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~7月のテレビラジオ面~

☆BPO新理事長 大日向雅美さんに聞く

☆放送文化基金賞 草彅剛さん、松本ヒロさん受賞の思い

☆ギャラクシー賞報道活動部門 受賞の言葉

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□BPO新理事長 大日向雅美さんに聞く(5日付)

 「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の新理事長・大日向恵泉女学園大学長に就任しての思いを聞きました。「放送界とよい緊張関係と互恵性をどれだけ発揮できるか」「視聴者の声を真摯に受け止め、放送界に返していく」とBPOの役割を語りました。(記事を読む

□放送文化基金賞 草彅剛さん、松元ヒロさん受賞の思い(19日付)

 第47回放送文化基金賞の授賞式が開かれ、ドラマ「ペペロンチーノ」(NHK仙台拠点放送局)で演技賞を受賞した草彅さんは「被災された方に寄り添えるドラマにと力を注ぎました」。ドキュメンタリー番組優秀賞を受賞した「テレビで会えない芸人」(鹿児島テレビ制作)の松元さんは「出せないテレビがおかしいと撮影していただいた。胸を張りたい」と思いを語りました。(記事を読む

□ギャラクシー賞報道活動部門 受賞の言葉(26日付)

 大賞のTBS「報道特集」のキャスター・金平茂紀さんは「先人たちの死と汗と涙と、喜怒哀楽…の<集積>を<伝承>していく」。優秀賞のMBS「映像'20」のプロデューサー・奥田雅治さんは「小さき声を聞き、弱い立場の人に寄り添う役割を果たし番組作りに取り組みたい」と言葉を寄せてくれました。(記事を読む

●「大地の子」再放送によせて 元NHKディレクター・岡崎栄さん(17日付)

 1996年に放送され、大きな反響をよんだNHKドラマ「大地の子」。中国残留孤児を主人公に人間と時間をダイナミックに描きました。脚本、総合演出の岡崎さんが、こだわったドラマだけのエピローグなど、原作者・山崎豊子さんとの会話も織り交ぜ、ドラマにまつわる話を寄せてくれました。(記事を読む

●学生版「語る会」でNHKに次々注文(22日付)

 NHK経営委員会主催の「オンライン学生ミーティング(関西)」。大学生ら28人が参加し活況を呈しました。「NHKオンデマンド」「NHKプラス」への注文や、BS統合・ラジオ整理への疑問、「コロナ禍の学生の意見を聞いて」と要望が出されました。(記事を読む

◆ドラマで活躍・多彩な顔が登場 7月の「休憩室」(日曜日掲載)

☆重岡大毅さん(18日)TBS系「#家族募集します」で主演・初の父親役。息子役の佐藤遙灯(はると)君にはカットがかかってもずっと「パパ」と呼ばれて「底力が湧きます」

☆中島健人さん(25日)小芝風花とフジ系「彼女はキレイだった」でダブル主演。撮影中、小芝が口内炎と知り「すぐにケアしないと」と塗り薬と貼り薬を買って渡しました。

◆好評・「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、ライター、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

◆コラム「レーダー」「ちょっといわせて」も

 放送と政治の関係、番組の内容などについて鋭く指摘します。

●石子順の「映画の窓」

  毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選して紹介します。

♪♪♪毎週月曜日付は「ゲツトク」です♪♪♪

  毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。通称「ゲツトク(月特)」。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」(随時掲載)が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(メディア文化評論家)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)、桧山珠美(フリーライター)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇石井彰の「テレビ考現学」(第1月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

  放送作家・石井彰さんによる辛口コラム。その名も「テレビ考現学」。放送業界では、いま一体何が起きているのか…。〝ご意見番〟的に語り尽くします。

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」(第3月曜日付)

国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に!

◇谷岡理香の「話して書いて考えて」(第4月曜日付)

 ジェンダーとメディアが専門の谷岡理香さん。アナウンサーとして放送の現場で仕事をしてきた女性の視点から、マス・メディアのこれからを考えます。

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

「テレビラジオ」欄で、民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本など数々の作品を手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!
 

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎BPO新理事長 大日向雅美さんに就任の思い聞く/視聴者の声受け止め/放送界とは緊張・互恵

 NHKと民放連・民放連加盟放送局でつくる第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の新理事長の大日向雅美・恵泉女学園大学学長に、就任しての思いを聞きました。(北野ひろみ)

歴史継ぎ発展へ

 ―BPO設立の翌年から委員として活動されていますね。
 BPOは、放送界が自主的に番組向上のため人権や倫理について考え、自主的に内容を高めていくための第三者機関です。まもなく20年近くなります。歴史を受け継いで発展させていくというのは、理事長として身の引き締まる思いです。
 コロナ禍の未曽有の変化で、従来の慣習や価値観の見直しということに社会全体が直面しているときに、放送界、メディア界が従来以上の役割を担うことがあると思います。メディアや放送は、市民の成熟社会の形成を担っていくものです。放送界とBPOが今まで以上によい緊張関係と互恵性をどれだけ発揮できるかが重要です。

信頼の担い手に

 ―放送界の現状をどう見ますか。
 私自身、テレビっ子、ラジオっ子世代でした。近年のメディアの多様化、インターネットなどさまざまな媒体が出現するなかで、情報発信の信ぴょう性をどこかが担わなければと実感しています。放送が果たす信頼性、妥当性はいっそう必要になると思います。
 その中でBPOが果たすべき役割は、視聴者の声を真摯(しんし)に受け止め、必要に応じて放送界に返していく。その循環にあると思います。
 文化はらせん階段のように高まっていくものです。BPOの意見を放送界が真摯に受けとめ、多くの部分は是正されてきています。さらに丁寧な事実確認や議論を精通させていくことがこれからの課題ではないでしょうか。

主体性を尊重し

 ―BPOはその目的に「放送の公共性と社会的影響の重大性に鑑み…正確な放送と放送倫理の高揚に寄与する」と掲げています。放送のもつ公共的使命とはなんでしょうか。
 成熟した市民社会というのは相手の主体性を踏みにじらない、その一点です。多様な価値観や思想を自由闊達(かったつ)に表現できるのが放送メディアだと思っています。
 私たちは一人で生きているのではなく、他者とともに生きています。しかも放送はその他者に向けて情報を発信するもの。その情報が誰一人として取り残さないということは、その人の主体的な権限を奪わないということです。主体性を踏みにじらないというところは、日本の社会を振り返るとこれからの課題かなと思います。
 BPOの三つの委員会での議論の過程をしっかりと伝えていくことで、視聴者と放送界とをつなぐ第三者機関として、信頼感を高めていくことが、何より放送を守ることにつながると思います。

放送倫理・番組向上機構(BPO)/公権力介入に懸念/「民族差別」を審議
 放送における言論・表現の自由を確保しながら、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する第三者機関。放送倫理検証委員会、放送人権委員会、青少年委員会の三つの委員会で、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送について検証。当該局や放送界全体に対して意見や見解を伝え、一般にも公表して放送の質の向上を促します。NHKと民放によって2003年設置。今年4月時点の加盟社は205。
 過去には、番組ねつ造問題をきっかけに政府が放送法「改正」を検討していることに対し、番組への公権力の介入を懸念する声明を発表。放送業界全体で再発防止に取り組み、放送の自主・自律を守るとしてBPOの体制を強化しました。
 直近では、放送人権委員会が3月、フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」で、出演していた女性が放送後に自ら命を絶った事に関し、出演者への身体的・精神的な健康状態に対する配慮が欠けており「放送倫理上の問題があった」とする意見書を公表。同局に対し再発防止の取り組みを進めるよう要望しました。
 放送倫理検証委員会では4月、アイヌ民族に対する差別的表現を放送した日本テレビの情報番組「スッキリ」について、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りしています。

 おおひなた まさみ 1950年生まれ。お茶の水女子大学卒。2016年から恵泉女学園大学学長。専門は発達心理学(家族・親子関係)、ジェンダー論。04年から09年までBPO青少年委員会委員、委員長。BPO評議員、同理事を歴任し、4月から理事長に就任。
(7月5日付)


◎放送文化基金賞受賞の思い/演技賞・草彅剛さん/テレビドキュメンタリー番組優秀賞・松元ヒロさん

 第47回放送文化基金賞(主催=放送文化基金)の授賞式が、このほど東京都内で開催されました。新型コロナウイルス感染対策のためインターネットで報道陣に公開されました。演技賞を受賞した草彅剛さん、テレビドキュメンタリー番組の優秀賞を受賞した松元ヒロさんが登壇し、思いを語りました。(小川浩)

演技賞/草彅剛さん/被災者に寄り添い一歩、一歩前へ

 主演ドラマ「ペペロンチーノ」がドラマ番組の最優秀賞を受賞し、自身も演技賞を受賞しました。震災で経営するイタリアンレストランを失ったシェフ小野寺潔の生きざまを演じました。
 草彅 本当にありがとうございます。すばらしい賞を。実際に被災地に行って、撮影したので、昨年暮れで寒い中でした。地元の方にたくさんの炊き出しをしていただいて栄養をつけてスタッフ・出演者が、撮影を乗り切れたと思います。
 被災された方は、今も心の傷が癒えていない方もたくさんいると思うのですが、そういう方に少しでも寄り添えるドラマにしたいと思って私たち一同、力を注ぎました。東北の方へ。これからも一歩、一歩と前へ進んで行きましょう。

テレビドキュメンタリー番組優秀賞/松元ヒロさん/政府に忖度しない、胸を張りたい

 政治家への風刺で観客をわかせる芸人の松元ヒロさんに密着取材したドキュメンタリー番組「テレビで会えない芸人」(鹿児島テレビ制作 昨年5月30日放送)に、テレビエンターテインメント番組の優秀賞が贈られました。
 松元 どうもテレビで会えない芸人、松元ヒロです。
 まさか登壇するとは夢にも思ってみませんでした。私は、政治、特に政府を風刺するネタをやっていますからテレビでは本当に放送できない。でも私のライブには、実はテレビ局の人がいっぱい見に来ます。見た方は楽屋に来て一様に「いやあ、面白かった、ぜったい(テレビ番組に)出せない」と言って帰ります。
 私のふるさと、鹿児島テレビの四元(よつもと)良隆プロデューサーは、(先述の)それを聞いて私のライブを見に来ました。「おもしろい。これをどうしてテレビに出せないんでしょうか? テレビに出せないテレビがおかしいです」と言う四元さんに撮影していただきました。こういう人が放送局にいるんだなあと感動しました。
 テレビもまだまだ捨てたもんじゃない。この番組を優秀賞に選んだ方々は政府に忖度(そんたく)しない、胸を張ってください。私も胸を張りたい。ありがとうございました。

番組部門の最優秀賞
 ○テレビドキュメンタリー番組
メ~テレドキュメント「面会報告」(名古屋テレビ 2020年11月21日放送)
 ○テレビドラマ番組
宮城発地域ドラマ「ぺぺロンチーノ」(NHK仙台拠点放送局 3月6日放送)
 ○テレビエンターテインメント番組
「ウマい!安い!おもしろい!全日本びっくり仰店グランプリ」(中京テレビ 2020年5月22日放送)
 ○ラジオ番組
「塀の中のラジオ~贖罪(しょくざい)と更生 岡山刑務所から」(RSK山陽放送 3月27日放送)

放送文化基金賞
 過去1年間(昨年4月~2021年3月)の放送の中から選ばれたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる賞です。今回は、全国の民放、NHK、ケーブルテレビなどから計257件の応募、推薦がありました。4月から約2カ月にわたり審査。四つの番組部門で最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16と、演技賞や企画賞など個人6件、個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件受賞。
(7月19日付)


◎ギャラクシー賞報道活動部門/放送40年の2番組、〝思い〟と〝決意〟/「報道特集」キャスター 金平茂紀さん/「映像20」プロデューサー 奥田雅治さん

 第58回ギャラクシー賞報道活動部門は、大賞にTBSの「報道特集」が、優秀賞にMBS(本社・大阪市)の「映像シリーズ」が選ばれました。いずれも当事者と向き合い、粘り強い取材を続けて報道ジャーナリズムを打ち立ててきたことが評価されました。両番組は、偶然にも放送40年となります。「報道特集」のキャスター・金平茂紀さんと「映像シリーズ」のプロデューサー・奥田雅治さんにそれぞれ受賞の言葉を寄せてもらいました。

大賞・TBS「報道特集」/キャスター 金平茂紀さん/先人たちの過去の集積の上で

 コロナの時代に私たちは今、生きている。世界で2億人にも届こうというコロナウイルスの感染者が出て、死者の数も400万人にも達しようとしている。私たちがあらためて気づかされた貴重なことがらがある。人の命のかけがえのなさ。人の命が有限であること。何がほんとうは大切で、何が価値のあることがらなのか。テレビや新聞、マスメディアも、このことをきびしく再認識し、その役割が問い直されている。
 そんなさなかに、私たちの番組「報道特集」がギャラクシー賞受賞という光栄に浴した。視聴者の皆さんの信頼感の支えがなければ、このような機会は決してめぐってこなかっただろう。
 ひとつ強調しておきたいことがある。それは過去を振り返る作業が今ほど切実な価値を帯びてきていることはないということだ。百年前のスペインかぜの教訓を私たちは活かせているか。パンデミックに伴う経済格差の拡大や、差別・偏見のひろがり、為政者たちの腐敗、無能ぶりは百年前の光景からどれだけ改善されているか。そのことを考えた時、死者に対する私たちの態度が問われてくる。
 実は僕は、過去の「報道特集」のあるシーンが今でも脳裏に焼き付いている。1988年8月、大先輩のキャスター堀宏さん(2012年死去)が、先の戦争の激戦地パプア・ニューギニアを訪れ、山道に野ざらしになっていた多数の日本兵の骨に接し、その場でリポート中、絶句し涙を流していた。まだTBSに入局して11年目だった僕は、このシーンをみて、ああ日本の調査報道番組にもこういう硬派のものが存在しているのだと思った記憶がある。戦後日本の私たちは、過去の戦争中のおびただしい死者たちの理不尽な犠牲の上にあるのだという冷徹な認識を失わないこと。コロナの時代に通底する認識だ。
 今回の受賞理由は「40年の業績とこれから」とあった。過去・現在・未来を継承する意思までも期待しての贈賞との意味合いが伝わってきた。率直に言おう。「報道特集」は、先人たちの血と汗と涙と、喜怒哀楽、スクープや問題作、失敗作、人間同士の離合集散の結果の〈集積〉の上に成り立っている。僕らはそれを着実に〈伝承〉していく強い思いを今、新たにしている。

優秀賞・MBS「映像’20」/プロデューサー 奥田雅治さん/未来を見据え、小さき声を聞く

 「映像’20 映像シリーズ40年~関西発・真夜中のドキュメンタリズム~(2020年11月放送)」が、第58回ギャラクシー賞優秀賞を受賞した。単なる40年を振り返るだけではなく、「なぜ、深夜の放送なのか」というドキュメンタリー番組の「微妙な立ち位置」を学者やライバル局のプロデューサーたちに取材し、自ら検証したことが、「未来も見据えた取り組みである」と高く評価された。関西ローカル、しかも月に一度、日曜深夜に放送している非常に地味な番組に光を当てていただけたのは、この上ない喜びだ。
 ご存じの通りテレビはいま、ネットメディアの台頭で大きな岐路に立っている。テレビ本来の役割である公共性、公益性の観点から報道番組は、とても重要で局の信頼性にも関わると自負している。しかしながら、視聴率を問われどんどん情報番組と報道番組の境目があいまいになりつつあるのが現状だ。
 このような時代にあって、いわゆる「報道ドキュメンタリー番組」を維持するのは、大変な状況にある。当然ながら紆余曲折はあったが、MBSはこれまで40年の長きにわたりドキュメンタリー番組専門のディレクターを配置し、取材、構成、原稿の書き方に至るまで、伝統を守り続けてきた。この良き伝統を微力ながら引き続き小さき声を聞き、弱い立場の人たちに寄り添うという「報道ドキュメンタリー番組」に課せられた本来の役割を愚直に果たしながら、良質な番組作りに取り組みたいと思う。

ギャラクシー賞 NPO法人「放送批評懇談会」が優れたテレビ・ラジオ番組、放送文化に貢献した個人・団体を顕彰するもので、1963年に創設されました。懇談会は放送評論家、ジャーナリストら200人近い正会員と、放送局、制作会社など100を超える維持会員で構成。審査は正会員から選出される選奨事業委員会がおこないます。20年度のテレビ部門大賞は「世界は3で出来ている」(フジテレビ)、ラジオ部門大賞は「封印された真実~軍属ラジオ」(文化放送)が選ばれました。
(7月26日付)


◎こだわった「ドラマだけのエピローグ」/「大地の子」再放送によせて/元NHKディレクター 岡崎栄さん

 大きな反響を呼んだNHKのテレビドラマ「大地の子」が、19日からBSプレで再放送されます。中国残留孤児を主人公に、人間と時代をダイナミックに描いた長編です。脚本、総合演出の岡崎栄さん(91)にドラマにまつわる話を寄稿してもらいました。

―岡崎さん、なんで私の原作どおり、「私は、この大地の子です」で終われないの?
―ドラマは、あれじゃ終われないんです。小説はあれでいい。でも、ドラマでは、もう一つエピローグが欲しいんです。
―ふーん、そんなものかねえ。

 「大地の子」の原作者、山崎豊子さんとの、ドラマの脚本、その終わり方についての会話です。たしかに小説「大地の子」は、最後に「一心は、父の胸中を察しつつも、固く口を閉ざした。船は、滔々(とうとう)たる長江を下って行った」を加えて、深い感動の余韻のうちに完結します。NHKドラマ「大地の子」がどういう終わり方をしているかは、今回の再放送でご確認ください。
 もう一つ、山崎さんとのお話です。実はドラマ「大地の子」には放送時間の違う三つのバージョンがあります。九十分中心の最初のものと、一時間十一回、四十五分十五回に再編集したものです。山崎さんは、この再編集についてそんなにうまく回数分けができるのかと、とても心配されていました。でも、完成したビデオを見て、ああ、やっぱり無理していると最初に思い、もう一度見て、なるほど、ありだなあと思ったのだそうです。そして今回は、その一時間ものの再放送です。
 この二十数年の間に、山崎さんが亡くなられ、他にも、今もその感動的な養父役で語り継がれている朱旭さん、日本側では宇津井健さん、児玉清さん、渡辺文雄さん、西村晃さん、牟田悌三さん、藤木悠さん、十勝花子さん、そしてあのスーチャン、田中好子さんまで、虹の橋の向こうへ旅立ってしまいました。この何回目かの再放送が、もちろん上川隆也くん、仲代達矢さんあってのことですが、皆さんの忘れられない名演技で実現したものと、あらためて心からの感謝の思いを深くしています。
 ありがとうございました。

 ドラマ「大地の子」 放送70周年記念番組として1996年に初回放送。山崎豊子原作。敗戦の混乱の中で、日本人兄妹が満州(中国東北部)に残されてしまいます。兄は中国人夫婦に引き取られ、陸一心(上川隆也)と名付けられます。成長した一心は養父(朱旭)と実父(仲代達矢)の間で心が揺れます。
 ◇
 再放送はBSプレで19日から8月23日までの毎週月曜日(後9・0)。第2回以降は2話ずつ放送。
(7月17日付)


◎学生版「語る会」でNHKに次々注文/「BS減らすな」「ラジオ整理残念」/経営委員会主催

 NHK経営委員会の主催で関西の学生から意見を聞く「オンライン学生ミーティング(関西)」が6月上旬、開催されました。「視聴者のみなさまと語る会」の学生版。18歳以上の大学生ら28人が参加して活発に発言、NHK専務理事が感想で「意見・感想の深さに驚いた」と述べるほどの活況を呈しました。明石伸子、礒山誠二両経営委員が出席しました。
 冒頭、学生にテレビ視聴の有無を聞いたところ、テレビを持っていないのは3人だけ。毎日見ているが18人と、〝テレビ好き〟が集まったようです。インターネットでNHKが見られる「NHKオンデマンド」や「NHKプラス」への注文が相次ぎました。
 ▽「オンデマンド」は早送りができず不便だ▽「NHKプラス」でお気に入り番組の登録ができるようにしてほしい▽「NHKプラス」をテレビ画面で見たい▽関西以外の地域向け放送も見たい▽「らじるらじる」は緊急地震速報の時、無音になってしまう▽「笑いたい」「感動したい」で探せるよう検索機能を強化してほしい―。
 NHK経営計画は、2023年度中にBS1とプレミアムをBS2Kに統合し、25年度にAMラジオを1波にするとしています。説明を受け、学生たちから疑問の声が上がりました。
 ▽地上波で再放送が増えている。BSを減らすのではなく、地上波と交流したらどうか▽音声波の整理はヘビーリスナーとして残念。ネットになじまない高齢者にとってもよろしくない▽祖父母は携帯電話すら持っていない。NHKの「あまねく伝える」を重視して―。
 意見が分かれたのは、コロナ禍での撮影における出演者の距離とマスクの扱いでした。
 「違和感がある。(出演者同士が)離れるぐらいなら、マスクをして一つの画面に収まった方がよい」のがマスク肯定派。一方「コロナ禍でテレビが唯一の楽しみなのに、マスクなどされると現実に引き戻されてしまう」「ロケではマスクが多いが、表情が見えないと伝わる情報が少ない」という否定派も。
 「コロナ禍での大学生活…リモート授業やサークル活動の制限について、学生の声を聞いてほしい」という要望に、うなずく姿が見られました。
 NHK側は、出された意見をできるだけ生かしていきたいと口をそろえました。
(7月22日付)

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