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~12月のテレビラジオ面~
☆ラジオとともに きゃんひとみさん

☆コロナ禍に感じる温もり 「ラジオの歩き方」ワイド

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□ラジオとともに きゃんひとみさん(7日付)

 「bayfm(ベイエフエム)」で開局以来30年余ラジオDJを務める、きゃんひとみさん。生放送を最大限に生かし「リスナーからの文書を放送中に初めて読んで一生懸命に答えます」。コロナ禍でも「放送で寄り添うことはやっていきたい」と前向きです。(記事を読む

□コロナ禍に感じる温もり 「ラジオの歩き方」ワイド(21日付)

 今年一年、ラジオの現場はコロナ禍とどのように向き合ったのか。連載コラムでおなじみのやきそばかおるさんに振り返っていただきました。「雑談でリラックスしてもらおう」「卒業式が中止になった学生にメッセージを」など温もり感じる番組を紹介。(記事を読む

●放送 この1年(9、10、12、16日付)

 この1年を6つのテーマでふり返ります。「NHK経営委員会」(9日付)、「官邸のテレビ監視」「コロナとテレビ」(10日付)、「NHK受信料」(12日付)、「メディアと人権」「テラスハウス」(16日付)。(記事を読む)

●試写室'20 テレビが描いたもの(17日付~)

 新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝える「試写室」。多彩な執筆陣が2020年の作品からテレビが描いたものをふり返ります。

◆ドラマで活躍・多彩な顔が登場 12月の「休憩室」(日曜日掲載)

☆宮本茉由さん(20日)「監察医 朝顔」(フジ系)で鑑識係員の渡辺英子を演じています。今年の漢字一文字は「支」。「支えていただいて乗り越えた1年だったなと思います」。

◆好評・「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、ライター、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

◆コラム「レーダー」「ちょっといわせて」も

 放送と政治の関係、番組の内容などについて鋭く指摘します。

●石子順の「映画の窓」

  毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選して紹介します。

♪♪♪毎週月曜日付は「ゲツトク」です♪♪♪

  毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。通称「ゲツトク(月特)」。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」(随時掲載)が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇石井彰の「テレビ考現学」(第1月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

  放送作家・石井彰さんによる辛口コラム。その名も「テレビ考現学」。放送業界では、いま一体何が起きているのか…。〝ご意見番〟的に語り尽くします。

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」(第3月曜日付)

国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に!

◇谷岡理香の「話して書いて考えて」(第4月曜日付)

 ジェンダーとメディアが専門の谷岡理香さん。アナウンサーとして放送の現場で仕事をしてきた女性の視点から、マス・メディアのこれからを考えます。

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

「テレビラジオ」欄で、民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本など数々の作品を手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!
 

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎ラジオとともに/bayfmきゃんひとみさん/コロナ禍でも気持ち前向き/生放送で寄り添う

 「bayfmの太陽」としてあふれる元気! きゃんひとみさん(60)は、千葉県にある「bayfm(ベイエフエム)」で、1989年10月の開局以来、30年余ラジオDJを務めています。新型コロナウイルス禍の影響を受けながらも、生放送を届けて、いつも聴取者と向き合っています。(小川浩)

 毎週月曜日の午後のひと時、プロ野球解説者の里崎智也さんとの丁々発止が魅力です。自称3時間の〝雑談〟生放送「The BAY☆LINE(ザ・ベイ・ライン)」(後4・0)を担当しています。
 生放送の特徴を最大限に生かして「その日のメールのテーマは番組が始まる1時間前にスタッフから知らされるんです。リスナー(聴取者)からのメール、ツイッターの文書の束がドサッと目の前に置かれるんです。それを放送中に初めて読んで、一生懸命に答えています」

日常の逸話

 テーマは、暮らしの一ページを垣間見る「天ぷら」「寝具」「塩の活用法」など。リスナーとDJの日常の逸話が披露されます。
 スタッフは、お決まり言葉はいらないという考え方。
 「里崎さんの言葉を聞いて、こう来たか。じゃあ~これでどうだ! キャッチボールをするように、ストレート、時には変化球、豪速球も! スタッフ、里崎さんとの信頼関係があるからできるんです」
 沖縄県那覇市に生まれ、子どもの頃「ちゃぶ台」を舞台にして歌を歌い、人前で表現することが好きでした。英語の米軍向けラジオ「FEN(極東放送網)」の番組が流れていました。
 「英語はわからなかったけど、聞いていました。肌感覚でアメリカを感じていました。周りには外国人がたくさんいて、学校の同級生には、お父さんが米軍兵士で、ベトナム戦争で会えないという子もいました。戦争が起きていることを実感し、怖かったし、悲しかった」
 東京の大学を卒業後、1982年、アナウンサーになりたいと琉球放送(RBC)に入社しました。89年からフリーランスになりタレントとして活躍しています。bayfmとの縁は、千葉での仕事のあと、たまたまあいさつに訪れた際、開局準備中でパーソナリティーを探していた同局のプロデューサーに声をかけられ、番組レギュラーに決定。現在に至っています。
 「中学1年生の時、ラジオ番組に『涙くんさよなら』をリクエストして曲がかかった感激は今でも覚えています。沖縄が『本土復帰』(1972年5月15日)した後だったので、日本語の放送でした」
 その喜びを実現したいと、電話リクエストの生放送を提案。91年4月5日、3時間の生番組「Tokyo Bay Line 7300」がスタート。番組名や〝相方〟が変わりましたが、現在も続いています。

年齢幅広く

 コロナ禍ですが、気持ちは前向きです。
 「自粛期間がありましたが、だからこそリスナーの年齢の幅が広がりました。聞く専門だった人も『〝聞き専〟だったんですが、初めてメールします』と変化しています。痛みを直してあげることはできないけど、放送で寄り添うことはやっていきたいと思っています」
 放送人として38年です。
 「おうちにいる時間よりも、マイクの前に座っているラジオの3時間の方が、今の自分を見つめ直している時間でもあるし、テーマを通して誰かから今の私を問われて、答えている時間。今を生きるための喜び、張り合いなんです」

 きゃんひとみ RBCiラジオ「琉球花物語」パーソナリティー。一人歌劇「『LIFE』―恩納ナビー今を生きる―」。グループ「琉球歌人三姉妹」のボーカルとして千葉を中心にライブ活動。
(12月7日付)


◎やきそばかおるのラジオの歩き方/第31歩/ワイド版/コロナ禍に感じる温もり

 今年一年、ラジオの現場はコロナ禍とどのように向き合ったのか。連載コラム「ラジオの歩き方」でおなじみのやきそばかおるさんにラジオ局の取り組みや、リスナーの反応などをふり返っていただきました。ワイド版でお届けします。

 コロナ禍で非常事態になろうともラジオには温もりを感じる。それは新型コロナウイルスの感染拡大防止策をとりつつ、楽しい放送を届け続けたいというラジオ関係者の尽力の賜物だ。
 NHK札幌放送局で放送された『まるごと雑談ラジオ~がんばろう北海道~』(3月16日~19日放送)は緊張の日々に疲れている人たちに雑談でリラックスしてもらうという意図で放送された。牛の世話をする子ども、オンラインでピアノレッスンをする先生など、さまざまな人との雑談で笑顔に溢れ「雑談は世界を救う」という言葉を生んだ。そのほか北海道出身のGLAY、レバンガ北海道の多嶋朝飛選手らのインタビューやコメントも放送した。全国のリスナーから激励のメッセージが届いたことも印象的だった。
 *    *
 卒業式が中止になり、寂しい思いをしている学生のためにもラジオは動いた。さまざまな番組で先生や同級生、先輩にメッセージを届ける企画が行われた。中でも広島エフエム『大窪シゲキの9ジラジ~9ジラジ卒業式生放送スペシャル』(3月23日放送)はDJ総出でリスナーの門出を祝った。同番組は毎年公開形式で卒業生リスナーを祝っていたが、今年はスタジオからお祝いすることに。電話出演した卒業生の先輩からメッセージが届いたり、地域の人々がお祝いする様子は胸を打つものがあった。
 4月が近づいた頃、スタジオにアクリル板が設置されたり、ニッポン放送では業界初の試みとして紫外線照射殺菌装置が設置された。ビデオ会議システムも活用され、スタジオ以外からも放送された。46年を誇る長寿番組『ありがとう浜村淳です』も連日、浜村の自宅から放送した。放送は驚くほどスムーズに進み、浜村は「少しハプニングが起きた方が面白かったかも」とポツリ。一方、収録番組の中にはせっかくならこの事態を楽しもうと、松岡茉優は自身の番組で自宅で料理をしながら収録したり、斎藤工は自身の番組を浴室から放送した。斎藤は「ラジオで一度やってみたかった」と嬉しそうだった。
 *    *
 時は過ぎ、さまざまな部活動の大会の中止が決まった。ラジオ関西ではNHK杯全国高校放送コンテストの中止を受けて、過去の同大会の朗読部門と創作テレビ部門の二つの部門で準優勝に輝いた津田明日香アナウンサーの発案で、兵庫県内の高校を対象に『#放送部の夏 高校アナウンスフェス』(8月9日放送)を開催した。
 なかなか収束する気配のない新型コロナウイルス。ストレスがたまる中でラジオで聴いた忘れられない一言がある。CBCラジオ(名古屋)『若狭敬一のスポ音~エンジョイホームテレトーク』(5月16日)でのひとコマ。脳科学者の柿木隆介氏に心をコントロールする方法を聞いた若狭アナの一言「まずは目の前にいる大切な人に優しくすることが全てを解決するんですね」という一言が温かかった。聴いている人に優しいメディア、それがラジオである。

 やきそばかおる ラジオコラムニスト、ライター。山口県出身。小学生の頃からラジオっ子で、はがきやメールをよく送っていた元〝はがき職人〟。「radiko.jp」をはじめ、雑誌、Web、新聞などにラジオに関するインタビューやコラムを多数執筆。MBSラジオ(大阪)『福島のぶひろの、金曜でいいんじゃない?』の「やきそばかおるのラジオ旅。上機嫌!」などに出演中。
(12月21日付)


◎放送この1年/NHK経営委員会/放送法違反の干渉/「自主自律」求めて運動

 〝かんぽ生命の保険不正販売〟を告発するNHKの番組をめぐって日本郵政グループの圧力に屈し、経営委員会が当時の上田良一会長を「厳重注意」した問題は、個別番組への干渉を禁じた放送法32条違反にあたり視聴者の運動が広がりました。
 視聴者団体や研究者・法律家らは、再三にわたって経営委員会に対して質問書を提出、「厳重注意」を主導した森下俊三経営委員長(当時経営委員長代行)の辞任を求める署名や「厳重注意」を決定した経営委員会の議事録の公開を求めました。
 経営委員会が議事録の公開を拒んだことに対し、NHK自身が設置している第三者機関「情報公開・個人情報保護審議会」は5月22日付で「視聴者への説明責任を果たすことが求められている」として「開示すべき」と答申。このなかで「速やかに開示することは、今後のNHK及び経営委の運営にとっても必要といっても過言ではない」と指摘しました。
 この答申を受け、NHK側は、7月31日付の経営委員会のホームページの議事概要に「追記」を掲載しましたが、「全面開示」とは程遠いものでした。
 視聴者や元NHK職員らでつくる「NHKとメディアの今を考える会」は11月10日、NHK放送センター前で森下経営委員長の辞任と議事録の公開を求める抗議集会を開きました。1月に就任した前田晃伸新会長のもとでもNHKの「自主自律」を求める運動は続いています。
 (佐藤冬樹)
(12月9日付)

◎放送この1年/官邸のテレビ監視/〝支配したい〟政権/メディアの連帯で反撃を

 内閣府の内閣広報室がテレビの特定のニュース・情報番組の出演者の発言を連日、詳細に書き起こし、その内容をチェックしていたことが明るみに出ました。
 本紙の情報開示請求に、内閣広報室が開示したのは、新型コロナウイルスの感染拡大で、安倍晋三首相(当時)が学校等の「一斉休校」を要請した直後の3月1日から16日までにとどまりましたが、A4判で700㌻にのぼりました。
 常時監視の対象になっていたのは、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」、TBS系「NEWS23」など平日の7番組と、土日のTBS系「サンデーモーニング」、NHK「日曜討論」など4番組。開示された文書「新型コロナウイルス関連報道振り」によると、「一斉休校」「休業補償」など、政府の方針にかかわるテーマが話し合われた時の発言が文字起こしされていました。当時、政府のコロナ対応について歯に衣着せぬ発言を展開していた岡田晴恵白鴎大学教授の場合、出演したTBS系「アッコにおまかせ!」まで記録され、政府が気になる人物を監視していたとみられます。
 批判的言動は許さない、メディアを支配下に置きたいという、政権の意向の一端であることは明らかです。
 権力を監視するはずのメディアが、権力によって監視されるという異常さ。メディアに介入・圧力を強める菅政権に対して、市民とメディアの連帯した〝反撃〟が求められています。
 (藤沢忠明)
(12月10日付)

◎放送この1年/コロナとテレビ/新作が軒並み延期/迫る廃業、支援が不可欠

 新型コロナウイルスの感染拡大は、テレビ業界にも多大な影響を与えました。
 緊急事態宣言が出された4月、収録を休止せざるを得ず、民放の新ドラマが軒並み放送延期に追い込まれました。放送を始めても途中で延期に。いまだに放送できない番組もあります。NHKの大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」は過去の大河の特集、連続テレビ小説「エール」は1話から再放送といった異例の事態となりました。
 そんな中、過去ドラマの再放送に共感が寄せられ、「リモートドラマ」という挑戦もありました。コロナに負けるなという業界の心意気の表れです。対策を取り、模索しつつ撮影再開に至りました。
 一方、出演者やスタッフにとっては政府の自粛要請が死活問題となりました。
 日本俳優連合のアンケートによると、持続化給付金を申請した人は7割弱、文化庁の継続支援事業の申請は4割にとどまります。情報が乏しく、書類等をそろえるのが手間でした。「各申請で感じたのは『遅い、複雑』の2点です」「この状況が続くなら、年末にも持続化給付金が欲しい」と切実です。身近で倒産や廃業を見聞きしたと答えた人は7割を超えました。さらなる支援は不可欠です。
 民放各局はスポット広告が3割減と報じられました。在宅勤務が増えた結果、出社した社員の負担が増えた、取材力が落ちたと聞きます。冬の一時金や春闘を見据え、労働組合の真価が問われます。
 (和田肇)
(12月10日付)

◎放送この1年/NHK受信料/義務化と値下げ/菅首相のかねての持論

 インターネットを通じてNHKを視聴できる「NHKプラス」が4月から本格的に始まりました。同時に総務省では有識者会議をつくり、ネット視聴者に対する受信料などの議論を始めました。
 10月の会議で突然の提案がありました。NHKからはテレビの設置届け出義務化と、未契約者の氏名を公的機関に照会できるような放送法改定。総務省からは、受信料の支払い義務化でした。いずれも11月に出されたとりまとめ案では退けられましたが、代わりに不当な支払い逃れに割増金を課す案が盛り込まれました。
 提案の背景には、9月に就任した菅義偉首相の影響がうかがえます。受信料義務化と値下げは菅氏のかねての持論です。総務相在任時の2007年に提案したものの、NHK出身の橋本元一会長に拒否されました。恨みに思い、安倍晋三首相(当時)とともに経営委員会人事を通じて財界人をNHK会長にしたことを、自著『政治家の覚悟』に自慢げに書いています。
 〝公共放送、受信料とは何か〟の議論が欠けています。NHKには、放送を通じて国民を戦争に駆り立てた痛苦の過去があります。戦後、国家権力からも財界からも独立した役割を求められました。それを支えるのが受信料です。本来、受信料とは視聴者が「NHKは自分たちのための放送をしている。だから支えよう」と納得して支払うものです。義務化や割増金は、その本質からの逸脱です。
 (和田肇)
(12月12日付)

◎放送この1年/メディアと人権/差別に厳しい批判/根源は歴史認識の欠如

 人権と差別に関わって、NHKの二つの企画に多くの視聴者から厳しい批判が続きました。
 一つは「1945ひろしまタイムライン」です。敗戦の年、1945年にインターネットのSNSがあったら人々は何をつぶやいていたかという、興味深い設定で始まりました。実在の3人が登場し、当時の日記やNHKの取材に基づいてツイートを作成。この中で6月と8月に、「朝鮮の奴(やつ)ら」などといった言葉が、説明もなく発信されました。
 もう一つは「これでわかった!世界のいま」(6月7日放送)の公式ツイッターに投稿されたアニメ。アメリカで起きているデモが、貧富の格差に対する黒人の暴動であるかのように描かれていました。実際は、警官による黒人殺害に抗議するものだったのです。
 NHKは、二つの件に関して「配慮が不十分だった」と謝罪しました。しかし、これでは、問題の本質をきちんと捉えたことにはなりません。在日朝鮮人や黒人への差別と偏見を助長し、その根源には歴史認識が欠けていたことがあります。NHKの公共放送としての資格が問われます。
 NHK広島放送局は県内向けの番組「ラウンドちゅうごく」で11日、「ひろしまタイムライン 戦後編」と題して放送しました。3人のツイッターをダイジェストで紹介。朝鮮半島出身の人々の被爆にもふれて、日露戦争後の1910年に韓国併合をしたことを伝えました。全国放送でなかったことには疑問が残ります。
 (渡辺俊江)
(12月16日付)

◎放送この1年/テラスハウス/出演者を守る責任/話題優先、心のケア怠る

 リアリティー番組「テラスハウス」に出演中のプロレスラー・木村花さん=当時(22)=が5月に急死し、衝撃を広げました。出演者の命と安全を守る責任が制作したフジテレビにはあります。
 「テラスハウス」とは、男女6人の共同生活をドキュメンタリー風に映し、スタジオの芸能人が批評する番組です。毎回「台本は用意していません」というテロップを表示し、全ての言動は出演者の意思だと視聴者に思わせていました。
 木村さんに非難が集まる〝事件〟がありました。生活態度の悪い同居男性に木村さんが激怒。男性の帽子を取って投げたのです。番組では珍しい光景だったためインターネット交流サイト(SNS)で話題が集中、木村さんに激しい誹謗(ひぼう)中傷が寄せられたとみられています。
 7月にフジテレビが公表した検証報告は言い訳にあふれ、ネットの〝炎上〟については制作スタッフが「予見できなかった」としました。
 どんなドラマやドキュメンタリーにも制作者の意図があります。視聴者にこう感じてほしいと考えて演出・編集します。検証報告でも、出演者は心構えとして感情豊かに過ごすことを求められていました。虚像を非難され傷ついた木村さん。予見できなかったとは、制作側が話題作りに夢中で心のケアを怠ったことを意味します。
 この問題は、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会で審理中です。
 (和田肇)
(12月16日付)

 

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