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2021年10月27日(水)

内政・外交から野党共闘まで

BSフジ「プライムニュース」 志位委員長、縦横に語る

 日本共産党の志位和夫委員長は25日放送のBSフジ番組「プライムニュース」に出演し、コロナ対策や自衛隊・安保条約の問題、野党共闘の発展などを縦横に語りました。その要旨を紹介します。聞き手は、フジテレビの反町理・解説委員長、新美有加アナウンサー、橋本五郎「読売」特別編集委員です。

コロナ対策――自公政権の失政明らか
検査・医療・補償の拡充・強化を

 冒頭、「選挙戦の手応え、有権者の反応は」と聞かれた志位氏は、「野党共闘で政権交代を実現して、国民の声が生きる新しい政権をつくろう」との訴えが伝わったところでは大きな変化が起きていると強調。日本共産党が訴えている「四つのチェンジ」のどれにも反応が強いが、気候危機打開とジェンダー平等には「若い方の反応が強いですね」とその手応えを語りました。

 安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権の新型コロナ対応について「失政というが、評価できるところは」と問われ、「明らかに失政です」と志位氏。PCR検査の抑制で無症状感染者の把握が行われず、その結果、繰り返しの感染爆発・医療崩壊をもたらした自公政権の責任をあらためて告発。感染拡大の「第6波」に備え「だれでも、何度でも、無料で」PCR検査が受けられる態勢をつくるべきだと強調しました。

 志位 (日本共産党は)ワクチン接種と一体に検査をしっかりやるべきだと一貫して言ってまいりました。

 もう一つは、医療体制を強化しなければならないのですけれども、いま政府がやっているのは逆なんですよ。「地域医療構想」といいまして、こともあろうに消費税を財源にして、全国で20万床の急性期のベッドを削ることを実際に始めているんですね。20年度に3400床削った。コロナの真っただ中に急性期のベッドを削ったわけですね。21年度には1万床削ろうとしている。私は、こういう医療を削るやり方の中止をいま強く求めたいと思います。

 大きな流れから言いますと、40年来ずっと医療と公衆衛生を切り捨ててきて、感染症の入院ベッドを半分にしてしまった。保健所数も半分にしてしまった。これが医療崩壊を招いたわけですから、(日本共産党は)国の予算は2倍にして医療と公衆衛生を再生するというプログラムを提案しています。

 橋本氏は、「いっぱい病院はある。ちゃんと機能していないのはなぜか」と質問。志位氏は、日本の医師数は抑制してきたため人口当たりでみるとOECD(経済協力開発機構)加盟36カ国中32位で、平均から14万人も足らないと指摘。「マンパワーが足らない。日本ではやるべきことをやってきたのか。さっきの検査一つとっても、きっちりとした検査をやっていないじゃないですか」と述べ、続けました。

 志位 補償も十分じゃないから、結局、お店からしたら、安心して自粛要請に応えられませんよね。それから医療機関に対しても、(政府は)減収補てんを拒否してきました。ですから、多くの医療機関は赤字なんです。赤字経営のなかで必死になってコロナとたたかっているのに、減収補てんや財政支援をやらない。

 その全体を考えますと、やるべきことを全部やって、なおかつ相手はコロナですから、やむを得ないということはあるかもしれないけど、やるべきことをやってないじゃないかということを、私は問題にしている。

 それから、オリンピック・パラリンピック開催に、私たちは反対しました。やっぱり、緊急事態宣言中にやるということになりますと、必ず国民のみなさんに間違ったメッセージが伝わる。人類最大の祭りをやりながら、「自粛してください」と言っても、なかなかメッセージが伝わらない。現に感染爆発が起こったわけですよ、「第5波」で。

 橋本 オリンピックで起きたわけじゃないでしょ。

 志位 いや、オリンピックによって国内の人流が広がったと。それは(政府のコロナ分科会会長の)尾身さんも「国民の意識に影響を与えた」と言っているわけですね。

財源問題――コロナ危機は国債で、恒久的な施策では19兆円を提案

 コロナ危機対応の財源をどう考えるか。志位氏は答えました。

 志位 コロナ危機というのは100年に1度の大災害ですから、それから命と暮らしを守るためには、そのことを最優先にして国債でまかなっていくというのが私たちの考えです。しかも恒常的にずっと必要なお金じゃない、一時のお金ですから国債でまかなう。

 いろいろな給付金、たとえば持続化給付金・家賃支援給付金は国債でやるべきです。私たちは最低賃金を時給1500円に引き上げると言っております。これは中小企業に数兆円規模で支援をしないとできません。これもかなり一時的なものなんですね。支援をして最低賃金が上がりましたら、中小企業は自力で賃金を払えるようになりますから、国債でまかなっていく。

 ただ抜本的・恒久的な施策はきちんと財源をつくって、だいたい19兆円の財源提案をしております。(別表)

番組内で紹介された
日本共産党の財源提案
5%消費税減税・社会保障拡充・教育費負担減など19兆円程度
財源大企業法人税率28%に引き上げ8兆円
富裕層への税負担見直し3兆円
富裕税・為替取引税の創設3兆円
軍事費・大型開発の浪費削減5兆円

 橋本 共産党の場合、財源、出てますよね。これ、数字はあるんですけれども、本当に積み上げた数字なんですか。

 志位 すべて計算して積み上げた数字です。

 橋本 それが実現可能だと思いますか。軍事費、大型開発の浪費をどう見るかと。

 志位 (軍事費、大型開発の浪費削減で)5兆円とあるんですけれど、このなかで軍事費を削ろうと考えているのは1兆円なんですよ。あとの4兆円のうち2兆円ですが、消費税を減税しますでしょ。そうすると政府の支出は減りますよね。それで2兆円の財源ができるんです。

 反町 事務費の削減ということですか。徴税コストの削減に。

 志位 (政府が)さまざまな仕事をやる場合の出費が(消費税減税で)減るじゃないですか。それが2兆円ぐらいの効果があるんですね。ですから5兆円のうち、軍事費で考えているのは1兆円。そのなかでとくに米軍への「思いやり予算」とか辺野古の新基地建設とか、そういう米軍関係の予算を削っていくことを中心に1兆円。2兆円はいまいった消費税の減税に伴うものです。あとの2兆円は大型開発の浪費等(の削減)ですけども、そのなかに入っているのは、原発関係の費用を4000億円ぐらい削ることを考えています。それから大型開発(の浪費)という点では、とくに巨大道路、巨大港湾は削っていく必要がある。こういうことで、だいたい合わせて5兆円という積み上げた数字です。

 反町 1兆円減らした防衛費というと、いま概算要求で5兆4000億円ですから4兆4000億円という意味ですか。

 志位 はい。例えば「思いやり予算」、辺野古の埋め立てとか米軍再編関係で4000億円ぐらいいきますよね。これを削ります。それから自衛隊を海外派兵型の軍隊にしていくための予算というのがあるんですよ。例えば護衛艦を空母にして、そこにF35Bを載せる。これはものすごくお金がかかるんです。この空母化した護衛艦がどこで演習しているかといったらインド洋です。こういう海外派兵用の武器はやめる。

 橋本 こちらがこうやるからといってできるもんじゃありませんよね。相手のある話でしょ。

 志位 日本の予算ですから、日本が決断して決めればよい。

 橋本 「思いやり予算」を減らせば、当然、アメリカはどう出てくるかって話になりますよね。説得する自信はあるんですか。

 志位 私たちが政権をあずからせていただいたら、当然、説得します。「思いやり予算」というのは日米地位協定で支出義務がないんですから。日本のように「思いやり予算」をたくさん出している国はないですよ。世界の基準からいっても異常なんですから、これはやめるのが当たり前です。

対中国問題――「力対力」でなく「国際法守れ」の国際世論で包囲を

 軍事大国化を強める中国にどう向き合うかが議論に。志位氏は「軍事で対抗することに私は反対です。『力対力』というところにきますと、はっきりいって中国の思うツボだと。際限ない軍拡競争になって危険な状況になりますから、そういう道を取るべきじゃない」と主張。橋本氏は「外交、外交と言っていると中国の思うツボじゃないですか」と問いかけ、やりとりになりました。

 志位 中国に対して一番大事なのは、国際法をしっかり守れと(言うことです)。

 橋本 (日本政府は)言ってきたでしょ。

 志位 いや、それをきちんと言ってない。例えば中国政府が「海警法」をつくったじゃないですか。中国が「管轄海域」と決めたところは武器の使用ができる。これは明らかな国際法違反なんですよ。国連海洋法条約に違反している。

 私たちは、これは国際法違反だと批判して撤回を求める声明を出しました。ところが日本政府にこの問題をただしても「国際法違反」とは言わないんですよ。言わないでおいて軍事で対応するというのは間違っていると私は思いますよ。

 私は、中国といろいろな形で向き合ってきました。中国は正論を言われるのを一番嫌がるんです。ですから中国に対して、いま南シナ海、東シナ海でやっている覇権主義が、国際法のどこを間違え、どういう点であなた方は国際法に違反しているのかと諄々(じゅんじゅん)と説いていく。「国際法を守りなさい」という国際世論で包囲していく。これが一番中国に痛いんです。逆に、力で対応したら中国はもう待ってましたとばかり力でくる。「力対力」に持ち込まれたら、向こうの思うツボです。

安保条約と野党「共通政策」――問われているのは「安保法制の違憲部分の廃止」

 反町氏は、日本共産党が綱領で「日米安保条約の廃棄」「国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)」と掲げていることについて「綱領と総選挙に向けた野党各党共同の政策提言(市民連合と4野党との共通政策)との矛盾はあるのか、ないのか」と質問。志位氏は次のように答えました。

 志位 (日米安保条約廃棄という)綱領の立場は、私たちは、もちろん変えませんし、綱領の一番核心部分ですから主張しますし、この方向で国民の多数の合意が形成される努力をします。日米安保は決して日本の防衛のためのものじゃない。アメリカと日本が海外で(共同して)戦争をする仕掛けになっているわけですから。

 ただ、いま(安保条約廃棄は)野党の中で合意になっていません。ですから新しい政権ができた場合にも、それからいまの野党共闘にも、それを押し付けること、持ち込むことはしない。

 じゃあ何で結束するかといったら、いま私たち野党が安保・外交で一番重視しているのは、「安保法制の違憲部分の廃止」なんですよ。これは共通政策に入っています。2014年の閣議決定で、憲法9条のもとで集団的自衛権行使はできないという長年の政府見解を一夜で覆し、できるとしてしまった。それで15年に安保法制を強行した。これは明らかに立憲主義を破壊する。野党はみんなその立場なんですね。この安保法制を廃止していこう、簡単にいえば集団的自衛権行使ができないように、前に戻そう、ということで野党の一致点があります。

 それから核兵器禁止条約についても、共通政策では「核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加をめざす」というのが入っているんですね。(沖縄の)辺野古の新基地についても「中止」をすると。

 反町 そうすると、(日米安保条約の廃棄などは)野党の共通公約の延長線上にあるという理解になるんですか。

 志位 安保法制、核兵器禁止条約、辺野古、こういう問題は安保条約廃棄と違います。違うけれども、あまりにアメリカに偏った政治を是正していくという方向性を持っていると思います。そういう点では、ベクトルの向きが違わないと思いますよ。

「限定的な閣外協力」――20項目の「共通政策」でしっかり協力していく

 日本共産党と立憲民主党との政権協力合意で「日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする」となっていることに対し橋本氏は「有権者は統一候補を選ぶ。その統一候補はどっちなんですか。共産党の方なんですか。合意されていないことに対しても候補者は責任持つんですか」と質問し、やりとりになりました。

 志位 (共通政策は)暮らしの問題についても、例えば「従来の医療費削減政策を転換」するとか「消費税減税」とか入っているわけですね。ですから、これはたしかに限定されたものだけれども、いま緊急に自公の政治を変えなきゃならないポイントはだいたい網羅して入っているんですよ。日本の政治を大本から変える、切り替えるパッケージになっている。ぜひそこを信頼して1票を投じてほしいと言っております。

 橋本 そうすると、合意したことだけあなたは賛成ですか反対ですかという具合に、その候補者を判断せよということですか。

 志位 「こういう点で合意している野党統一候補を支援してほしい」と言っています。私たちは「限定的な閣外からの協力」と言っています。閣外協力にも二つあると思っているんですよ。

 一つは、全面的に政権に共同で責任を負う。例えば法案なども全部事前審査、チェックをして、全部同じ態度をとるような閣外協力もありうると思う。

 ただ私たちは(もう一つの閣外協力として共通政策の)20項目についてしっかり協力していく。その他の問題についても、できるだけ賛成できるものは賛成しますよ。しかし、どうしても賛成できないものは反対することもある。そういうこともはっきり国民のみなさんにきちんと言って、審判を仰いでいるわけですから。

 橋本 いろんなケースがあるんだから、今度はとにかく選挙の時だけは協力してくれという感じが優先した感じは非常にぬぐえないんですね。

 志位 そんなことはないです。私たちは進歩主義者だから、閣外協力もいろんなパターンがあってね。私たちは非常に柔軟な閣外協力のあり方を探求したと(いうことです)。

 閣外協力にかかわって、新政権ができた場合の予算案に対する態度も議論になりました。

 反町 予算のときにね、新しく組み替えた予算のなかに、防衛費をどうするかはこの(野党共通政策に)入っていませんよね。でも共産党として1兆円削るといったら譲れないところかどうか。

 志位 それは全体として判断します。予算全体として、この共通政策に沿っているかを判断します。予算ですから、賛同できない要素がありえるかもしれないけど、予算の全体の方向性が、20項目の方向性を持っていると判断したら賛成するでしょう。

 反町 なるほど。100点満点を求めるわけじゃない。

 志位 例えば軍事費について私たちは1兆円(削減)と言っていますが、立憲さんはそこまでは言っていない。でも立憲さんも防衛費を増やすことは賛成していませんよね。(前米大統領の)トランプさんに言われての無駄な「爆買い」みたいなものはもっと削った方がいいとおっしゃっていますから、増額の方向じゃないと思うんですよね。ですから、全体として共通政策の方向に向いているかどうかを判断して決めます。

 「そうなると、閣外協力でかなりの部分も一緒にやるってことじゃないですか」とたずねた橋本氏に志位氏は答えました。

 志位 (立民との政権協力の)合意では「『新政権』において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する」とあるんですね。ですから20項目についてはよく相談しながらやっていきます。その他の問題は、政権をとった党の責任でやっていただくということになります。

 それから私たちは、20項目以外にも積極的な提案をどしどしやっていくつもりです。ただ、新政権は絶対にのめない、例えば「安保条約廃棄」を求めても無理でしょう。そういうことを政権に求めるということはしない。

 国民の中で、安保条約の廃棄の多数の世論をつくっていく。この努力は絶対に断固としてやります。

自衛隊問題――国民の合意をへて一歩一歩9条に近づけていく

 橋本氏は、日本共産党が自衛隊を「違憲」とする立場を聞きました。

 橋本 共産党は、自衛隊は違憲であるという政党です。違憲であるとはどういうことか。この世に存在してはいけないっていうことですよ。にもかかわらず、どうして自衛隊が災害出動するときに、反対しないんですか。

 志位 9条と自衛隊の関係は、だれが見ても(9条2項で)「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあるわけですから、憲法と両立しないと言っているわけですね。

 ただ、両立しないからすぐ消えてなくなれという乱暴な議論をしていない。自衛隊は現に存在している。国民の多くはそれを支持していますよね。そういうもとで一気になくすことはできない。それで私たちは、9条という理想を大きく掲げながら、一定の時間をかけてプロセスを踏んで、一歩一歩9条に近づけていくというのが、私たちのポリシーなんです。

 橋本 そうすると、国民が認めている限り認めるってことですか。

 志位 そういうことです。国民が認めている限りなくせません。ですから、私たちが担う民主連合政府ができたとして、その民主連合政府が対米関係でも対等・平等の関係をつくる。あるいは中国や周辺諸国とも、友好関係を本当に築く。そして国民が、世界、アジアを見て、「これはもう自衛隊なしでも安心だね」という合意ができたときに、初めて9条の全面実施(自衛隊の解消)に着手すると言っているわけです。

 それまで(の期間)に大災害が起こる、あるいは急迫不正の主権侵害が起こるときには、当然自衛隊も含めたありとあらゆる手段で命を守る。

 橋本 それは、都合がよろしくないですか。

 志位 当たり前の議論なんです。

 橋本氏は「憲法できちんと自衛隊を位置付けたらどうか」と質問。志位氏は答えました。

 志位 一番の問題は、海外派兵が無制限になります。戦後日本で自衛隊がつくられたけれども、ただの一人の外国人も殺していない。ただの一人の戦死者も出してない。先進国、主要国でこんな国はないでしょ。それはやっぱり、憲法9条があって、海外派兵の歯止めになってきたからなんですよ。ですから、9条をなくした途端にその歯止めがなくなってしまう。なくなってしまって海外派兵が無制限にやられるようになりましたら間違った方向に行くと思います。

終盤に向けて――共闘姿勢への評価が
「政権交代で新しい政権を」

 24日投開票の参院静岡補選で自民公認・公明推薦候補が敗北した結果を交えながら、残り1週間を切った総選挙をどうたたかうかを志位氏に聞きました。

 志位 静岡で自民党に審判が下ったというのは、大事な結果だと思っています。野党の統一というところまではいかなかったのですけれども、野党の票を合わせますと、77万票近いですね。かなりの大差で自民党が少数になっている。自民党を新しい顔にしたんだけれども、これまでのいろんな強権政治、あるいはコロナの失政、そういうもろもろに対して深い批判が起こっているなと思いますね。

 ですからぜひこの流れを、今度の衆院選挙では、全国213(の小選挙区)で野党一本化していますから、ぜひよい結果につなげたいと思います。

 FNNが行った選挙戦の最新情勢調査結果で日本共産党は「比例で議席を伸ばす可能性」となったことの受け止めについて志位氏は「あくまで情勢調査で、一つの断面だと思うので参考にはしますが、あと6日間の頑張りでいい結果出したいなと。私たちとしては、自民・公明を過半数割れに追い込んで、政権交代というこの目標は最後までぶれずに貫きたい。そのなかで共産党も伸ばしたい」と決意を語りました。

 橋本氏は、「今度は、共産党は歴史的な大転換をしたと思う」と述べるとともに、日本共産党が野党一本化で候補者擁立をこれまでより減らしたため「比例の票数が相当減るんじゃないかと予想していたが、調査をやってみると減らない。どういうことなのか」と疑問をぶつけました。

 志位 まだ今度の選挙の結果はこれからですから、増やせるかどうかも含めてこれからの頑張りだと思っているので、そこはなんともいえない。

 ぜひ増やしたいと思っていますが、たしかに擁立を減らすというのは、それだけ宣伝、あるいは公営選挙の制約が出てきますよね。マイナスといえばマイナスなんです。ただ、私たちとしては、先ほどいったような20項目の合意、とくに安保法制をなくして立憲主義を回復するという、この国のもとから立て直そうという大義に立って協力するという、この共闘を進める姿勢を評価していただいているということも一方であると思うんですよ。「比例は共産党」という方が、これまでなかったところでずーっと広がっていることも感じます。ですから、たしかに機械的にいえばマイナスの面があるけれど、そのマイナスを上回るプラスをぜひ出したいなと思って、いま頑張っているところです。

 志位氏が指摘した共闘の姿勢について橋本氏は「共産党の固定の支持者よりも、野党の方の支持者の方に広げた」と指摘。反町氏が「協定を結んでビジョンをもって組んだ以上、(共闘は)今回で終わりになるとかそういうことではないですよね」と問いかけると、志位氏は「もちろんです」として次のように述べました。

 志位 私たちは、16年の参院選挙、17年の総選挙、19年参院選挙と3回(共闘を)やってきた。ただ、政権(協力)の合意はできなかった。今回は政権の合意も、「限定的な閣外協力」という合意ができてやってるわけですから、この態勢で最善の結果が出るようにあと6日間頑張りますが、この選挙でもうこれは終わりってことは絶対ありません。この次も次もやっていく。発展させていくつもりです。

 「共産党は選挙戦をどうたたかい抜くのか」と聞かれ、志位氏は、「政権交代」と書いたフリップを掲げて語りました。

 志位 最後まで頑張って、6日間でひっくり返して政権交代をやりたいっていうのが私の決意です。その先のことは、その結果を見て、また考えたいと思うけども、今度の選挙に私たちがかける意気込みは政権交代です。新しい政権をつくると。

 橋本 私は見ていてね、非常にウイングを広げつつあると。そのウイングはやがて、野党のかなりの部分をのみ込んでいくような、そういう長期戦略のもとにやっているんだなという、そういうように感じますね。

 志位 他の党をのみ込むとか、そういう話じゃないんです。協力なんだから、立憲は立憲で頑張る。共産党は共産党で頑張る。一致点で協力する。お互いにリスペクトしあって、敬意を払って協力するということなんで、何かのみ込んでいくとか、物騒なことをいわないでくださいよ。(笑い)

視聴者からの質問に答えて

 最後に視聴者からのメールで、「自民党は変われない、変わらないと枝野さんは主張しているようですが、立憲民主党と共産党は、党の代表および執行部が先の選挙時と同じメンバーです。自民党には変われと批判しておきながら、自分たちはそのままでいいというのがどうにもふに落ちません」という質問がありました。志位氏は次のように答えました。

 志位 立憲さんの執行部体制に私がいう立場にないんで、私についてのことだと思うんですが、これは、党の大会で毎回人事は決めるんですが、その時はみんなで相談しながら、党大会の代議員の無記名投票で選出をされて、そして最初の中央委員会総会で委員長として選出されて夢中でやってきたら、21年たったということです。

 私の気持ちからすれば、この6年前に共闘に路線を転換した。わが党にとっては党創立99年だけど、かなり大きな転換なんです。ですから、転換したからには、やり遂げたいという思いがあるんです。ぜひ、そういう思いで頑張りたい。


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