多彩に旅案内
静岡・下田市、鹿児島・屋久島、栃木・佐野市、「街道を歩く」は、水戸街道その三
好評です毎週木曜日の「つり」
2月は外房のアマダイ、福井のスルメイカ、東京湾のキンメ五目など
<1月 涼子のおいしい旅/静岡・下田市を歩く/花、食、歴史、不思議な景色(記事を読む)>
1月の旅から紹介です。1日元旦号では、「涼子のおいしい旅」で、静岡・下田市を歩きます。江戸時代末期の開国の舞台となった土地。名物のキンメダイなどをいただきます。太古からの激しい地形変動の生み出した不思議な景色の宝庫でもあります。
「一期一湯」は鹿児島・屋久島の海岸沿いにある個性豊かな温泉を巡ります。干潮のときだけ現れる珍しい温泉も。栃木・佐野市では、驚くほど透明な湧水池としてSNSで話題の出流原(いずるはら)弁天池を眺めます。
「街道を歩く」は、水戸街道その三。荒川沖宿から土浦宿を目指します。土浦市観光ボランティアガイドの案内で、豪商の館内や土浦城址(じょうし)を見学します。
<12月 たび/一期一湯/大分・夷谷温泉/奇岩、景勝地の秘湯/昭和レトロ、街並み再現(記事を読む)>
釣りが大好きな赤旗応援団による釣行記を日刊紙の木曜付と毎週の日曜版に掲載しています。2月は外房のアマダイ、福井のスルメイカ、東京湾のキンメ五目などが登場する予定です。日曜版では楽しいイラスト付きエッセイ「森越ハムの全力ゆる釣り日記」(毎月最終週)が好評連載中です。
<1月 つり/巨大ニジマス/静岡・気田川/激闘の果ての60センチ/秘策のエサに反応(記事を読む)>
<12月 つり/クロダイ/新潟・佐渡島/一晩中〝なぎさ釣り〟/サオ先の情報読む(記事を読む)>
釣りたよりは「赤旗」日刊紙の地方版に掲載しています。
◎涼子のおいしい旅/静岡・下田市を歩く/花、食、歴史、不思議な景色
静岡県は伊豆半島の南端に近い、下田市をめぐりました。
でも今は新型コロナウイルス感染拡大が心配。そこで野外散歩中心に楽しみました。めでたさ満載のごちそうも静かにいただきましたよ。
まずは江戸末期の開国の舞台、ペリーロードかいわい。伊豆に伝わるなまこ壁の商家など趣のある街並みです。
次はいよいよごちそうの時間。水揚げ量日本一という下田名物キンメダイの煮付けと、地魚の刺し身をいただきました。伊豆半島から伊豆諸島近辺はキンメダイの好漁場なのです。
うわー、おいしい!
それから郷土料理の「いけんだ煮みそ」。これにも地魚どっさり。豪勢な鍋物です。
翌日この料理名ゆかりの地、須崎地区の爪木崎を訪ねました。
1月中は「水仙まつり」開催中で、野水仙とアロエが花盛り。その花いっぱいの海辺こそが池之段という地名で、なまって「いけんだ」という呼び名に。
地元の方によれば、「昔、漁師が早朝取った魚や貝をこの浜辺で鍋に入れて、みそで煮込んだ朝ごはんがいけんだ煮みその由来」なのだとか。一帯は磯浜でイセエビやアワビ、ところてんの材料となるテングサなどがとれる豊かな海です。
遊歩道をめぐるうちに突然険しい岩場登場。伊豆半島は太古からの地球の活動を観察できる「ジオパーク」に指定されて、説明板があちこちにあります。
説明によると海底火山のマグマが冷え固まった、柱状節理という角ばった岩でした。
ジオパークに興味しんしん、市内のもう1カ所、龍宮窟に行きました。ちなみに丑年にふさわしく地名は田牛です。
階段を降りると洞窟の横穴から太平洋からの波が注ぎ込まれ、頭上にも穴という不思議な世界。これも隆起した海底火山と波の浸食がもたらした風景です。
観光パンフレットの伊豆ジオマップによると、2000万年前の太平洋の海底火山群が徐々に島になり、100万年前に本州に衝突し、伊豆半島になりました。
その激しい地形変動のおかげでできた磯場は魚介の宝庫。日当たりと水はけの良い山の斜面には、かんきつ類がおいしく育つのだとか。
そんなわけで、おやつは伊豆名物のニューサマーオレンジジュースにところてん。正月のごちそう疲れに、さっぱりさわやかです。
最後に下田ロープウェイで寝姿山に上りました。下田湾一望でぽかぽかと暖か。河津桜の開花ももうすぐ。
花においしいものに歴史に不思議な景色満載の下田。住みたくなるほど大好きです。
南田涼子
写真・南田乗太
下田市のお土産
◆キンメダイの干物や缶詰、みそ煮や煮付け用の丸ごと冷凍品もあります。
◆かんきつ類―ニューサマーオレンジジュースやマーマレードなど。
道の駅開国下田みなとや土産物店で販売。また、いずれも通信販売にて購入可能。
【交通】伊豆急行線伊豆急下田駅下車。
【問い合わせ】
下田市役所観光交流課
℡0558(22)2211
下田市観光協会
℡0558(22)1531
おことわり
新型コロナウイルスの感染が拡大しています。当分の間、紙面でお楽しみください。
(1月1日付)
◎たび/一期一湯/大分・夷谷温泉/奇岩、景勝地の秘湯/昭和レトロ、街並み再現
大分といえば、別府や湯布院をはじめ、名湯がひしめく「温泉県」。その中にあって、県北東部に丸く突き出した国東半島の温泉は、知名度は高くないけれど、泉質の個性は決して引けをとりません。
大分空港からレンタカーで山深い半島の奥へと分け入ります。その道中で目立つのは寺の存在です。国東半島は、奈良時代から平安時代にかけて神仏習合の「六郷満山」と呼ばれる仏教文化が花開き、今でも観光名所となっている寺院が数多く点在しています。
その一つ、熊野磨崖仏に立ち寄りました。「鬼が一夜で築いた」と伝わる険しい階段を、息を切らしてのぼった先には、天然の岩壁に造立された不動明王像(約8㍍)と大日如来像(約6・8㍍)。平安時代のものとされる磨崖仏は、「おつかれさま」と、やさしくほほ笑みかけてくれているように見えました。
一汗かいたあとは温泉へ。夷耶馬と称される奇岩が連なる景勝地に湧くのが、夷谷温泉(豊後高田市)です。まさに「秘湯」とも呼べる立地ですが、周囲の里山の風景は、どこかなつかしく、ほっとします。
2014年のリニューアル時に新設された露天風呂では、湯船を囲む植栽と山の稜線をめでながらつかれます。情緒ある和風の岩風呂で、ちょうどツバキの花が咲き始めていました。日常のせわしなさをしばし忘れられる、居心地の良い湯船です。
「いい湯ですね」「そうでしょう」。居合わせた地元の男性と湯の中談議。かけ流しにされた緑褐色のにごり湯の泉質は、硫酸塩泉。硫酸イオンの濃度は県内有数です。湯上がりには「豊後高田を楽しんで!」と声をかけてもらいました。
なお、夷谷温泉は豊後高田市内に湧く他の五つの温泉とともに「くにさき六郷温泉」と呼ばれています。いずれも個性的な泉質で、温泉好きには湯めぐりも楽しみの一つです。
豊後高田は「昭和の町」の町おこしでも有名です。最も栄えていた昭和30年代の街並みを再現した商店街を散策すると、当時の面影を残すレトロな建物や看板にノスタルジーを誘われます。映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「坂道のアポロン」などのロケ地としても使われたとか。
「昭和の学校給食」のうたい文句に誘われ、学校の机と椅子が並ぶ喫茶店へ。銀色の器と先割れスプーンとともに運ばれてきた揚げパンはあつあつ、サクッ、フワッ。なつかしい味わいにほっこりしました。
高橋一喜
【交通】夷谷温泉までは、JR日豊線宇佐駅から車で約50分、大分空港から車で約60分。
【問い合わせ】豊後高田市商工観光課℡0978(25)6219
(12月10日付)
◎つり/巨大ニジマス/静岡・気田川/激闘の果ての60センチ/秘策のエサに反応
気田川(浜松市)の冬季巨大ニジマス釣りはすっかり有名となり、元日から多くの釣り人が訪れます。
3日、雪のちらつく川を魚を探しながら移動しました。小さなよどみに60㌢級がいました。口先にイクラを流しましたが、嫌がって逃げます。相当警戒心がある様子。「引っかけちまえ!」。対岸から仲間のヤジが飛びます。引っかけは、食う気のない魚の口元にかけるテクニックですが、私のスタイルに反します。魚が、がっちり食ってこそ釣り、と思っています。
何度もじらす
しかし、私には秘策があります。スーパーで買ったマグロの切り身を大きくハリにつけて、マスの定位置から少しずらして流しました。マスが一瞬反応したのを私は見逃しませんでした。2投、3投、マスの横にマグロを流して、さっと引き上げてじらします。マスはマグロを追いました。エサというよりも、異物、敵として認識しているのかもしれません。
勝負の4投目。食らい付きました。ひたすら重い。ハリにかかったことを気にしていないかのように、マスはゆっくりと動きだしました。このクラスは簡単には上がりませんから、あたりを見回し、どこで勝負するか考えます。5分、10分…マスが深場に動きだしました。ここは岩場があるので、糸が擦り切れる恐れがあり、嫌な場所です。
河原を駆ける
サオ尻をトントンと何回もたたきます。こうすると、マスに不快な振動が伝わり、走りだします。案の定、対岸の浅瀬に走りました。仲間たちが、タモを持って集まってきました。しかし、こいつはまだ弱っていない。人影をみて、マスは疾走します。サオ先がもっていかれます。私は必死に河原を駆けます。岩が多く、へたをしたら転びかねません。我を忘れて1月の川に飛び込みました。底は砂利で岩もないから走れます。寒さは感じません。マスの疾走についていきます。
「空気を吸わせろ!」。対岸から怒鳴り声。数回の疾走ののち、ようやく衰えてきたマスを浮かせます。とにかく重い。仲間がタモを構えてスタンバイ。しかし、マスは人影をみるやまた疾走。この最後のひとのしでバラしてしまう人も少なくありません。ついに浮いて動かなくなったマスはタモにおさまりました。
激闘で、すっかり息があがり、手の感覚もありません。喜びは少しあとから込みあげました。
静岡・のらぼう菜
(1月28日付)
◎つり/クロダイ/新潟・佐渡島/一晩中〝なぎさ釣り〟/サオ先の情報読む
まぶしい西日を受けながら湾岸の道を走っていると、今年も佐渡のなぎさ釣りに来たと実感します。メンバーは山形の鶴岡から私ともう1人、福島から2人の計4人。晩秋になると佐渡に通い、なぎさで一晩中サオを振る釣りキチたちです。今年は11月中旬、3日間の釣行でした。
無意識に反応
11月16日午後4時半、素浜に到着しましたが、北西の風が強くサオを出せません。波や風の状態から、松ケ崎へ移動することに。推測どおり、松ケ崎では風は弱く頃合いの波。しかし、カサゴ、キジハタ、メジナは釣れますが、本命のクロダイが釣れません。全員協議のうえ、夕食で時間を稼いでから素浜へ戻りました。夕方より波も風も弱まっており、ギリギリ釣りが可能な状態になっていました。
庄内釣法のクロダイ釣りは読みの釣りです。仕掛けを入れてサオ先から伝わる情報で潮の流れや底岩の有無を探り、釣り場全体を推理します。コマセを入れるポイント、仕掛けを入れるポイント、食わせるポイントをイメージします。
今回の釣り場は右から左へ速い流れ。投入ポイントの5㍍右にコマセを入れ、流れに合わせて左に15㍍移動する釣りにしました。でも、中途半端に波が高く潮の流れが速くなったり止まったり、イメージ通りの釣りが出来ません。時々大きな波が来て頭からしぶきを浴びながら、釣り始めて1時間後、ひったくるようなアタリで第1号が釣れました。ボーッとしていてもアタリがあると無意識のうちに体が反応しサオを振り上げ魚を掛けています。
46センチが浮いて
日付が変わった午前1時、仕掛けが2㍍も流れて止まりました。聞きを入れると魚が食い付いています。居食いは大型魚。今釣行最大の46㌢が浮いてきました。朝5時まで釣り、初日のクロダイは7尾。
ホテルは午前8時に入り、お風呂と朝食と寝床を準備してもらうイレギュラー。午後1時には起床し素浜へ。2日目は午後4時から開始。その後、私一人だけ入川へ移動しました。ここではイメージ通りの釣りができ、9時半~午前1時までにクロダイ6尾、メジナとタイ子も来ました。
今回の釣行で私のクロダイは15尾。同行の3人は5、3、3尾でした。帰りの佐渡汽船では出港のドラの音を子守歌に新潟港へ入るまで全く気付かず爆睡でした。
山形・齋藤儕
(12月24日付)