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【12月のテレビラジオ面~本年もよろしくお願いします】

☆沖縄放送協会初代会長・川平朝清さんが語る「政治からの独立」

☆「思いのままに」~「さくらの親子丼2」に向き合う相島一之さんの思い

☆「ラジオとともに」~ニッポン放送・上村貢聖さんと「My Dream」

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□沖縄放送協会初代会長・川平朝清さんが語る「政治からの独立」(17日付)

1967年に設立された沖縄放送協会(OHK)初代会長を務めた川平朝清(かびら・ちょうせい)さんが登場します。アメリカ留学で「行政府からの独立」という通信法の精神を学んだ体験から、現在のメディア状況や沖縄の「今」について熱く語ります。(紙面を見る

□「思いのままに」~「さくらの親子丼2」に向き合う相島一之さんの思い(3日付)

 インタビューシリーズ「思いのままに」。今回は相島一之さんに出演中のドラマ「さくらの親子丼2」への思いを聞きました。〝悪役〟から一転、虐待された子どもが一時避難する施設の施設長役に向き合う相島さんも2児の父。「子どもを守る側だったのでほっとしました」(記事を読む

□「ラジオとともに」~ニッポン放送・上村貢聖さんと「My Dream」(24日付)

 ニッポン放送の報道ドキュメンタリー「My Dream」が、昨年の日本民間放送連盟賞ラジオグランプリを受賞しました。視覚障害者の女子大生が、あこがれの職業をめざす奮闘記。上村貢聖プロデューサーが、取材を続けた6年の日々を振り返ります。(記事を読む

●「放送この1年」(14151619日付

 2018年に起きた放送界のおもな出来事を、「東京MX『ニュース女子』問題と市民運動」「放送への干渉・介入狙う安倍政権」「『やらせ疑惑』と放送倫理」「新4K8K放送」の4つにまとめました。みなさんはどんな問題に関心を持ちましたか?(記事を読む)

●里親問題、子どもの貧困…ラジオが見つめる子どもたち(5日付)

 公開セミナー「ラジオが見つめる子どもたち」の模様を伝えます。里親問題に注目した静岡放送「幸せのカタチ」、子どもの貧困・虐待の実態に迫ったCBCラジオ「1/6の群像」の制作者が語り合います。ゲストとして歌人の鳥居さんが登場します。(紙面を見る

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 9月の「休憩室」(毎週日曜日掲載)

 ☆伊藤健太郎さん(2日) NHKテレビ「アシガールSP」で、戦国武将を凛々しく演じました。続く日本テレビ系「今日から俺は!」の〝ツンツン頭〟で人気急上昇中。

 ☆岡田将生さん(9日) フジテレビ系「大誘拐」で演じたのは、人生一発逆転をもくろむ誘拐犯役。役者として深みを増し続ける29歳の「進化」を印象付けました。

 ☆池秀暢さん(16日) 車いすラグビー日本代表です。アニメでパラスポーツの魅力を描くNHK「アニ×パラ」の主人公のモデル。「応援する人がいて僕らは輝けます」

 ☆武田梨奈さん(23日) 新年7日から始まるテレビ東京系「ワカコ酒 Season4」の主人公。「幼いころから芸能界を夢見ていた」27歳は、アクション女優としも飛躍中です。

●好評「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

●石子順の「映画の窓」

 毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選。その見どころを〝直球解説〟で届けます。

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

  毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。通称「ゲツトク(月特)」。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」(随時掲載)が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇石井彰の「テレビ考現学」(第1月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

放送作家・石井彰さんによる新連載が11月からスタートしました。その名も「テレビ考現学」。テレビ界の最新事情や番組評を〝ご意見番〟的に語り尽くします。(紙面を見る

◇武田砂鉄の「いかがなものか」(第3月曜日付)

 テレビを見ていて感じるモヤモヤの正体って何? 新著『日本の気配』が話題となっている気鋭のライター・武田砂鉄さんが、芸能から政治までズバッと切り込みます。

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」(第4月曜日付)

国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に!

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

月末の14面「テレビラジオ」コーナーで、民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本など数々の作品を手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎思いのままに/俳優相島一之さん/味方のおとなもいるよ

 連続ドラマ「さくらの親子丼2」(フジ系 土 後11・40)で、虐待された子どもの一時避難施設「ハチドリの家」ホーム長・鍋島真之介を演じています。心の闇を抱えた10代の子どもたちと関わっている役柄です。「私だったらどうするのか」と自問自答しながら難役と向き合う思いを聞きました。(小川浩)

 主人公の古本屋のあるじ九十九さくら(真矢ミキ)が、調理担当として「ハチドリの家」に来たことで物語は展開していきます。
 「強烈なバイタリティーのさくらさんが鍋島を助けるために来たことは、とってもすてきなこと」といいます。

子どもを守る側

 「じゃあ鍋島の存在って何か? ホームに集まってくる子どもたちは、ものすごく過酷な状況を経験して、彼のせりふにある『おとなは全て敵だと思っている』。〝味方になるおとなもいるんだよ〟と、子どもたちにどう伝えようか、考えている人じゃないかなあ」
 今回の役が決まって、胸をなで下ろしたことがあります。
 「過去、悪い人をたくさん演じてきましたが、自分が父親になってから、子どもを虐待する役はちょっと演じにくいんです。このドラマは、子どもたちを守る側だったので、ほっとしました」
 俳優の原点は、学生演劇です。立教大学の学生で「物書き」を志し、その糧になればと友人に誘われて飛び込みました。
 「面倒くさいことは、もういいと思っても、3カ月くらいしたら、また、うずいてやっちゃって。でも、学生たちの自己満足みたいで、もう嫌だ。でも、3カ月したらまたやってしまう。それが1年、2年と続きました。当時付き合っていた彼女の『これからどう生きていくの?』という問いが衝撃的でした」
 それでも、ある劇場の小屋主や友人の「相島はいい」という言葉に励まされ、「飽きっぽい性格ですが、よし、演劇をやろうと決意しました。その時期に、三谷幸喜さんと出会いました」。
 1987年に劇団「東京サンシャインボーイズ」に入団。劇作家の三谷さんの演出の下、94年の舞台「罠(わな)」までの全作品に出演しました。
 「(三谷さんは)ものすごい作家。世の中にはこんなすごいものが書ける人がいるなら私なんかがと、きれいさっぱり物書きをあきらめて、演劇で食べていこうと思いました」
 同い年の三谷幸喜さんとの思い出の一つは―。
 「罵倒はしない。『相ちゃん、台本の読み方わかる? あのねえ、ここでこうだから、ここが面白いところだからね』と言われて『あ、あ、あ』とだけしか言えなかったです。でもね、うちの劇団員が飯を食えるのは本当に三谷のおかげです」

親の喜び・責任

 57歳になったばかり。49歳で長男(7歳)、52歳で長女(4歳)を授かりました。
 「育児放棄、虐待のニュースを何度も聞く時代に、この『さくらの親子丼2』は必要な作品だと思います。親である喜び、責任っていうのは、嫌になるくらい、日々感じていて、息子と娘が成人する時、70ですから、プレッシャーにつぶされそうです。でも、そういうことを思っている私が『さくら…』で演じているのは、何かの縁ですし、微力ながら貢献したい」

「さくらの親子丼2」 虐待された子どもの一時避難施設「ハチドリの家」を舞台に、主人公のさくら(真矢ミキ)が、その施設の料理担当として子どもたちと関わり始め、子どもたちと交流していく社会派人情物語。

あいじま・かずゆき 1961年11月、埼玉県生まれ。映画「図書館戦争」、ドラマ「クロスロード3 群衆の正義」(NHKBS)などに出演。来年は、舞台「めんたいぴりり」(3月30日~4月20日 福岡・博多座)、舞台「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」(8月14日~27日シアタークリエ)に出演。
(12月3日付)


◎ラジオとともに/ニッポン放送上村貢聖さん/報道スペシャル「My Dream」/視覚障害者の夢と就労に迫る

日本民間放送連盟賞ラジオグランプリ

 視覚障害を持つ若者が「夢」の実現に向けて奮闘する―。ニッポン放送制作の報道スペシャル「My Dream」が、今年の日本民間放送連盟賞ラジオグランプリに輝きました。東日本大震災の取材で出会った少女の成長を6年にわたって見つめ、視覚障害者の就労問題に迫った日々を、上村貢聖プロデューサー(62)が語ります。(佐藤研二)

 放送文化の向上に寄与した作品に贈られる日本民間放送連盟賞。10月に開かれた贈賞式で「本当に驚きました」と喜びを語った上村さんは今、「視覚障害者を取り巻く社会環境が劇的に改善されないなか、この作品が受賞した意義は大きい」と冷静に振り返ります。
 入社以来、毎年末に放送しているキャンペーン「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」に取り組むなか、「いつか目の不自由な方に役立つ番組をつくりたい」と願ってきました。2011年に東日本大震災が起きると、まっ先に被災地に飛んで障害者の避難や生活を報じ続けました。

階段駆け上り

 番組の主人公・小椋汐里(おぐら・しおり)さんと出会ったのは、東北地区の盲学校弁論大会の会場。当時、福島盲学校(現福島県立視覚支援学校)中学1年生だった汐里さんの「明るい声に魅了されました」。しかし、幼いときに目のがんで放射線治療を何度も受けていた汐里さんにとって、原発事故による被ばくが体に大きな影響を与えかねないことを、取材の過程で知ったといいます。
 「それでも弱音を吐かず、『こう生きたい』という強い覚悟が彼女にはありました。その人生を追うなかで、目の不自由な人の課題や成長を伝えようと決心しました」
 番組では、東北学院大学に入学した汐里さんが、得意の英語を生かして通訳や教師を目指す姿が生き生きと描かれます。「階段を駆けのぼって先生に怒られるシーンがありますが、彼女は白杖(はくじょう)を使わなくても階段が何段あるかを体で知っていました。会うたびに、驚くことと学ぶことの連続です」

プロの通訳に

 一方で、国内約33万人の視覚障害者のうち、就労しているのは6、7万人。その約3割がはりきゅう・マッサージ業です。汐里さんが目指すプロの通訳になった例はほとんどなく、視力を失ったために教壇から降りるよう命じられた教師の例もありました。
 汐里さんは、社会の壁に挑んできた〝先輩〟たちにインタビューし、「だれでもチャレンジできる社会」に変えていく夢を語ります。それが番組の最後を締めくくった「マイ・ドリーム」と名付けたメッセージ。「目が見えないというだけで、あきらめざるをえないというのは違うんじゃないかと思います。私は共生社会をつくりたい」
 上村さんも「ラジオだからできる役割がある」と強調します。「その人の本音がさらけ出されるのがラジオです。声の様子や音圧とか、心の情景は声の中にあると思うのです。汐里さんの声を聴くだけで、その純粋な思いはぜんぶ伝わるのではないでしょうか」
 ◇
 「My Dream」は、全国のラジオ局で再放送されています。ニッポン放送は30日(後3・0)。放送局と日時の詳細は民放連ホームページに掲載しています。(一部放送を終了した局があります)

 かみむら・こうせい 1956年青森県出身。79年ニッポン放送入社。アナウンサー、制作などを経て、現在報道部記者。
( 12月24日付)


◎放送この1年/安倍政権と放送法/放送干渉・介入狙う/ネット番組で意のままに

 政権に物申すメディアを排除したい安倍晋三首相は、今年も放送への干渉を進めました。放送法4条の撤廃や〝民放は不要〟とする「放送制度改革」です。政府の規制改革推進会議のワーキンググループで協議されました。
 4条は▽公序良俗を害しない▽政治的に公平▽事実を曲げない▽多角的論点の提示―を定めています。森友・加計問題などを追及する民放が不満な安倍首相。昨年の総選挙直前にインターネット番組に出て〝成功〟した体験から、自らの意のままになるネット事業者を地上波に参入させる狙いでした。
 NHKや民放キー局は強く反発。野田聖子総務相(当時)でさえ「事実に基づかない報道が増える」と否定的でした。
 結局、答申では4条撤廃は見送られましたが、首相の狙いは続いています。「通信と放送の融合」の名の下、ネットで放送番組を流すビジネスを促しました。総務省の有識者検討会はNHKのネット「常時同時通信」を了承。NHKは来年の通常国会で放送法を改定し2019年度にも始めたい考えです。
 ネットでテレビ番組が見られるなら、ネットと放送法の関係が改めて問われます。
 放送は、国民を戦争に駆り立てる政府の広報として使われた痛苦の体験をしています。その教訓を踏まえ、国家権力からの独立・自律を保障し、表現の自由を守ることこそ、放送法の根本精神です。ネットは権力迎合、首相の下請けでいいのか。本格的な議論が必要です。
(和田肇)
(12月14日付)

◎放送この1年/沖縄偏見あおる「ニュース女子」/BPO、人権侵害を認定/DHCは今なお開き直り

 沖縄の基地建設反対運動への偏見をデマであおった「ニュース女子」を昨年、東京MXテレビが放送して以来、今年も多くの市民団体や個人が、MXや番組を制作した「DHCテレビ」に対して抗議行動を続けました。
 3月、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が「人権侵害があった」としてMXに勧告しました。同放送倫理検証委員会の「重大な放送倫理違反があった」との昨年末の認定に続くもので、〝ヘイトやフェイクニュース〟は許さないという国民世論も受け、MXは3月いっぱいで同番組の放送を終了。7月には、人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さんに謝罪しました。
 ところが、DHCテレビは、「(反対運動参加者の)言い分を聞く必要はない」と開き直り、「虎ノ門ニュース」などのネット番組で、沖縄や在日の人たちへの差別発言を繰り返しています。
 辛さんは7月末、DHCと「ニュース女子」で司会を務めた元東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏を相手どり、〝デマの拡散は許されない〟と、損害賠償とインターネットで視聴できる番組の差し止めを求めて提訴。「ニュース女子」の放送を取りやめる地方局も増えています。
 フェイクニュースをテーマにしたドラマが作られるなど、社会の関心が高まっているなか、安倍首相は自民党総裁選の直前、「虎ノ門ニュース」に出演、同番組を持ち上げました。ヘイトに加担する首相の人権感覚も問われています。
(森保和史)
(12月15日付)

◎放送この1年/「やらせ」疑惑と放送倫理/背景に視聴率優先/業界のとりくみ続く

 日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」の「祭り」企画について、11月、『週刊文春』が「でっち上げの疑いがある」と報じました。昨年2月と今年5月に放送した祭りが、実際は番組制作側が持ち込んだイベントだったといいます。
 BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は14日、日本テレビから提出されていた報告を討議。報道によれば、追加報告を求め、討議を継続するといいます。
 問題発覚後、大久保好男社長が謝罪したものの、日本テレビの見解は「『祭り』としてイメージするには無理があるものまで『祭り』として扱った」と煮え切らないものでした。
 「祭り」企画は10年余り続く同番組の看板。裏番組は大河ドラマです。他の番組にもまして視聴率を要求されていたことが、「やらせ」(ねつ造)の背景にあるでしょう。
 11月の大久保社長の定例会見は、まず視聴率について語り、「イッテQ」は3番目の項目でした。何はともあれ視聴率。その土壌を変えることなしには、個々の制作者たちの努力はあったとしても、最終的な「やらせ」の根絶はないでしょう。
 放送への信頼を掘り崩した「NHKスペシャル」のムスタン事件(1992年)から四半世紀余。放送人の会会長の今野勉さんは8日、横浜市内でのイベントで、90年代の「やらせ」問題続発が「会」発足のきっかけと振り返り、「イッテQ」の件についてふれました。「なかなか、われわれが潔白になる時代が来ない。これからも努力していかなければ」
(田村三香子)
(12月16日付)

◎放送この1年/4K8K放送開始/視聴者反応いまひとつ/機器販売の遅れと番組不足

 12月1日から「新4K8K衛星放送」が、合計17のチャンネルでスタートしました。画像のきめ細かさを表す画素数でみると、4Kテレビは従来の2Kテレビの4倍、8Kでは16倍。放送が新たな高画質化の時代を迎えたものの、視聴者の反応はいまひとつです。
 推進団体の「A―PAB」が1日に発表した市場調査の結果でも、4Kテレビを「持っている」が5・8%、4K放送を「ぜひ視聴したい」が11・2%と、普及と関心の低さが裏付けられた形です。
 その理由の一つは、複雑な視聴方法と対応機器の販売の遅れ。4Kテレビをすでに持っている人でも、新衛星放送を視聴するには専用チューナーが必要です。しかし、外付けのチューナー(3万円前後)や、チューナー内蔵テレビが販売されたのは放送開始直前。8K放送などを視聴するには、アンテナの交換や室内設備の改修が必要な場合もあります。
 二つ目は「4K番組」の不足。民放各局の4K番組表を見ると、純粋な4K制作番組はごくわずか。すでに4K化を終えているNHKとの〝格差〟は歴然です。「高画質化では広告取入が伸びない」(民放関係者)という事情が指摘されています。
 準備不足でも出発せざるをえない背景には、2020年の東京五輪までの「普及」を掲げた総務省の方針があります。一方で、高精細化は放送の可能性を広げ、災害の分析にも役立ちます。自らの視聴スタイルに合った選択ができるよう、視聴者への情報提供が必要です。
(佐藤研二)
( 12月19日付)


 

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