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~2月のテレビラジオ面~

☆市原隼人さん登場~「明日の君がもっと好き」主演

☆制作者が語る NHKスペシャル「沖縄と核」

☆冬の民放連ドラの見どころは? 記者座談会

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□市原隼人さん登場~「明日の君がもっと好き」主演(26日付)

デビューから20年の節目を迎えた市原隼人さんが、テレビ朝日系で放送中の主演ドラマ「明日の君がもっと好き」にかける意気込みを大いに語ります。趣味は、今回の役と通じるカメラとバイク。持ち前の探求心で「人生を楽しんでいます」。(紙面を見る

□制作者が語る NHKスペシャル「沖縄と核」(19日付)

 「沖縄に最高時で1300発の核兵器が配備されていた」。昨年9月に放送されたNHKスペシャル「沖縄と核」は大きな衝撃を与えました。NHKの今理織(こん・みちおり)ディレクターが、市民団体主催のフォーラムで取材の舞台裏を話します。(記事を読む

□冬の民放連ドラのみどころは?(12、14日付)

 「アンナチュラル」(TBS系)や「anone」(日本テレビ系)はじめ、オリジナル脚本による力作がそろった冬の民放連続ドラマ。その見どころや特徴は? 本紙ドラマ担当記者が、ちょっぴり辛口に評します。(記事を読む上

●信越放送・手塚孝典さんに聞く「決壊~祖父が見た満州の夢」(1日付)

 「満蒙開拓団」をテーマにしたドキュメンタリーを作り続ける信越放送・手塚孝典ディレクターが、最新作「決壊~祖父が見た満州の夢」について語ります。毎回行き着く思いは「命をないがしろにした過ちと、国は向き合ってきたのか」でした。(紙面を見る

●「うそ・ヘイトを許さない」~市民が「ニュース女子」でシンポ(10日付)

 BPOが「重大な放送倫理違反があった」と断じた東京MXテレビ「ニュース女子」(昨年1月2日放送)。「沖縄への偏見をあおる報道は許さない」と抗議を続けてきた市民が開いたシンポジウムの模様を詳しく伝えます。(記事を読む

●是枝裕和さんと今野勉さんが語り合った「永六輔とテレビジョン」(21日付)

 「永六輔とテレビジョン」と題したトークイベントで、永さん出演の傑作「遠くへ行きたい」を演出した今野勉さんと、映画監督の是枝裕和さんが語り合いました。テレビの土台を築き上げてきた永さんの足跡とその魅力とは…。(記事を読む

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 2月の「休憩室」(毎週土曜日掲載)

 ☆水川あさみさんはNHKBSプレミアム「我が家の問題」で、4人の若妻を一人で演じました。「夫婦という形は未知ですが、一人でいるよりも豊かになると思いました」

 ☆新しいヒーローは18歳。伊藤あさひさんは、テレビ朝日系「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」で、主役の「ルパンレッド」に変身します。

 ☆川口春奈さんは、初のドキュメンタリーに挑みます。BS‐TBS「川口春奈アフリカ動物大紀行」(3月18日放送)で、命と自然の尊さを伝えます。

 ☆元大関の杷瑠都さんは、3月4日スタートのBSプレミアム「弟の夫」で連続ドラマ〝初土俵〟を踏みます。撮影の合間には得意のチャンコをふるまったとか。

●好評・「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

 毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」など内容も多彩。一流執筆陣に放送評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。読み応えたっぷりのコラムも好評です。気鋭の若手ライター・武田砂鉄さんの「いかがなものか!」、演出の巨匠・鶴橋康夫さんの「ドラマの種」、脚本家や映画監督として羽ばたく足立紳さんの「七転びな日々」、テレビコラムニスト・桧山珠美さんの「それでもテレビが好き」を、それぞれ毎月1回掲載しています。

 ◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 石井彰(放送作家)、碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)、藤久ミネ(評論家)

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

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◎NHKスペシャル「沖縄と核」/今理織ディレクター講演/「放送フォーラム 番組制作者と語る」/核戦略いまも変わらず

 昨年夏にNHKが放送した一連の秀作ドキュメンタリーの一つ、「NHKスペシャル~沖縄と核」。取材にあたった今理織(こん・みちおり)ディレクターが、このほど都内で開かれた「放送フォーラム 番組制作者と語る」(主催・放送を語る会)で語りました。話は番組の企画意図から、放送しきれなかった重要証言にまで及びました。(田村三香子)

 今さんは沖縄放送局に昨年まで4年勤務しました。日々のニュース取材をする中で、「なぜ沖縄に米軍が集中し続けているのか」、疑問を抱きます。
 そこで始めたのが年表づくりでした。注目したのは1950年代半ばです。沖縄に海兵隊が進駐。54年には第五福竜丸事件が起こって反核の機運が高まります。逆にアメリカは核兵器を戦略的に位置づけるようになりました。この符合が何を意味するのか。それが番組の着想でした。

海兵隊雑誌から

 「核と海兵隊に、結び付くイメージがなかった」という今さん。国会図書館で海兵隊の雑誌を50年代初頭の分から読んでいきました。「55年ぐらいから核兵器についての論文が頻出してくるんです」。背景にはアイゼンハワー大統領の「核を小型化して持つことが大事だ」という戦術核政策がありました。そんな中で発見したのが海兵隊司令官の文書―「核兵器の進歩にわれわれも対応しなければならない」。海兵隊と核が結びつきました。
 米軍は55年、戦術核「オネストジョン」の訓練を日本本土で行おうとしますが、反核世論に押されます。「そのとき選ばれたのが沖縄だったと解き明かしたのが、この番組の肝だと思っています」と今さん。「米軍を日本本土から沖縄に移した大きな要因は核だったのでは」といいます。
 もう一つ、番組を作るきっかけとなったのは、2015年の米国防総省の文書です。「沖縄に核が置かれていたことを公式に認めています。非常に驚きました」。米政府が核兵器のありかについて、いまでも明らかにしない政策をとり、そのことが米軍関係者にとって圧力となっている中で「この文書を持っていくことで相手の壁が低くなり、新しい証言者や資料を獲得することができました」

核模擬弾の犠牲

 59年、伊江島で模擬核爆弾が落ちて犠牲になった男性は、米軍基地に土地をとられて模擬核爆弾の破片を拾ってくず鉄として売って生計を立てていました。それを明かす今さんは、「昨年12月、普天間第二小学校のグラウンドに窓を落とし、小学校の上空を避けると合意したのに、また飛ぶ。そして、合意を破ったと認めない。何も変わっていません」と静かに怒りを込めます。
 講演時、草案の段階で米マスコミがスクープしていたトランプ政権のNPR(核態勢の見直し)は、アイゼンハワー政権の戦術核政策の現代版。今さんはいいます。「沖縄と核の話は、過去の話ではありません」

「NHKスペシャル~沖縄と核」―数々の重大事実を報道

 昨年9月10日に放送された沖縄放送局制作のドキュメンタリー。
 ▽沖縄に最高時で1300発の核兵器が配備されたこと▽那覇で核弾頭を積んだナイキミサイルが誤射されたこと▽キューバ危機の際、沖縄に配備された核ミサイルが発射直前だったこと▽嘉手納基地のプルトニウムを韓国の米軍基地に輸送していたこと▽元国防長官が「日本政府は(核持ち込み先に)沖縄を選んだ」と証言したこと――など、数々の重大事実を報道しました。
(2月19日付)


◎冬の民放ドラマの見どころ/記者座談会/上/社会問題を身近に描く/多彩なジャンル力作ぞろい

 冬の民放ドラマも中盤を迎えました。見どころを記者が話し合いました。

 A 今期は恋愛ものにコメディー、ホームドラマと多彩で、オリジナル脚本は力作ぞろいだ。

メッセージ響く

 B 「アンナチュラル」(TBS系)は、「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本家・野木亜紀子が法医学ミステリーに挑戦。主演の石原さとみが「不自然死」の謎に挑む。
 C 先を読ませない二転三転の展開、スピード感が海外ドラマのよう。事件ありき、犯人捜しではない「死と向き合うことによって、いま生きている人間を励ます」メッセージに毎話、心が熱くなる。
 A 井浦新に市川実日子など、個性的な登場人物たちが織りなす会話劇もテンポよく楽しい。この質と密度で全話描ききったら大傑作になるね。
 B 広瀬すず主演の「anone」(日本系)は、昨年「カルテット」で話題になった坂元裕二の脚本だ。展開の読めない作りは一緒だが「カルテット」が夢見るキリギリスたちの優しい寓話(ぐうわ)なら、「anone」は〝偽物〟がキーワードの悲しい物語だ。
 C 「努力は裏切るけど、諦めは裏切りません」「人は手に入ったものじゃなくて、入らなかったものでできている」などのせりふが深い。社会に適応できず疎外されてきた人たちの生きづらさに寄り添うストーリーに胸を突かれる。
 A 制作陣によると「生きることの意味」や「真実の人間愛」を見つけていく物語になるという。主人公たちが心から笑う姿を見たい。

家族の形多様化

 C 妊活や家族の多様化を描いた「隣の家族は青く見える」(フジ系)も面白い。妊活の勉強になるし、深田恭子と松山ケンイチの自然体な夫婦を応援したくなる。
 B 「子どもを産んでこそ一人前」と自分の価値観を押し付ける主婦に対して、子どもを持ちたくない女性が「子どもを持つ持たないも権利であって義務じゃない」とたんかを切るところに胸がスカッとした。
 A ゲイカップルも奇抜なキャラではなく、実情をリアルに描こうとしていて好感が持てる。ドラマはデリケートな社会問題を身近な問題として描くことができる。多様性が求められる時代だからこそ、そういうドラマの力を発揮してほしい。
 B 松本潤主演の「日曜劇場 99.9」はシリーズものの安定感がある。日本の刑事事件の裁判有罪率は99・9%。0・1%であっても諦めず真実を追い求める姿勢に引き込まれる。1、2話は文句なしによかった。
 C 群像劇や小ネタは楽しいけど、ちょっとふざけすぎな感じもする。

ラブよりホラー

 A 漫画原作も面白いものが多い。天堂きりん原作の「きみが心に棲(す)みついた」(TBS系)は、「あなたのことはそれほど」の吉澤智子らが脚本を担当。衝撃作だ。
 B 自己評価が低い今日子(吉岡里帆)が2人の男性の間で揺れ動くラブストーリーだが、支配欲の強い元恋人(向井理)のDVが強烈で、もはやホラーに見える。
 C 元恋人の呪縛からなかなか抜け出せない今日子にイライラしたり、見るのがつらくなったりしながらも、共依存から抜け出す姿を見届けたくて見続けるだろうな。
 A 同じく自信のないヒロインの「海月(くらげ)姫」(フジ系)も東村アキコの漫画が原作。肩が凝らずに楽しめるコメディーだ。映画よりも心情や背景を丁寧に描いているのがいい。
 B 芳根京子があか抜けない、挙動不審な役をうまく演じている。「三国志」オタクの内田理央も、誰だかわからないぐらい役になりきっていてすごいね。
 C 主人公が仲間とクラゲのドレスを作る中で、成長していく姿に期待したい。
(2月12日付)

◎冬の民放ドラマの見どころ/記者座談会/下/主人公の見せ場多く

 A 木村拓哉主演の「BG~身辺警護人~」(朝日系)は豪華なキャストで話題だ。
 B 過去に傷を持つ、子持ちの主人公。人間味のある抑えた演技で、丸腰で依頼人を守る姿は新境地を開いたともいえるね。
 C 主人公の見せ場を作るためのシーンが多くて、ストーリーの一貫性が崩れてしまっているのが気になる。

家族のため奔走

 A 「もみ消して冬」(日本系)は、エリート一家のスキャンダル隠しに奔走する末っ子を山田涼介が熱演している。
 B 家族を守るためなら、多少、法を犯してもいいというのは気になるが、コメディーとしては面白い。火曜サスペンス劇場の音楽と山田涼介の顔芸は一見の価値あり。
 C 家族に認めてほしいと必要以上にがんばる姿は依存だと思うが、家族の不器用な優しさも見えてきて心温まる話になってきた。
 B 「ファイナルカット」(フジ系)はワイドショーの報道を苦に自殺した女性の息子(亀梨和也)による復讐(ふくしゅう)劇だ。
 C 同枠で昨年放送した「嘘の戦争」の草彅剛ほど、亀梨に熱量を感じないのが残念。
 A フェイクニュースや過熱報道など、報道のあり方が問題になっている昨今、テレビ局自身がテレビ報道を問う姿勢は買いたい。
 B 帯ドラマ劇場第3弾「越路吹雪物語」(朝日系)はどう?
 A 宝塚時代は落ちこぼれで明るい越路を瀧本美織が、後に越路のマネジャーになる、物静かでしっかり者の岩谷時子を木南晴夏がそれぞれ好演。瀧本の歌声が美しい。
 C 前作の「トットちゃん!」と比べると戦争の描き方が弱い気がするので、今後に期待したい。

冒険的試み続く

 A テレビ東京の深夜ドラマ枠は、引き続き挑戦的だ。「MASKMEN」(マスクメン)は、俳優の斎藤工が本気で覆面のお笑い芸人を目指す、ドキュメンタリーともドラマともつかない作りだ。
 B 「山田孝之の東京都北区赤羽」といい、役者が本人役で出ているドラマが増えてきた。演じ手と視聴者が空間を共にしているような感覚を覚える冒険的な試みだと思う。
 C 「トドメの接吻(キス)」(日本系)は、山崎賢人などを起用した若者向けドラマ。本編終了後に〝もう一つの物語〟を動画配信サービス「Hulu」(フールー)で放送。ドラマも家族で見るものから、年代ごとに特化していく戦略になっていきそうだね。(おわり)
(2月14日付)


◎沖縄報道を問う/うそ・ヘイトを許さない/「ニュース女子」でシンポ

 昨年1月に東京MXテレビが放送した沖縄へのヘイト(憎悪)番組「ニュース女子」。BPO(放送倫理・番組向上機構)が昨年12月、「重大な放送倫理違反があった」との意見書を提出したことを受け、MXに抗議を続けてきた市民が、改めて「沖縄報道を問う」シンポジウムを先月、東京で開きました。170人が参加しました。(田村三香子)

 MXへの抗議を続けている主催団体「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」の川名真理さんが、これまでの経過を報告。「MXを許していないといい続け、BPOの意見書を引き出させたのは、みんなの力ではないか」とのべました。「(番組を持ち込んだ)DHCは見解は変わらないといっています。私たちは番組内での謝罪と訂正を求めていきます」
 元MX社員で、いまはネットテレビ「アワープラネットTV」代表の白石草(はじめ)さんは、「『ニュース女子』はおととし3月、(古舘伊知郎、国谷裕子、岸井成格各氏の)キャスター交代のタイミングで、深夜帯から午後10時の時間帯に移ってきた番組」と指摘。「〝『報道ステーション』をつぶしにいきます〟という浜田麻記子DHCシアター社長(当時)の掛け声に象徴されるように、既存のテレビやジャーナリズムに対する挑戦と受け止めるべき。沖縄問題以外にも、従軍慰安婦問題など、毎回問題のある内容を放送している。地上波でこのような番組が続けば、民主主義の破壊につながる」と、訴えました。
 ジャーナリストの安田浩一さんは、「『ニュース女子』問題は、報道の問題にしてはいけない。うそ・でたらめを許さないという事柄です」といいます。2013年、東京・銀座で行われた普天間基地へのオスプレイ配備反対を求める建白書デモの時、当時那覇市長だった翁長雄志県知事がたたかうとはらを固めたわけはと問うた安田さん。「それはヘイトデモをする人を見たからではなく、何事もなかったかのようにしていた人々の姿を見たからです」。「沖縄の問題は日本社会の問題。私たちのこととして問われ続けています」と付け加えました。
 作業療法士で、沖縄で基地反対運動に取り組む泰真実(やす・まこと)さんが駆け付けました。「救急車を妨害した」とのデマを消防署に問い合わせた事実で反論し、沖縄のヘイト「論客」たちがいまなお弄(ろう)している番組同様の言論を紹介。「ニュース女子」について「求めているのは、番組がちゃかした私たちに明確に謝罪し、番組を打ち切ること。そして名誉を回復してほしい」と話しました。

「ニュース女子」問題 東京のローカル放送局・東京MXテレビが昨年1月2日に放送した情報バラエティー番組「ニュース女子」で、沖縄・東村高江の米軍ヘリパッド建設反対運動について、「日当で雇われている」「暴力をふるっている」などのデマを流しました。番組を制作したのは、MXの最大スポンサーである化粧品会社・DHCの子会社DHCシアター(当時)。完成品を納入するいわゆる「持ち込み番組」でした。

「ニュース女子」問題についてのBPO意見書 BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は昨年12月、独自に行った現地調査も踏まえ、番組内容の真偽を検証。「本件放送には複数の放送倫理上の問題が含まれており、そのような番組を適正な考査を行うことなく放送した点に、東京MXには重大な放送倫理違反があった」との結論を出しました。
(2月10日付)


◎トークイベント「永六輔とテレビジョン」/とにかく楽しく、わかりやすく

 東京都内で開かれた「座・高円寺」ドキュメンタリーフェスティバル(8~12日)で11日、「永六輔とテレビジョン」と題したトークイベントが行われました。永六輔さんが出演したテレビ草創期の傑作「遠くへ行きたい」の第1回「岩手山―歌と乳と」(1970年)などの上映もあり、同番組演出の今野勉さんと、映画監督の是枝裕和さんが、永さんを追悼しつつ語り合いました。(鎌田有希)

 テレビ草創期から活躍してきた第一世代の一人である永六輔さんの功績を再評価するため、是枝さんが、「彼らがテレビをどうとらえ面白がり、どう離れていったのか。自分史を絡めて語ってほしい」と、今野さんに質問、口火を切りました。
 「ドキュメンタリーの撮影だなんて考えは一切なかった、とにかく楽しめればいい。誰がみてもわかるようにみせる工夫、見る人へのサービス精神がすごい」と永さんを振り返る今野さん。
 初回の撮影当時、ドラマ畑の今野さん自身もドキュメンタリー的な番組は初めてで、ドキュメンタリーを撮るというより永さんと仕事して旅の話を撮る意識の方が強かったと話します。

庶民の話を聞く

 民俗学者・宮本常一氏に影響を受けたと言われる永さん。「地方に出かけていって、暮らしている庶民の話を聞くという感覚で撮影に臨んでいたかもしれない」
 確かに、本作の上映で印象に残ったのは、人間の顔のアップです。第1回のラスト近く、石川啄木「一握の砂」の一節「ふるさとの山に向かひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」を岩手の方言で読んでいる、地元の老若男女の顔を、次々と映し出すシーンは圧巻でした。

時代の先端行く

 時代の先端を行く構成作家でもあった永さんは、現場では即興的なことを好み、さまざまなアイデアを次々に生み出しました。一方で「スタッフとのコミュニケーションをとても大切にする人だった」。スタッフを登場させたりして、「旅の実況中継のような」撮影。「永さんの現場は貴重な経験だった」
 「自由でいいですね。時代が自由でいいんですね」と是枝さんがうなずきます。実は、テレビマンユニオンにいたAD(アシスタント・ディレクター)時代に、「遠くへ行きたい」の番組制作に関わっていたそうです。

「つかめない人」

 会場から「いま、永さんと同じトーンの人はいますか」との質問に是枝さんはいいます。「ある種のアマチュアリズムの人で、作詞、タレント、構成作家、司会業などプロの道を選ばないで、プロフェッショナルなものを切り捨てる。一方でテレビから離れて民俗学までいってしまう。永さんはつかめない」
 最後に、亡くなる3年前、永さんが加藤登紀子さんに託した8行の詩を今野さんが読み上げました。「淋(さび)しさには耐えられる/悲しみにも耐えてみよう/苦しさにも耐えてみて/耐えて耐えて/耐えられないのは虚(むな)しさ/虚しさ 空(むな)しさ/虚しさが 耐えられるのは/ともだち あなた 戦う心」。「あれほど冗舌で庶民に語りかけて、最後の時に虚しさなんて。それはそれで永さんなのでは」。笑いと熱気に沸いていた会場は一気に静まりかえりました。
(2月21日付)

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