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~2月のテレビラジオ面~

☆寄り添う家族 10年見つめる

☆大河ドラマ「青天を衝け」 吉沢亮さん語る

☆危険だらけの芸能現場 労災保険加入OKに

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□寄り添う家族 10年見つめる(1日付)

 生後10カ月で平均30歳までしか生きられないという色素性乾皮症と宣告された清麟太郎さん(17)とその家族に寄り添い10年。ディレクターの中村潔さんは「あのままでいいと思うようになったのはなぜか」に重点を置いて取材したと話します。(記事を読む

□大河ドラマ「青天を衝け」 吉沢亮さん語る(8日付)

 実業家・渋沢栄一の前半生を描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」。「栄一は何かあるたびに走っているので足腰が強くなった」と主演の吉沢亮。「身分で物事が決まるのはおかしいと気づく」物語の魅力を語りました。(記事を読む

□危険だらけの芸能現場 労災保険加入OKに(22日付)

 4月から芸能やアニメーション制作従事者の労働災害補償保険への特別加入が可能になります。調査や要請を行ってきた日本俳優連合の森崎めぐみ理事は「労働実態が明らかになることで多くの人が支えてきた産業だと伝わってほしい」と話します。(記事を読む

●変えるために行動を 加藤シゲアキが語る(6日付)

 パワハラを受けた青年の死をめぐり4人の運命が交差するNHKドラマ「六畳間のピアノマン」。第1話主演の加藤シゲアキは、演じる村沢憲治が「勇気を振り絞って前に進んでいく大胆さにはすごく共鳴した」と作品への思いを語りました。(記事を読む

●社会問題織りまぜ身近に 西森路代のおすすめ冬ドラマ(13日付)

 ライターの西森さんが1月開始のドラマから、美談にしないクドカン作品「俺の家の話」(TBS系)、連帯が生まれる過程を描く「その女、ジルバ」(フジ系)、綺麗ごとではない角度から考えさせる「ここは今から倫理です」(NHK)の3本を紹介。(記事を読む

●放送の現在と未来のため 内部留保の活用で 民放労連臨時大会(24日付)

 民放労連は「賃金・労働条件の向上は放送の未来への先行投資」をスローガンに春闘へ向けた方針を決定。「コロナに関する労働相談で組合への信頼が高まった」「テレビ会議で懇談会を開き若手社員20人が加入」などの取り組みが報告されました。(記事を読む

●「香港」は地続き 「ヤジと民主主義」テーマに講演(25日付)

 ドキュメント「ヤジと民主主義~警察が排除するもの」を制作した北海道放送報道局山崎裕侍さんを講師に日本ジャーナリスト会議が講演会を開催。山崎さんは「おかしいことはおかしいと言うことがメディアの役割」と制作動機や香港民主化運動弾圧問題を語りました。(記事を読む

◆ドラマで活躍・多彩な顔が登場 2月の「休憩室」(日曜日掲載)

榊原麻理子さん(21日)フルート奏者としてパリで成長!「ダ・カーポ」のメンバーです。新曲には「コロナ禍で人の心を結ぶ一助になってほしい」とメッセージを込めました。

木津誠之さん(28日)NHKFM「谷川俊太郎と旅する ことのはワンダーランド」の案内人。「言葉が持つイメージを損なわないように自分の色が加わらないよう努めました」

◆好評・「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、ライター、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

◆コラム「レーダー」「ちょっといわせて」も

 放送と政治の関係、番組の内容などについて鋭く指摘します。

●石子順の「映画の窓」

  毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選して紹介します。

♪♪♪毎週月曜日付は「ゲツトク」です♪♪♪

  毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。通称「ゲツトク(月特)」。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」(随時掲載)が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇石井彰の「テレビ考現学」(第1月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

  放送作家・石井彰さんによる辛口コラム。その名も「テレビ考現学」。放送業界では、いま一体何が起きているのか…。〝ご意見番〟的に語り尽くします。

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」(第3月曜日付)

国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に!

◇谷岡理香の「話して書いて考えて」(第4月曜日付)

 ジェンダーとメディアが専門の谷岡理香さん。アナウンサーとして放送の現場で仕事をしてきた女性の視点から、マス・メディアのこれからを考えます。

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

「テレビラジオ」欄で、民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本など数々の作品を手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!
 

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
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◎第35回民教協スペシャル「おひさま家族」/子どもが難病、平均30歳までしか…/寄り添う家族、10年見つめる

 子どもが、平均で30歳までしか生きられないという難病だったら? 一見、絶望的な状況下の家族を10年にわたり見つめ続けてきた静岡放送のドキュメンタリー「おひさま家族」が11日(木)を中心に全国33局で放送されます。第35回民教協スペシャルです。ナレーションはリリー・フランキー。(和田肇)

 静岡県富士市の清麟太郎さん(17)は、30歳くらいまでしか生きられないという色素性乾皮(かんぴ)症です。紫外線を浴びると皮膚にやけどのような症状が出て、やがて皮膚がんを患ってしまいます。日本には約500人しかいないと言われており、麟太郎さんは生後10カ月でこの宣告を受けました。
 深刻なのは、年を重ねるにつれて神経障害が加わり、聴覚や運動神経が衰えていくことです。
 6歳のころは、日が沈むと外に出て自転車に乗って遊び、祖父の新聞配達を手伝うのがお気に入りでした。小学校高学年になると自転車に乗れなくなり、言語発達に遅れが生じました。
 治療方法が無い中で家族は、記憶として残せるうちに多くの思い出をつくろうとしてきました。毎年、日が暮れてからサクランボ狩りに出かけ、祖母は彼の言葉をつづった本を制作しました。
 今、17歳になった麟太郎さんは車いすを使うことが多くなり、家族との会話もいっそう困難になりました。祖父母も老い、家族の状況は変化しています。しかし家族はこの17年間を「楽しかった」「幸せだった」と振り返るのです。

「ありのままで」

 取材したディレクターの中村潔さん(45)が麟太郎さんを知ったのは10年前。祖母が、孫と色素性乾皮症について知ってほしいと自費出版した絵本がきっかけでした。とても明るい家族の姿が印象的でした。「もし、生まれた時から生きる時間が決められているとしたら、麟太郎君やその家族は、どのように生きていくのか」と関心を持ちました。
 それから恒常的に家族を取材するように。当初、無意識に「かわいそう」「大変な人たち」という面を引き出そうとしていました。ある時、母親に言われます。「日に当たることができたら、りん君じゃない。だからあのままでいい」
 中村さんは「私が持っていた認識は間違っていた」と痛感します。それ以降、「なぜ、家族はあのままでいいと思うようになったのか。年を重ねても、その気持ちは変わらないのか」に重点を置いて取材しています。
 中村さんは言います。「ドキュメンタリーは『人(人生)を描く』もの。何十時間、何百時間とその場に身を置き、真実を撮り続けます。番組はテロップやBGMは少なく、時にはナレーション無しということも。その分、いつまでも色あせることなく、画(え)の強みや作り手の思いを感じてもらえるものだと思っています」

「普遍性捉えた」

 民教協(民間放送教育協会)は、放送を通じて教育の機会均等と振興に寄与することを目的として1967年に文部科学省の認可を受けて設立されました。年1回、ドキュメンタリーのスペシャル番組を制作しています。
 今回は30企画の応募がありました。映画監督の崔洋一、映像作家の森達也、作家の星野博美が審査。「おひさま家族」は家族一人ひとりの物語を丹念に追った誠実さが評価されました。審査委員は「普遍性を捉えている素晴らしい作品」(森)、「10年寄り添ったディレクターの誠実さが伝わってくる」(崔)とコメントしています。

 放送日時は、テレビ朝日が6日(前10・30)、山梨放送が13日(前10・30)、他の31局は11日です。時間はそれぞれ異なります。

 なかむら・きよし 2008年SBSメディアビジョン入社。主な作品に「正義咲く!青春ラプソディー~バンカラ高校応援団」(13年、民放連賞テレビエンターテインメント部門優秀賞)
(2月1日付)


◎渋沢栄一描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」/主演吉沢亮さん/自分の決めごと取り払い

 14日から始まるNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(後8・0)は、実業家・渋沢栄一の幕末から明治にかけての前半生を色濃く描きます。農民から徳川慶喜の家臣となり、渡仏を経て新政府の要職に就き、33歳で実業界へ転身した渋沢。演じる吉沢亮がリモート会見で物語の魅力を語りました。(和田肇)

 ―渋沢栄一とはどのような人物ですか。
 最初の印象は「新しいお札の人」(2024年度から1万円札)。調べてみると、いろんな企業の立ち上げに携わっていて、ジェットコースターのような波瀾(はらん)万丈の人生でした。一歩間違えたら死んでしまうような瞬間も経験しながら、それでも生き抜いた人。あと、おカネの尊さを幼いころから誰よりも考えている人でした。

 ―どのように演じているのですか。
 基本的に栄一は走っています。何かある度に走っているので、けっこう足腰つよくなったんじゃないかな。
 事前情報からある程度決めごとをしてお芝居をしていたんです。だけど、大森美香さんの脚本が、ちょっと自分の信念から外れるときの人間くささをすごく丁寧に描いていました。なので決めごとを一回取っ払って、台本の言葉を丁寧に演じています。

 ―初めての大河出演で感じたことは。
 セットがでかすぎる。血洗島(栄一の故郷)のオープンセットなんですが、どこを見渡しても大河の土地なので。完璧に周りの環境が用意された中で「あとは芝居してください」というすごくぜいたくな状況です。
 一人の人生を1年間で凝縮して体験できるのは、人間としても成長できると思いますし、役者としても成長していかないと太刀打ちできないと思います。

 ―役者として成長できた部分は。
 暗い役などはけっこうやってきたのですが、栄一のように感情をそのまま表に出す、裏表のない人物はやったことがないです。最初の方は難しくて、演出の黒崎博さんと会話を重ねながらなんとか。台本を読んでいるだけだと分からないことを、母親役の和久井映見さんや父親役の小林薫さんに引き出してもらいました。

 ―見てほしい部分はありますか。
 百姓なので、お武家様から無理難題を言われます。身分という立場的な部分で物事が決まるのはおかしい、相手の話していることや人間力を見ないといけない、と幼いころから気付き始めます。人を見る目があり、実業家として功績を残す前から素質は持っている部分を見てほしいですね。

■ものがたり 栄一(吉沢)は藍染めの原料となる藍玉づくりと養蚕を営む、今の埼玉県深谷市の農家に生まれました。頭の回転が速く、おとなや権力にものおじしないやんちゃ坊主です。商才にたけた父・市郎右衛門(小林薫)に学び、商売の面白さに目覚めていきます。
 17歳のとき、御用金を取り立てる代官に歯向かい、罵倒されます。栄一は官尊民卑がはびこる幕府の身分制度に怒り、決意します。「虐げられる百姓のままでは終われない。武士になる」
 栄一は、尊王攘夷の志士に傾倒していき、一大攘夷計画を企てます。ところが仲間の反対に遭い、実行前夜に断念。幕府に追われ、京都に逃げます。そんな彼らに助け舟を出したのが、一橋慶喜(草彅剛)の側近・平岡円四郎(堤真一)でした。

制作統括・菓子浩さんの話 尊王の志士から一橋の家臣になるのが12話ぐらいで出てくるヤマ場です。次のヤマ場はパリに行く。そこで海外の文明と身分制度に驚きます。今までの攘夷思想から180度発想が転換します。物語中盤です。全何話にするかは検討中。新型コロナのために未確定なところがたくさんあります。
(2月8日付)


◎変えるために行動を/NHK「六畳間のピアノマン」第1話主演/加藤シゲアキが語る

 パワハラを受けた青年の死をめぐって4人の主人公の運命が交差していくNHK土曜ドラマ「六畳間のピアノマン」(後9・0、全4話)が6日から始まります。第1話の主演・加藤シゲアキがリモート取材会で作品への思いを語りました。
 ―演じる村沢憲治の職場はパワハラが横行していました。
 組織を作っているのは全員人間なのに、集合体となると別の顔をしてしまう。巨大な波にあらがうことができないケースもある。
 ―どうすればいいでしょう。
 逃げてもいい。組織を変えるのが大前提だと思うけれど、会社を去る方がよいこともある。人間らしさを失わないように、組織に属している人間たちが意識し続けることができれば、よりよい会社になると思う。
 ―村沢は職場の改善に踏み出します。
 理不尽な目に遭うことは、誰しもあると思う。時に勇気を振り絞って前に進んでいく村沢の大胆さにはすごく共鳴しました。
 ―作家でもあるご自身にも似たような経験がありました。
 何かを変えたかったら行動することが大事。僕が作家になったきっかけは、事務所の偉い人に直接電話をかけたこと。心の中で考えてみても物事は変わらないけれど、時に大胆なアクションを起こすことで、みんなの目が変わるということもあります。
 ―1話ごとに主人公が変わるオムニバスながら、それぞれ関係があるという形式です。
 思いがけないつながりや、ご縁は実際にある。めぐりめぐって自分に返ってくる経験はみんなありますが、つい忘れてしまいがち。そういったメッセージ性のある物語ですが、押しつけがましくなく、苦悩した人間たちがどう乗り越え、先に進むのか、心温まる、希望にあふれた物語だと思います。
 ―コロナ禍で意識の変化は。
 エンターテインメントの必要性が問われたと思ったときはありましたが、いかにそれが重要かとみんなが再認識したと思います。ただ、発信する側としては、何を発信するかも問われている。下手なものは出せないという意識は高まりました。
(2月6日付)


◎冬ドラマ/西森路代のお勧め3本/社会問題織りまぜて身近に

 1月スタートのドラマがたけなわです。ライターの西森路代さんがお勧めの3本を紹介します。

 この1月からスタートしたドラマには、単にストーリーが面白いとか、キャラクターが生き生きしているというだけではなく、社会のさまざまな問題と繋がっていて、そのことで身近に感じられる作品が多い。

美談にしないクドカン作品

 宮藤官九郎が脚本のオリジナルストーリー『俺の家の話』(TBS系)は、能楽の宗家の長男として生まれた主人公の寿一(長瀬智也)が、家を出てプロレスラーになるも、父親が倒れたことで二十数年ぶりに家に戻り、介護をすることになる話だ。寿一は父に褒められたことがなく、微妙な親子の関係性を取り戻そうとしたり、また父が「後妻業の女」と思われる介護ヘルパーと婚約し財産を譲渡すると宣言したり、毎回さまざまな出来事が起こるが、見ていると、介護をするということが、単に家族だからとか、愛情があるからで済ませてはいけないことであるということにも気づかされる。単純な美談にしないところが「さすがクドカン」と思わせる作品だ。

連帯生まれる過程を描いて

 『その女、ジルバ』(フジ系)は、有間しのぶの漫画が原作で東海テレビが製作の作品。こちらは40歳にして独身、かつてはアパレル店員だったが「姥捨て」と揶揄される物流倉庫に左遷された主人公のあらた(池脇千鶴)が、ひょんなきっかけから熟女バーで働くことになって始まる物語だ。バーの熟女たちとの出会いによって、あらたが働く職場での関係性も変化していく。最初は会社の中でも、倉庫で直接雇用されたリーダーのスミレ(江口のりこ)と、あらた達のような本社からの出向組との間に溝があったが、次第にわだかまりが解け連帯が生まれていく。そんな過程がていねいに描かれていることで、より身近な物語であると思えてくる。池脇千鶴、江口のりこ、真飛聖演じる職場の同僚3人が、こたつで寝っ転がっているそのカットだけでジーンときた。

綺麗ごとではない角度から

 NHKのよるドラ『ここは今から倫理です。』も雨瀬シオリによる漫画が原作の作品だ。倫理の先生である高柳(山田裕貴)が、さまざまな問題を抱える生徒たちに向かい合う姿を描く。高柳はドラマの冒頭で生徒に「倫理は学ばなくても将来困ることはほぼない学問です」「この知識がよく役に立つ場面があるとすれば、死が近づいてきたときとか」と語りかける。先生が生徒を導くという構図からは、どうしても『金八先生』を思い出してしまうが、何が良くて何が悪いのか、その線引きをするのが非常に難しい現代において、決して綺麗ごとだけではない角度から考えさせてくれる作品だ。
(2月13日付)

 


◎放送の現在と未来のため内部留保の活用で/民放労連臨時大会

 民放局や放送関連プロダクションの労働組合が加盟する日本民間放送労働組合連合会(民放労連、高木盛正委員長)は1月30、31の両日、「賃金・労働条件の向上は放送の未来への先行投資」をスローガンに、臨時大会をオンラインで開き、2021年春闘へ向けた方針を決めました。齋田公生書記長に話を聞いてまとめました。(北野ひろみ)

 大会アピールは、新型コロナウイルス感染症の拡大で、放送業界にも深刻な影響が出ていると指摘。収入の大半を占める広告費は一昨年から減少傾向が続いています。一方で、マスコミ4媒体が主体となって提供するインターネットメディアでの広告費は715億円と増加(前年比122・9%)。テレビメディア関連の動画サイトの広告費が150億円を超えるなど活発です。
 春闘方針は「すべての労働者の賃上げと賃金の底上げ」をかかげ、「利益優先の安易な賃下げは、放送産業の将来不安を大きくするだけ」だと指摘。内部留保の活用で労働者に還元されるべきだと強調し、年末闘争のマイナスを取り返す春闘にしようと呼びかけました。

コロナ禍の活動

 大会の全体会では、各労組がこの間の取り組みを報告しました。
 KBS京都放送労組は、コロナ関連の要求として、希望者へのPCR検査の実施など8項目の回答を得ました。
 このうち、非正規労働者が発熱で休業する際は、特別休暇扱いとして、通常の有給休暇は別途使えるようになりました。
 さらに、産別・地域別の労組が加盟する地域労連と連携し、コロナに関する労働相談や、病院を紹介する取り組みを開始。非正規の人を含めて、「労働組合への信頼感が高まった」と報告しました。
 フジテレビ労組は組織拡大について報告。今は直接会って話すことや集まって話すことが難しいことから、ウェブを使ったテレビ会議で少人数の懇談会をこまめに開き、若手社員20人が新たに組合加入しました。
 齋田書記長は、「自分たちの賃金の決まり方などを説明していくことで、労働組合って大切だというのを理解できたということ。やり方次第で若い人の組合加入につながる。今後も有効な取り組みになる」といいます。
 そのほか、テレワークの場合、残業が認められにくいという意見や、テレワークができない職場では感染のリスクを冒しながら働いているため手当が支給されるべきだと意見が出されました。実際にコロナ手当を勝ち取った労組の経験を糧に、日々の放送を支えるためにテレワークができない職場の人たちに対しても手当を出すべきだと春闘でも要求していくと報告されました。

同じ悩みを議論

 キー局や準キー局のように規模の大きい局と従業員が数十人のローカル局では、収入などを含めて差があり抱える課題も違うことから、大会では、20年ぶりに規模別分散会を開会。地方局では人が辞めていくのをどう止めるか、ラジオ局では今後のラジオのありようなどを話し合い、同じような悩みを抱えた労組同士で議論が活性化しました。
 魅力ある放送をつくり出し発展していくために「いのちと健康を守り、人間らしい働き方」の実現が必要だとして、長時間労働改善やハラスメント対策を進めることを呼びかけるとともに、朝日放送ラジオ・スタッフユニオン争議と、よみうりテレビサービスによる不当解雇撤回を求める二つの労働争議支援を特別決議しました。
 在沖縄米軍基地に関し、昨年は薬品漏えいや有毒ガスの放出など事件や事故が相次いだ1年だったと批判。沖縄の民意を無視する辺野古新基地建設反対を方針に明記し、沖縄の真の負担軽減を求める特別決議を採択しました。
(2月24日付)


◎HBC報道局の山崎報道部編集長、「ヤジと民主主義」をテーマに講演/「香港」は地続き

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は13日、北海道放送(HBC)報道局報道部編集長の山崎裕侍(ゆうじ)さんを講師に「『ヤジと民主主義』から香港問題まで~北海道放送の挑戦」をオンラインで開催。北海道から沖縄まで、70人以上が参加しました。(亀井太一)

 山崎さんは、ドキュメント番組「ヤジと民主主義~警察が排除するもの」を制作。番組は2020年にギャラクシー賞放送部門優秀賞、その1時間版「ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に」はJCJ賞を受賞しました。
 番組は、19年の参院選で、札幌で応援演説をする安倍首相(当時)に「増税反対」と声をあげた市民や、無言でプラカードを掲げた市民を、北海道警察が現場から排除した問題を取り上げました。
 冒頭、「おかしいことは、おかしいと言うこと、それがメディアの役割」と自身の考えを語った山崎さんは、マルティン・ニーメラー牧師の、ナチスの弾圧とそれに抵抗する運動を描いた詩「彼らが最初に共産主義者を攻撃したとき」を引用。「ヤジの権利を奪われることを放置していたら、もっとひどいことになるのではないかと感じた」と番組制作の動機を語りました。
 香港の民主化運動弾圧の問題も、北海道大学に通う香港の学生の声なども取材し、地方局の視点から追いかけたHBC。山崎さんは、香港問題は、海外の問題ではなく「私たちと地続き」の民主主義の危機だと強調しました。
 市民とメディアの関係について、山崎さんは、「すごくいい報道をしている記者がいますので、そういった記者を市民が応援するということも報道を強くしますし、権力の監視、不正の監視を保つことができると思っています」とのべ、市民がメディアを支える重要性を訴えました。
 講演後の質疑応答では、メディアの中立性についての質問があり、山崎さんは、両論併記ではなく「編集権が政治権力とか、特定の勢力から、影響を受けないことが中立だと思っています」と答えました。
(2月25日付)

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