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日本共産党

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赤旗

第9回 校則についての自由意見「校則をかえてほしいいいいいいい」

 中高生のアンケート分析の最終回となりました。

 私たちはアンケートの最後に、「校則や決まりについての意見を自由にお書きください」という設問を置きました。言い足りなかったことも含め、なんでも書いてもらおうと思ったからです。

 長いアンケートのあとでしたが、596件の書き込みがありました。それらは、中高生たちの思いの凝縮体のように思われました。

 書き込まれた文章は、鋭い寸言を含む比較的短文のものから、論建てのある比較的長文のものまで多様です。どう紹介するか色々考えましたが、短文の自由意見から中高生の言いたいことを再構成して代弁してみるという、やや冒険的な試みをしようと思いました。そして、十数本の長文の自由意見を読んでいただこうと。もちろん、すべての自由意見はさいごに読めるようにしてあります。それでは私たちなりの〝代弁〟を始めます。


 「校則をかえてほしいいいいいいい」「こんな校則はクソだ」「無駄なシステムです」「助けてください」――多くの中高生が校則に苛立ち、心の中であるいは表立って変えたいと願っています。まず、このことを伝えたいです。

 くどくどは言いませんが、「髪色や髪型は自由でいいと思う」し、「靴下靴等の校則をなくしてほしい」です。「お化粧したい」し、「スマホおっけいにしてくれ!」とも思います。


 なぜそこまで言うかといえば、校則が「厳しすぎる」からです。「校則の内容が細かすぎ」て、「校則があると自由が奪われている気がする」し、「そんな縛らなくて良いと思う」のです。

 これはただの身勝手な主張ではありません。「学校には校則を定めてもいいという権利はあるが、髪型の自由など、法律に書いてあるものまでが校則にあり、校則よりも法律の方が上で法律に反する校則は無効」なのではありませんか?「髪の長さを制限するのは、個性を殺し人権を侵害しているとも言えると思います」。「先生が自由な服装なのに、同じ権利を持った子どもたちは下着の色まで決められているのはおかしいと思う」のです。「子供にはプライバシーは必要ないって思っている大人達がわからない」です。ちなみに、「校則はなくても良いと思う」という生徒もいます。

 「今の世の中は多様性を認めるべきなのに校則に縛られるのはおかしい」し、「LGBTに対してもう少し真面目に考えてほしい」と思います。それから、「昔と違って気候も温度もどんどん変わってきているので服装の指定は本当にやめてほしい」「頭髪などで毎月お金がかかる」など、健康や金銭面でのデメリットも無視して欲しくないです。


 そして、校則が「なぜそうしなければならないのかを説明してほしい」と強く求めたいです。「一つ一つその校則を作った経緯と理由、今それが必要なのかを説明して欲しい」です。「校則はルールだからだけですまされるのはとても不快です」。

 「校則に、しっかりとして理由があるのなら、嫌な気持ちもしないので、納得出来る説明、回答を望んでいます」。そして、「先生がなぜダメなのか説明すらできない校則は今すぐ無くすべきだと思う」のです。


 納得できない校則を押しつけてくる先生への意見はけっこう厳しいですよ。

  「先生は忙しいのに、わざわざ生徒の服装、頭髪チェックして時間の無駄だと思う。先生は変な校則に対して何も思わないのか」と率直に言わせてください。「先生たちは守っていないことを生徒が強制的に守るのはおかしい」のではないでしょうか。

 「自分の担任は変えようとしているけど結局、生徒指導部長が校則を変えたくないと言う変なプライドがあるのか知らないが一人で勝手に決めているように感じる」と観察している生徒もいます。「意見を表明できないのは子どもだけじゃなくて、先生たちもかおかしいと思っても言えないと思う」と先生を心配する意見もあります。

 こうした先生への意見は、学校や教育そのものへの疑問です。はっきりいって、「子どもの権利条約に反しているので学校側が一番ルールを守っていない」と言えなくないですか。「校則でなくても、子供に自由をあたえつつ、子供を守る方法はあると思う。そういった社会の問題の多くを経験から考えていくのが、大人が持つ子供に対する義務だと思う」。みなさんはどう思いますか。


 私たちは校則に「子どもの意見を取り入れてほしい」と強く願っています。

 「学校が生徒のためにあるというなら生徒の意見に耳を傾けて欲しい」のです。具体的な方法としては「生徒の意見を集めるアンケートを行って欲しい」「年に一回学年集会で必要なアンケートを取って要らない校則は廃棄する」などの案があります。

 意見のなかには「生徒の意見を、ほんの少しでもいいので取り入れて欲しい」という控えめなものからから、「大人は入ってくるな。しかし、自分たちで決める。高校生だからそれくらいのことはできる」という強い自立志向まで幅がありますが、「子どもの意見を取り入れてほしい」という点ではほぼ一致しています。

 そして、どんな校則が要らないのかも多くの人が提案しています。

 「相手に迷惑がかからないものならもっと服装や、髪型、持ち物を自由にしてもいいと思われます」

 「生徒の命を守るためという原点に、関係のない校則は排除していいと思われます」

 「学校生活に支障がない校則はいらないから全国共通でなしにして欲しい」

 いかがでしょうか。

 それから学校による違いもおかしくないですか。「偏差値が高い学校ほど校則が少なく、偏差値が低い学校ほど校則が多いような気がする」し、「とくに中堅校に限って厳しい」です。

 「日本の学校もアメリカなどのようにもっと自由度が欲しい」というグローバルな指摘もあります。スマホで海外の校則事情は見れるし、留学経験者もけっこういます。大人たちも海外の校則を知ったうえで日本の校則のことを考えませんか。

 校則がほとんどない学校の生徒からは「あってないようなものなので自由である」などの意見がよせられています。そんな学校では生徒と先生の信頼関係が強いようです。


 さいごに紹介したいのは「最近の校則を無くそう!みたいな過激なのは流行っているけどある程度の規則は必要だし縛ったほうが良い」と考えている生徒たちもいるということです。数としては少なないですが、少数意見も大事です。ただそういう人たちも校則全部に賛成かといえば、「下着や靴下の色指定が変わればいい思う」人もいれば、「頭髪検査やツーブロック禁止など意味のない校則を無くしたい」人もいます。「なんでもかんでも自由にしていいわけではないと思うからむずかしいところですよね」――対話を大事にしたいと思います。


 私たちなりの〝代弁〟は以上です。それでは以下、比較的長文のものから十六点ご紹介します。


〇校則はなくていいと思う 私は巻き爪だし、他の人もなにか抱えてるかもしれない。そういう人にとって校則はあってほしくないものだと思う。実際、巻き爪でローファーを履いて通学するのはとてもきつい。校則でこんなに悩まされるのは普通に考えておかしいと思う。

〇別に校則があったからといって、生徒の権利はあまり侵されないと思う。死ぬわけでもないし、苦しむわけでもない。あと、関係ないが、サイトに校則反対の意見しかのってないが、校則があっても良いというような意見も少しはのせるべきでは?

〇最低限のマナーを守ってという意味で校則が存在していると思う。将来性を考えたら必要なものもあるが、必要ないとか制限しすぎているとこうものは変えていける後押しが必要だと思う

〇校則はある程度必要なのだと思う。いじめや誹謗中傷等の他人の尊厳や健康に害を成す事があってはならないためだ。しかし今の校則は完全に自分の尊厳や健康に害を成すものになっている。これはいじめと何ら変わらない。髪型、服装が少し派手だからといって全員勉強に興味が無いのか。ピアスをしているからといって全員犯罪を犯しているのか。街に出て派手な格好、ピアス等をしている人を多く見かけるが、そのような問題行動をとっている人等は一人もいなかった。仮に犯罪を犯す人がいてもそれは服装が派手だからではない。その事実は学校側も知るところであるはずだ。にも拘らずそのような校則があるというのは教師側か子供は何もできない管理すべき存在だと思っているからだ。子供にどんな力があって何ができるのかわかっていない、いや、わからないふりをしているのかもしれない。管理が楽だから。また意見表明できる場を全く設けようとしない。それらは立派な人権侵害だ。

〇ある程度の校則はあった方が、規律ができるし清潔感もあるので良いと思う。しかし、頭髪などの個人が生まれながらに持っている特徴をわざわざ申告したり、強制されることは、人権の問題にも繋がると思うので改善していくべきだと考えます。

〇中学生にもなると、周りからの評価的な視線「見られる自分」が気になるお年頃になります。校則をただひたすら書き連ねたものを配布するのではなく、「何故その校則が必要なのか。」生徒が、保護者が、納得できるような理由がほしいです。理由もなく制限するのはどうかと思います。

〇校則って...子供の個性をほぼ消してる様なものじゃないですか?誰しもファッションやメイクに興味出るじゃないですか。それを「子供だから、」「する必要がない」とか、必要?云々じゃなくてもっと個人の個性を大切にして行く必要があると思います。
あと私の学校では他のクラスに行っては行けない。と言う校則があるのですが先生に質問してみました。そしたら「他のクラスに混じって分からなくなるから」「他の学年とトラブルになるから」「迷子になるから」と言われました。トラブルに関してはそれこそ先生方が止める事なのに面倒くさがってるのかな、と思うこともありました。先輩に聞かなければ行けないことなどもあるのに他のクラスに行ってはいけないと言う校則のせいでそれこそトラブルになったらどうするんでしょうか。なのでその様な意味不明な校則は必要ないと思います。

〇まずツーブロック禁止ってなんででしょうね。学校側も私達が納得できるような説明もしませんし。まず1番有力な情報だと事件等に巻き込まれる可能性があるため。こんなの偏見ですよね。ならもう日本にツーブロックの人いませんよねって話です。実際そんな髪型がイラつくが動機な事件なんてほぼないですしまず学生がそんな髪型が原因で事件に巻き込まれる訳ないと思います。完全にそんな事件ないとは言い切れませんが確率的にはものすごく低いと思います。髪型の校則でどれだけの人が苦しんだかと思うと少し胸が苦しくなります。あと清潔感が悪いという理由もありますがニキビの方が不潔だとも重います。でも学校側は生理現象だから仕方ないとか変な言い訳するのでしょうね。多分学校側は私達生徒共がどんなに口を出そうと変える気はないと思います。所詮ガキのほざきのように聞こえてるでしょう。なぜなら過去にも生徒が学校側に意見を言い結局スルー。いじめの案件もスルー。ダメですね。この学校はなんなのでしょうか笑

〇小学校は比較的自由だったので、中学校に入学してその窮屈さに驚いた。入学時には論理的な必然性がない思いつきのような校則にかなりの反発を覚えたが、今ではその気持ちは小さくなっており、大人に簡単に抑えつけられることにだんだんと慣れていっている自分が怖い。私達の主体性を奪っていると思う。

〇私の学校の他の生徒は、学校(校則)が嫌で退学しました。黒染めの強要、その生徒だけの特別指導などなど、彼はとても苦しんでいたと思います。そのような辛い経験をする生徒を減らしていってほしいし、僕自身も校則改革を研究して頑張ります!

〇自分を守ってくれると聞かされていたのに、全く守られている気がしません。むしろきつくて学校に行くのが鬱です。ほかの学校はと抗議したら罰せられ、全く私の考えていた高校生活とは違いました。がっかりです。

〇「男女どちらかはしてもいいのに男女どちらかはしてはいけない」という校則を作ることによって不満も出てくるし、LGBTQの人にとっては、より生きづらい環境になっています。早く直してください。

〇本当に校則を緩くして欲しい。昭和のカチコチの脳みそから令和の校則にかえて欲しい。今は令和です。昭和でも平成でもありません。そして、校則を破ったら?反省文と説教とかってあるけれど、だいたい先生方が言ってる説教のお話は、人権侵害です。日本の公民や政治を教える立場の人間が人権を侵害して良いのかとても疑問です。

〇校則や制服がない学校だが、荒れていなかった。意味のない制服校則は即刻廃止すべき。県立高校だが制服校則もなく、休み時間に勉強したり近くの商業施設にお昼を食べに行ったり、いろいろ自由にできた。時間割も一人一人違うように定められた。単位制だったので、自分が学校でまなびたいことだけ学ぶことができた。それでも大学に行きたい人は大学に行っていた。校則や制服がないことで進学実績が悪化するとはとても思えない。日本の多くの高等学校が思考停止だと感じる。

〇僕は教師による罵声や怒号が飛び交う学校に行けなくなりました。本来はすべての子供の学ぶ権利が保障されるべきはずですが、公立の学校でルールや価値観の押し付け、従わないものへの暴力は明らかに憲法違反だと思います。政府が憲法違反、それに対応す流ように公共の教育機関も憲法違反では、日本は崩壊への道を行くことになることを危惧しています。

〇校則や決まりについておかしいと言えば、先生からの評価が下がり、内申点が下がり、自分の高校の進路にも影響すると思うと、声をあげられません。
中学生の時、先生に服装を注意され、クラスメートからの攻撃が起こりました。不必要な決まりによって同調圧力が強まり、少しでも決まりを守れていない人がいれば攻撃するという形ができあがります。おかしな校則に対する意識を生徒も先生も変える必要があると思います。

〇下着の色が校則違反だった場合、男子がいたとしても、その場で「その下着の色ダメだよ」と言われた人がいた事があります。その子は勿論女の子です。思春期に人権ないんですか?もはや、精神的なDVだと思います。
ただ、その先生だって言いたくて言ってる訳じゃないと思うんです。それに、注意する先生だって辛いかもしれないし、言われた生徒も辛いです。男子がいる前で注意されるんですから。そもそもそんな校則が無ければ、誰も辛い思いしなくて済むんです。誰が聞いてもおかしい校則は、徹底的に消すべきです。
例えば、下着、靴下、ゴムの色等です。これらを縛る理由は、授業の集中力が切れるからだそうです。そんな事で切れると思いますか?生徒をナメすぎです。ゴムの色が赤でも、靴下が黄色でも授業に集中しようと思えば集中できます。中高生は、思春期です。お洒落したいと思い始める時期なのに、こんなしょうもない理由で、縛られるのは凄く腹が立ちます。
本当に私の通ってる中学校は、生徒のことをきちんと考えてくれているんでしょうか?
校則って何の為にあるんですか?生徒を縛る必要ありますか?



すべての自由意見はこちら

自由意見(比較的短文なもの)

自由意見(比較的長文なもの)



最新の校則アンケート結果

第1回 校則アンケート結果の概要(前編)

第2回 校則アンケート結果の概要(後編)

第3回 中高生が疑問に思う校則

第4回 校則検査への「イヤな思い」を訴える子どもたち

第5回 校則の影響 「監視されているようで窮屈」が最多

第6回 校則を守る理由の説明 7割が納得せず

第7回 校則を変える。強い思いが伝わってくる回答

第8回 子どもの権利条約 4割の中高生が「知らなかった」

第9回 校則についての自由意見「校則をかえてほしいいいいいいい」

第10回 91.7%の教職員が勤務校の校則に疑問