位「就職・進学のため」59(11.6%)、4位「集団生活での安心・安全」58(11.4%)、5位「中高生らしくするため」38(7.5%)、6位「危険な目にあわないため」32(6.3%)、7位「学校の評判・地域の目」24(4.7%)、8位「勉強のため」16(3.2%)、「その他」102

※1 その他は、身だしなみ、伝統・校風、守らないと先生から脅される、秩序を守るため、統一感のため、良い人間になる、宗教上の理由、昔荒れていたから、ネットは危険だから、みんな平等にするため、偏差値が高くないから、など。他に、納得していないことの表明などを含む。

※2 一つ一つの自由記述をおおまかに分類。複数の理由をあげている回答もあり、合計は回答数と一致しない



コメント

 校則を守る理由の説明の一位は、「社会に出る時に困るから」でした。噛み砕いていうと、〝社会にはルールがありそれを守らないと生きていけない。学校で校則を守ることで、社会に出た時ルールを守れるよう訓練をするのだ〟ということです。「社会の理不尽に耐えられるようにするため」など言い方やニュアンスは様々です。ルールの内容の是非やルールを自分たちで作ることの説明はありませんでした。ルールに疑問を持たずにルールに従うという、従属的な人間を育てることにならないでしょうか。


 二位は「校則だから」と「就職や進学のため」の二つでした(同数)。「校則だから」というのは同義反復で説明回避と言えますが、従属的な人間をつくってしまうという点では「社会に出るため」と共通性があります。「この学校に来たのだから従え」というものもあります。

 「就職や進学のため」は、校則通りの髪型や服装を守れないと、就職や進学の面接などで不利になるという、本人の利害から誘導するものです。髪型や服装で合否を決める企業や高校(あるいは大学?)の存在という、社会のあり方が校則に影響を与えていることは考えさせられます。


 四位は「生徒全体の安全・安心」です。「大勢の人で過ごすために必要」「人に迷惑をかけない為にルールを守らなければならない」など様々な言い方があります。「ツーブロックにすることによって、周りの生徒が怯えて勉強に集中できないから」というものもありました。本当にそのルールを破ると他者に迷惑が及ぶのかという問題が横たわっている説明です。


 五位は「中高生らしくするため」です。「中高生らしく」といっても人によって考え方が違います。中高生自身が各自「自分らしい」と思えることが大切だと思うのですが。


 六位は、「危険な目にあわないため」です。染髪・ツーブロックは「悪い人に絡まれる」、スカート丈は「痴漢に狙われる」といった説明です。


 七位は、「学校の評判・地域の目」でした。「あなたの印象が学校全体の印象につながる」などです。


 八位は「成績が落ちる」で、頭髪や服装に気がいくと、勉強に集中できず成績が落ちるという説明です。


 その他にも様々な説明がありました。中高生たちの回答をすべて読めるようにしました。そのうち一部はすぐ下にはりつけました。

全回答はこちら


[校則を守る理由]その説明はどんなものですか(507件の記述の一部)

〇社会に出たときに決まりを守れるようになるための練習。

〇学校での小さな規模での規則を守れない人が、社会に出たときに社会人としてのマナーを身につけ、当たり前のことを当たり前にすることは出来ない、といったような趣旨の話があったと思います。

〇ツーブロックにしているとその人の人格が悪い方向に向かうからだめ。服装をきちんとしていないと大人になったときにきちんとした服装が出来なくなる。編み込みして頭の皮膚を見せたらあまり良くないからだめ。

〇「守らなきゃいけないことだから守るんだよ!大人の言うことを信じろ」

〇就職や進学などで不利になるというが、他校はしていない

〇就職先の人の価値観では染髪は認められないから

〇髪の毛を染めてたり、ツーブロックにしてたりすると悪い人に絡まれるから。

〇スカートの長さを指定するのは痴漢に狙われないためという理由。

〇昔かだから。上が決めたから。商業だから。他の先生がうるさいから言うこと聞け。学校の秩序のため。地域の人に迷惑がかかるから。

〇校則があることで学校生活が円滑に安心してすごせるから守ろう的なこと

〇化粧などなぜしてはいけないかもいうと 化粧している子がいて、皆が授業うけたくなりますか?もし、休み時間などずっと化粧品をいじってばかりでこのクラスに居たいと思いますか?と、よく分からないことを言われました。化粧など学校に必要ありません。

〇私たちのことを守るためと教えていただきました。ルールがなければ何をしてもよくなり、私たちの身を守れなくなる。だから、ルールや校則が必要だと学びました。

〇ツーブロックに関して、先生「ツーブロックはその髪型を見た人が怖いと思うので禁止です。」

〇『地域の方からの目も考えて』『中学生らしい髪型に...』という答えが返ってきた。それだけ。説明と言えるのでしょうか...。

〇一人一人の着こなしで本校の印象が決まるからしっかり着なさい

〇校風が段階的に乱れていくから

〇学校は集団であるからみんな統一でなくてはいけない。誰かがその集団を乱すことになってはいけない。

〇お前の成績も下がるし、下手すれば退学になる。だから早く治(ママ)してこい。です

〇まず、今ある校則をきちんと守らないと校則を緩くすることはできない。君たちが何か問題を起こしたり、君たち自身に危険が及んだら、その原因を断つ為に校則が増える。私たちもおかしいと思う校則はある。それはこれからアンケートを取って変えていくから、君たちも協力してくれ。

〇偏差値がちょうど真ん中らへんの高校なので校則が無いと大変なことになる的な


全回答はこちら


③7割の中高生が説明に納得していない

グラフ「[校則を守る理由]その説明に納得していますか?」1453件の回答。「納得していない」1039(71.5%)、「納得している」414(28.5%) [説明に 納得している/納得しない 理由]それはなぜですか?646件の回答 記述式

→全回答はこちら
校則についての説明に納得しない理由
校則についての説明に納得している理由


回答の一部

《説明に納得しない理由(一部)》

〇[説明が]校則の内容自体について触れておらず、何故その校則が存在するのか、説明されていないのに強要されているから。

〇制服を着て、男は髪が短くて、髪を染めない人がいい仕事につけるかというとそんなじゃない。昔の価値観を押し付けないでほしい。

〇今多様性ダイバーシティなどが叫ばれている昨今、社会が求めている要望は、多様化している。その当たり前も、1年や2年ですぐ変わってしまう。一つの考え方を押し付けるのを正当化するために当たり前という言葉に意変えているのではないかと思ってしまう。

〇合理的な理由がなかったから。私の精神や身体や健康の方が大事だから。人権侵害だから。規則を守らない私ではなくて変な我慢をさせる社会がおかしいから。

〇意味のない校則や決まりが多く、先生の都合によって理由をつけている感じがするから。

〇ツーブロックの人や髪の毛を染めている人、スカートが短い人が必ずしも事故や事件に巻き込まれるわけがない。たとえスカートが短くて痴漢にあったとしても、悪いのは痴漢であってスカートを折っている学生じゃない。

〇それを優先してばかりでは人のゆうことだけしか聞けない人になりそうだし、自分で自分らしい表現が出来ない人になると思うから。自分で行動する力や1歩がでなくなるから。これらはみんな見た目だから見た目だけで判断してしまうと思うから。第一印象で決めつけてしまうのはしょうがないと言われたがしょうがないじゃなくて自分たちがその考えを変えていけばいいと思うから。

〇髪型のせいで事件に巻き込まれるような時代じゃないから

〇教師は早弁を禁止する正当な理由を答えることができず、適当にはぐらかしても生徒に鋭く指摘され、完全に論破されていました。にも関わらず「俺が言うことには従え、文句があるなら生徒会に言え」と強引に捩じ伏せているような状況でした。あまりの無理くりさに、見ていた生徒は皆失笑していました。

〇もう中学生なので、高校入試の当日などはちゃんと自分で考えてできます。中学3年間そのためにこんな校則があるというのは意味がわかりません。

〇靴下の長さを守らなくても安全だから

〇意味がわからないです。なぜ学生は学生らしくとか言われないとダメなのか意味不明だし、学生らしさって何かもわかんないです。

〇髪の結び方や結ぶ位置で地域の方からの印象が変わるっていうのは違うと思う

〇恋愛を規制されること自体時代錯誤であり、一方で教職員は職場恋愛をしている為。学力低下と恋愛が全ての生徒にとっての直接要因とは思えない。


《説明に納得している理由(一部)》

〇就職だったら受かる可能性が少なくなってしまうから

〇受験に合格したいから

〇今ルールを守れていない人は直そうと思う気持ちがないと一生直らないと思っているため。

〇私は、ルールのない学校は怖くて行けません。いじめなど何をしても許されるようなところでは安心して学習できません。だから、ルールに守られている、というのはその通りだと思います。

〇痴漢されたくない

〇一人ひとりがちゃんとしていたら全体がよく見えるからかなって思ったからです。

※「納得していない」のほうが長文が多い

→全回答はこちら
校則についての説明に納得しない理由
校則についての説明に納得している理由



コメント

 7割をこえる中高生たちが学校側の説明に納得していない。これは、たいへん深刻なことではないでしょうか。納得なしに自分のライフスタイルが縛られることは、大人も耐え難いですが、子どもにとっても耐え難いことです。


 では、なぜ中高生たちは納得していないのでしょうか。646件の記述からは二つの大きな流れが見て取れます。


 一つは、説明が現実と矛盾していて合理性がないことへの批判です。それは以下のようなものです。


  • 社会で生きるため→「ポニーテール、三つ編みもダメなのは社会で生きるために必要なのか?」
  • 就職や進学で不利→「他校はしていない」
  • 面接に困らない頭髪→「ならば、その時に髪をととのえていけばいい」
  • 学校生活に支障→「下着の色が黒になったから学校生活に支障が出るかはわからない」
  • 事故に遭う→「そもそもツーブロックは社会的に清潔だと言われている髪型」
  • 犯罪に巻き込まれる→「靴を違うのを履いているだけで、犯罪に巻き込まれるのか?」
  • 勉強の妨げになる→「髪型を変えたところで、成績や学習に影響がでるとは思えない」

 関連して、化粧について〝社会に出た時に必要なのに禁止されては困る〟という訴えが少なくありませんでした。〝髪染め禁止を説く先生が茶髪〟といった教員の矛盾への指摘もありました。「校則だから」という説明には「答えになっていない」といった厳しい批判が集まりました。


 いま一つは、個性や人権、人間の自由、ジェンダー、多様性などから納得できないという流れです。


 たとえば、「人権が無いのはシンプルにおかしい」「『ダメなものはダメ』というのは生徒の人権を制限してよい合理的な理由でない」「年齢に関係なく自分らしくいる権利は誰にでも認められており、それを『年齢』という理由で制限されなければいけないのは許されるべきことではない」などです。お化粧についても「自己を表現する方法の一つで誰にも迷惑はかけていないし他人が禁止や命令をしていい領域ではないと思う」という指摘がありました。また、一番多い説明「社会に出る時に困るから」に対しても、「変な我慢をさせる社会がおかしい」など社会や会社の方を変えるべきだという書き込みがありました。


 欧米の学校では基本的人権の観点から、頭髪や服装やお化粧への制限が基本的にありません。子どもたちの問題提起を真剣にうけとめる必要があると思います。


 多様性やジェンダーフリーの観点から「男女の髪の長さの規定に差があったり、女子生徒のズボン着用は認められているのが、男子生徒のスカートの着用は認められていないことは矛盾している」などの指摘があります。スカートを短くすると痴漢にあうという説明には、「被害を受ける方に原因があると言っているようなもの」などの批判がありました。中高生(女性)が、おとな(男性)の性犯罪についての認識を問いかけています。


《「納得している」と答えた子どもたちの気持ち》


 では、教員の説明に納得している中高生たちはどんな風に考えているのでしょうか。アンケートを読んでいくと二つの特徴が浮かび上がります。


 一つは、納得率が比較的高かったのが「社会に通用する人間になる」「就職や進学」「生徒全体の安全・安心」「学校の評判」だったことです。これは、自分の利害、他人(生徒や自校)の利害に強い関心があるからでしょう。むろん、それらの項目でも「納得していない」の方が多数ではありますが。なお、自分の利害といっても、実態的にとてもそう思えない「校外で危険な目に遭う」「成績がおちる」などは納得率が低いです。「中高生らしい」「伝統・校風」なども納得率が低いものでした。中高生たちのリアルな利害は、校則を考えるうえでの一つの大切な観点と言えそうです。


 いま一つは、納得している中高生たちも、すべて納得しているわけではないということです。納得している414人のうち256人(61.8%)が、「校則や決まりをかえられたらいい」と回答しています。変えたい校則には、特定の髪型の禁止、髪の長さの制限、髪染め禁止、スマホ禁止、制服、スカートの長さ制限、持ち物の指定、男女交際などなど多くの項目が書き込まれています。例えば、ある高校生は、「学校生活を安全に過ごすため」という説明をされ、「決まりを守らないと大変なことになり」と納得していますが、検査を「そこまで厳しくする理由を教えてほしい」と思い、「持ち物の自由」が認められる校則を望んでいます。なお、「体罰を与えられたので」と納得しているに〇をつけた高校生もいました。


 納得している生徒たちも、それぞれの思いをもって校則をみつめています。



第一回 校則アンケート結果の概要(前編)

第二回 校則アンケート結果の概要(後編)

第三回 中高生が疑問に思う校則

第四回 校則検査への「イヤな思い」を訴える子どもたち

第五回 校則の影響 「監視されているようで窮屈」が最多