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赤旗

第3回 中高生が疑問に思う校則

 今回から、アンケート結果詳報です。まず、中高生が疑問に思う校則からです。


 中高生が疑問に思う学校の校則を、頭髪関係・服装関係・それ以外の三つに分けて聞きました。回答者は、「あなたの学校の校則や決まりで疑問にあるもの」が「ある」と回答した1195人(全体の82.2%)の中高生たちです。三つの設問とも複数選択とするとともに、選択肢にないものも自由に書ける「その他」という項目も設けました。そこにどんな校則が書き込まれたかは、グラフのあとの各コメントから見ることができます。



グラフ「頭髪関係の校則で疑問に思うもの」①ツーブロックなど特定の髪型の禁止 849(71%) ②髪の長さや結び方の指定 679(56.8%) ③髪染めの禁止 665(55.6%) ④眉の手入れの禁止 603(50.5%) ⑤髪どめ、ゴムの色の指定 560(46.9%) ⑥パーマ禁止 531(44.4%) ⑦地毛証明の提出 520(43.5%) ⑧この中に疑問に思うものはない 55(4.6%) ⑨その他 136(11.4%)

 回答した中高生の71%が「ツーブロックなど特定の髪型の禁止」をあげたことが何より注目されました。ツーブロックが今や当たり前の髪型の一つとなり、その禁止校則が社会の話題になったことも頷けます。髪の長さや結び方/髪染め/眉/髪どめ・ゴムの色/パーマ/地毛証明などが続きます。


 他の分野の校則とくらべて「頭髪関係の校則」への疑問が強いことも特徴です。概要前編(第一回)では全分野を一緒にして「疑問に思う校則トップ10」を紹介しましたが、そのうち6つが「頭髪関係の校則」です。人体の一部である頭髪は人格表現としてもっとも身近なもので、服装のように脱ぎ着もできません。頭髪への規制に中高生が強く反発していることを大人は受け止める必要があるのではないでしょうか。


 「その他」の記述は、前髪の長さ関係(11件)、ヘアピン・髪留め関係(5件)などです。「前髪は眉毛より上で、横の毛が出ているのは違反」「ヘアピンは黒系のもののみ使用可」「お団子・編み込み・高い位置でのポニーテール禁止」などの細かい規定や、「女子の刈り上げ禁止」/[男子の]「刈り上げの強制」、髪染め禁止なのに「地毛が茶色っぽいのに染めてきなさいと言われ、先生に真っ黒に染めればいいのかと試しに聞いてみると、あなたの髪の毛は茶色すぎるから真っ黒にすると目立ってしまうから、自分の髪の色に合わせてと言われました。」など矛盾のある校則や指導、「床屋に注文と違う校則違反の髪型にされ、それが全て自分の責任になり、坊主を強要される。」「野球部強制坊主」などの強制があることなどが記されています。「特になし」(「ない」もふくめ11件)「頭髪に関する規定なし」(2件)という回答もありました。また、最初の質問ということもあり、服装やその他の校則についての記述もありましたが、それらはそれぞれの分野にまとめました。


頭髪関係のその他の記述はこちら


グラフ「服装関係の校則で疑問に思うもの」①靴下の色、長さ、ポイントなどの指定 716(59.9%) ②スカートの長さの指定 626(52.4%) ③ピアス・アクセサリーの禁止 582(48.7%) ④下着の色の指定 491(41.1%) ⑤通学靴の色や種類の指定 478(40.8) ⑥セーターやベストの色や形の指定 482(40.3%) ⑦制服着用の義務付け 479(40.1%)⑧制服の男女別指定 449(38.6%) ⑨コートなどの色や種類の指定 449(37.6%) ⑩タイツの色や種類の指定 367(31.5%) ⑪ジャージ、体操服による通学 372(31.1%) ⑫この中に疑問に思うものはない 57(4.8%) ⑬その他 85(5.8%)

 中高生は、「靴下の色や長さ、ポイントなどの指定」を最も「疑問に思う」ものとしてあげました。その他での記述にも「行事は必ず白の指定ソックスで、忘れた場合はその場で買わされる」「靴下を三つ折りにする[女子の場合]」など靴下の細かい指定がつづらています。直接の聞き取りでも、靴下の三つ折りは、きつくて足首に跡が残る、理由は?なぜ女子だけ?と不評でした。たかが靴下、されど靴下です。


 次に多いのは約半数が選んだ「スカートの長さの指定」「ピアス・アクセサリーの禁止」で、その他には「スカートの長さを計られ、1センチ違うだけでも、指導。たとえ教職員のミスでも。」などが記されています。それに、「下着の色の指定」「通学靴の色や種類の指定」などが続きます。「セーターやベストの色や種類の指定」「制服着用の義務付け」「制服の男女別指定」「コートの色や種類の指定」も四割前後が「疑問に思う」としています。


 なお、中高生への設問は自分の学校の校則についてという限定があります。その学校に「下着の色指定」などの校則がなければ、「疑問に思う」を選ばない場合があることに留意する必要があります。


 その他の記述では、「ベルトの色」「スカーフの長さの指定」「腕まくりの禁止」「第1ボタン止めること」など、多くの細々した指定が特徴的でした。また、選択肢になかった防寒着や夏服と冬服の交代期間、体操着について、「タイツやホットパンツ以外の防寒具を着用できない」「真冬でもストッキング類禁止」「カーディガンやセーターの単体着用不許可」「どんなに暑くてもブレザーを限られた時期に着なくてはいけない」「体操着の時は肌着禁止」など、かなり多くの記述回答がありました。


服装関係のその他の記述はこちら


グラフ「その他の校則で疑問に思うもの」①携帯電話の持ち込みの禁止 553(46.3%) ②リュックやかばんの色や形 477(39.9%) ③リップクリームの指定 422(35.3%) ④ゲームやマンガの持ち込みの禁止 403(33.7%) ⑤恋愛の制限 355(29.7%) ⑥清掃は黙って行うという指示 356(29.8%) ⑦旅行などの制限・許可申請の提出 330(27.6%) ⑧マスクの色柄の指定 255(21.3%) ⑨筆箱などの文房具の指定 245(20.5%) ⑩この中に疑問に思うものはない 142(11.9%) ⑪その他 139(11.6%)

 「携帯電話の持ち込みの禁止」がもっとも多かったのは、スマホが社会生活に広く浸透していることが背景にありそうです。その他の記述でもスマホ関係は最多の40件で、「学校敷地内でスマホを含む電子機器を使用した場合4泊の預かり指導」「もってきてもいいが緊急時以外は通学中なども使用禁止」というものもありました。


 その他の記述で特徴的だったのは、メイク(化粧・アイプチ(まぶたを二重にする)・カラーコンタクトレンズ・まつげパーマ・ネイル等)禁止の校則についての疑問が32件もあったことです。選択肢に入れていたら相当の数を集めていた可能性があります。これもメイク自体が以前に比べてもより広がっていることが背景にありそうです。メイクは「社会に出たときに必要になる」のに禁止するのが「本当に意味がわからない」といった記述もありました。


 ほかに、アルバイトの禁止、飲食や売店の制限、自転車など持ち物の指定、自転車やバイクの制限、水分補給の制限などなど様々な疑問な校則や決まりなどが書き込まれています。校外の活動の制限には、「4時間授業などの早く終わるときは、3時30分まで家から出てはいけない」というものもありました。


頭髪服装以外のその他の記述はこちら




最新の校則アンケート結果

第1回 校則アンケート結果の概要(前編)

第2回 校則アンケート結果の概要(後編)

第3回 中高生が疑問に思う校則

第4回 校則検査への「イヤな思い」を訴える子どもたち

第5回 校則の影響 「監視されているようで窮屈」が最多

第6回 校則を守る理由の説明 7割が納得せず

第7回 校則を変える。強い思いが伝わってくる回答

第8回 子どもの権利条約 4割の中高生が「知らなかった」

第9回 校則についての自由意見「校則をかえてほしいいいいいいい」

第10回 91.7%の教職員が勤務校の校則に疑問