多彩に旅案内
8月。長野・東御市海野宿。ツルシのぶらり探訪は作家・野上弥生子の故郷、大分・臼杵市。滋賀・近江八幡市。おいしい旅は、静岡市清水区
好評です毎週水曜日の「つり」
10月は秋田・桧木内川のアユ、大分・豊後水道のケンサキイカ、京都・若狭湾のシロイカなどを予定
日本平からの清水区方面の展望
<8月 涼子のおいしい旅 静岡市清水区/次郎長ゆかりの港 地元グルメ「もつカレー」発見(記事を読む)>
8月の旅から紹介です。1日付は長野・東御市を訪ねました。伝統的な旅籠(はたご)建築が美しい海野(うんの)宿を歩きました。
8日付のツルシのぶらり探訪は作家・野上弥生子の故郷、大分・臼杵(うすき)市です。野上弥生子文学記念館で、プロレタリア作家・宮本百合子との友情をたどりました。
15日付は滋賀・近江八幡市を訪れました。琵琶湖畔の城下町で、八幡堀の舟めぐりや、趣あふれるヴォーリズ建築散歩を楽しみました。
29日付のおいしい旅は、静岡市清水区です。清水次郎長や、東海道を描いた浮世絵で知られる清水区で、地元グルメ「もつカレー」を味わいました。
<7月 たび 街道を歩く 下田街道 その四/二つの天城峠を歩く 湯ケ島~天城峠~梨本(記事を読む)>
釣りが大好きな赤旗応援団による釣行記を、日刊紙の水曜付と、日曜版に月1回掲載します。日刊紙は10月に秋田・桧木内川のアユ、大分・豊後水道のケンサキイカ、京都・若狭湾のシロイカなどを予定しています。
日曜版では、イラスト付きエッセイ「森越ハムの全力ゆる釣り日記」(毎月第4日曜)が好評連載中です。
<9月 つり コイ 山形 西川町の長沼/引きの強さに夢中です リアドラグを駆使(記事を読む)>
<8月 つり タチウオ 東京湾 猿島周辺/釣りざんまい夢見るも 久々のドラゴン級(記事を読む)>
釣りたよりは「赤旗」日刊紙の地方版に掲載しています。
◎涼子のおいしい旅 静岡市清水区/次郎長ゆかりの港 地元グルメ「もつカレー」発見
静岡市清水区を旅しました。最初は日本平(だいら)から絶景を見物です。ドーンとそびえる富士山と駿河湾、清水の街並みに思わず「わー! きれい」。
それではこの風景にギュッと詰まった、歴史やおいしいものを求めて出発です。
まず旧東海道をめぐります。江戸時代の清水区域には四つの宿場町がありました。現代では、宿場ごとに歴史的な場所が情報拠点として整備され、旅人は休憩や歴史の勉強ができます。
江戸時代の面影が残る蒲原(かんばら)宿では洋館「旧五十嵐歯科医院」に、興津(おきつ)宿では政治家・西園寺公望(きんもち)の別荘「坐漁(ざぎょ)荘」を復元した和風家屋に入れます。
由比宿本陣公園の情報拠点では、浮世絵の美術館「東海道広重美術館」を見学。今まさに私が歩く東海道の風景が、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品に描かれています。
昼食は由比漁港でとれた海の幸です。シラスやアジの刺し身、それに名物・桜エビのかき揚げに舌鼓!
旧東海道四つ目の宿場町は、JR清水駅近くの江尻宿です。江戸へ物資を運ぶ拠点だった清水湊(みなと)をひかえて、大いに栄えました。
ここで有名なのは清水次郎長(1820~1893年)です。若い頃は任侠(にんきょう)の世界にいましたが、明治維新後は駿府総督府判事に。港の振興や英語塾の開校、富士山麓の開拓事業など地域に貢献したと地元の方に教えてもらいました。「清水港船宿記念館『末廣』」や、清水湊次郎長生家で足跡を学べます。
明治時代になると、清水湊は国際港としてさらに発展しました。当時の主要輸出品は、県内の生産地との直結が強みのお茶でした。なんとアメリカでは、紅茶のようにミルクと砂糖入りで緑茶を飲むのがはやっていたのだとか。
もう一つの清水の特産品がツナ缶です。清水港に大量に水揚げされたビンチョウマグロの油漬け缶詰が、日本では清水で開発されてアメリカなどに輸出されたのです。冬場はミカン缶詰を製造、失業者対策になったとか。
実は今も、清水港は冷凍マグロの水揚げ日本一です。全国の9割以上のツナ缶が静岡県で生産されています。スーパーマーケットの棚では地元メーカーのツナ缶を見かけます。
海辺らしく魚づくしの食ですが、もう一つ清水の名物を発見。「もつカレー」です。豚もつの串刺しをカレーで煮込んだもので、終戦後、屋台の店主が編み出したという郷土の味わいです。基本は串刺しもつですが、カレーライスや缶詰品などバリエーションもさまざまです。
清水ならではの歴史や味めぐりに、何度でも通いたくなります。
南田涼子
写真・南田乗太
【交通】江尻宿へは、JR東海道線清水駅下車
【問い合わせ】静岡市観光政策課 電話054(221)1454
清水のおみやげ
・ツナ缶―地元メーカーの良質なツナ缶も。スーパーマーケットや製造元で販売
・海産物―桜エビ加工品やマグロ製品など。清水魚市場や由比漁協直売所などで販売
(8月29日付)
◎たび 街道を歩く 下田街道 その四/二つの天城峠を歩く 湯ケ島~天城峠~梨本
いよいよ、静岡県伊豆市と河津町の境にある下田街道最大の難所・天城(あまぎ)峠を越えます。天城峠といえば、川端康成の名作「伊豆の踊子」や、松本清張の推理小説「天城越え」に登場する旧天城トンネル(天城山隧道〈ずいどう〉)を連想しがちですが、そちらは明治期(1905年)の開通で、それ以前は二本杉峠を越えていました。今回は両方の峠を訪ねます。
初日は前回の終点、バス停「湯ケ島温泉口」からスタート。国道414号を道なりに歩くと、浄蓮の滝入り口が見えてきます。昔話ではある日、山男がこの滝つぼにおのを落として困っていると、滝の主である女郎蜘蛛(じょろうぐも)が女性に変身して現れます。女郎蜘蛛は山男におのを渡し、この出来事を他言しないように約束させます。
山男は約束を守り続けますが、つい酒宴で話してしまい命を落とします。イソップ寓話(ぐうわ)にも似た話がありますが、こちらの結末は厳しいようです。
この先、国道は歩道が減り危険なため、国道沿いの踊子歩道へ。道の駅天城越えから先は本谷川沿いの樹林を歩き、昔の旅人気分が味わえます。
滑沢(なめさわ)渓谷の太郎杉に寄り道して、天城大橋をくぐり、階段を上ると旧道の上り坂が始まります。川端康成文学碑から30分ほど頑張ると旧天城トンネルに到着です。全長445・5メートル。現存する石造りトンネルでは日本最長を誇ります。
トンネル内は涼しく汗ばんだ体には何よりのご褒美でした。ここから、宿泊地の河津七滝(ななだる)温泉へはほぼ下り。途中、宗太郎園地(杉林)や河津七滝が目を楽しませてくれます。
2日目は、天城自然ガイドクラブの渡辺攻(すすむ)さんと一緒に二本杉峠を目指します。渡辺さんによると、二本杉峠に上がる山道は河津町側が土砂崩れのため閉鎖中で、湯ケ島側も通行困難な箇所があるとのこと。そこで旧天城トンネル脇から伊豆山稜(さんりょう)線歩道に上がり、尾根伝いに二本杉峠を目指しました。
出発から急登が20分近く続き、早くも汗まみれです。尾根に到着後はブナ、ヒメシャラなどの新緑をめでながら、適度な上り下りを1時間30分ほど繰り返します。道沿いに点在するくぼ地は炭窯跡で、江戸期は製炭業が盛んだったそうです。
古峠を経て、二本杉峠に到着。その名の通り2本の杉の巨木がそそり立っています。「幕末のアメリカ総領事ハリスや吉田松陰も同じ風景を見たと思うと感慨深いですよね」と渡辺さん。私も同感です。昼食後、峠近くの石仏に手を合わせ、来た道を戻りました。
内田晃
【交通】バス停「湯ケ島温泉口」へは、伊豆箱根鉄道修善寺駅から河津駅行きバスで30分
【問い合わせ】
伊豆市社会教育課 電話0558(83)5476
伊豆市観光協会天城支部 電話0558(85)1056
(7月18日付)
◎つり コイ 山形 西川町の長沼/引きの強さに夢中です リアドラグを駆使
もともと、釣りは好きだったのですが、5年ほど前からコイ釣り専門になりました。引きが他の魚と比べて断然強く、時には糸を切られたり、サオが折られたりして夢中になってしまいました。
サオはどうすれば折れないかといろいろ試しましたが、磯ザオに、ドラグ調整がしやすい「リアドラグ」のスピニングリールを使うのが私のコイ釣りスタイルになりました。リアドラグは引きの強さに合わせて絞ったり、緩めたり調整できるので、コイのウキ釣りにはなかなか便利なのです。
そして、私の信念は「お金をかけない釣り」です。磯ザオは中古を買ったり、自分で改造したものを使ったりしています。エサやハリも最低限のものを使っています。
暑い日が続いていましたが、やっと朝晩に過ごしやすさを感じるようになり、9月13日に山形県中央部の西川町にある長沼に出かけました。山形市内から車で50分ほどです。いつも通る道ですが、16日までの連休中に寒河江市では「神輿(みこし)の祭典」というお祭りがあり、多少混んでいました。
長沼は何度も通った釣り場です。私が「指定席」としているカヌー乗降場の脇は誰もいませんでした。午前7時15分に釣り開始。春と秋は9時~11時ごろが釣れる時間ですが、夏場は8時~9時ごろが、一番アタリがあります。しかし、この日は9時を過ぎてもなかなかアタリが来ません。やはり、水が少なく水温が高いため釣れないのだろうか、と思いながらも続けました。
ヘラブナの小さいアタリばかりで、「また後日来ようか...」と諦めかけたとき、ウキがスッと潜りました。しっかりアワセて、コイの引きに「これこれ、これだからコイ釣りはやめられない」とリアドラグを調節しながらタモ網に入れました。
最初のコイは63センチ。その後47センチと29センチと続き、35センチのヘラブナ(すぐリリース)も釣れました。ヘラブナは30センチを超えたあたりからコイの仕掛けでも釣れるようになりますが、アタリはコイとはまったく違います。コイの、ウキを沈めるようなものではなく、ピクピクと弱く何度も引くため、アワセてもハリが大きすぎて簡単には釣れません。
最上川第二漁協の決まりの3尾に達したので10時10分に納竿(のうかん)しました。釣ったコイは近所のお宅の観賞用になります。
長沼と大沼(長沼から車で5分)は遊漁証が必要です。近くのコンビニで販売しています。(山形・鯉するおやじ)
(9月25日付)
◎つり タチウオ 東京湾 猿島周辺/釣りざんまい夢見るも 久々のドラゴン級
半年振りにタチウオ釣りに行きました。これだけ長い期間、釣りに行かなかったのは、理由があったからではありません。夫婦で共働きをしていた当時は、「退職したら釣りざんまいの老後を過ごそう」と夢見たこともありました。いざ、夫婦ともども退職したものの、思うようにはならないのが人生の面白さでありましょうか。
6月27日、千葉県浦安市の釣り宿に行きました。駐車場にはすでに車が10台ほど入っていました。すぐさまタチウオ釣りの席を予約したところ、船首の一番高いところで右舷の前から3番目が取れました。通常はルアーマンが占める場所ですが、今回は2人だったので、3番目の釣り座はエサ釣りでは先頭でした。6時半の出船時には満員になりました。
東京湾内の西側を南下し、7時すぎには羽田空港の脇を航行。横浜沖も過ぎました。きょうはどこで釣りができるのか、期待と不安が入り交じってきます。
8時ごろ、横須賀沖の猿島周辺海域に大船団が見えてきました。東京湾周辺の主だった釣り船が集まっていました。その周辺を旋回し、船長は魚群探知機とにらめっこをしていたのでありましょう。大船団のど真ん中で始めました。
指示ダナは水深50~60メートルの間でした。シャクリながら誘いを掛けました。仕掛けはハリス7号3メートル、タチウオバリにコノシロの切り身を縫い刺して、60号のオモリを背負わせて投下しました。
早速、船首のルアーマンが掛けました。船中に抜き上げたのはナイスサイズのタチウオでした。すぐ私にもアタリがあり、合わせを入れるとハリ掛かりしたようで、強い引きが伝わってきました。これは確実にゲットしようと慎重に寄せて来て、一気に船中に投げ入れました。大物であっても、タモ取りは期待できないので、バラさないようにハリの掛かり具合を確かめ、一気に取り込むしかありません。
早速、仲乗りさんがカメラを向けてくれたのでポーズを取りました。帰宅後に測ったところ、1メートル20センチ(幅10センチ、1・5キロ)のドラゴン級でした。ほかは小物が4本で、計5本でした。船中では後ろから2番目かな。京都で暮らす次男に久しぶりに贈ることもできました。早々に、料理された写真と動画が届きました。われわれと息子家族、特に孫が興味を示し、とても喜んで食べてくれたのがうれしかったです。
めでたし、めでたし!(千葉・三番瀬守)
(8月7日付)