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2022年9月30日(金)

安全な中絶は人権だ

国際デー 各国でデモ

 28日は安全な人工妊娠中絶を選ぶ権利を保障するよう求める「国際セーフ・アボーション(安全な中絶)デー」でした。欧米各国をはじめ、世界中で統一行動がありました。(日本の行動)

権利守ろうの声上げて

欧州

 欧州では中絶への反発が広がる国がある一方で、各国の市民や機関がリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を守ろうと呼び掛けました。

 イタリアでは首都ローマをはじめ各地で「自分の身体のことは自分で決める」と書かれた横断幕を掲げ、数千人の市民が行進しました。次期首相とされる極右政党「イタリアの同胞」(FDI)のメローニ党首が中絶の権利に否定的なことに抗議の声も上がりました。

 フランス外務省は、中絶の権利は「女性の健康と生命、自由とジェンダー平等を達成するために不可欠だ」と強調する声明を発表しました。同国では今年から26歳以下は緊急避妊薬、妊娠に関する医療機関での受診が無料になっています。

 中絶が事実上違法化されているポーランドでは、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」ポーランドのブワシュチャク事務局長が、中絶できず死亡した妊婦の事例や、性暴力を受けたウクライナ難民へのケアが妨げられていると訴えました。「中絶資金への寄付やデモ参加、安全な中絶の必要性を伝えるなど、一人ひとりが果たせる役割がある」と述べました。

 欧州評議会のミヤトビッチ人権担当委員は、貧困層の女性や障がい者、移民、LGBTなど性的少数者の中絶の権利がないがしろにされる傾向にあり「多様な人々の要求を考慮することが大切だ」と呼び掛けました。

合法化求める声に連帯

米国

写真

(写真)28日、米東部フィラデルフィアで「中絶は人権だ」「全国で中絶合法化を」と声を上げる参加者(石黒みずほ撮影)

 【フィラデルフィア(米東部ペンシルベニア州)=石黒みずほ】米東部フィラデルフィアでは、中絶合法化を求め市民がデモを繰り広げました。参加者は「中絶は人権だ」などと声を上げました。

 市役所前に集まった約30人の参加者は、中絶合法化のシンボルカラーの緑を身につけ、「全国で中絶合法化を今こそ!」などと書かれたプラカードや旗を持ってアピール。車から拳を上げる人、クラクションを鳴らして連帯を示す人が後を絶ちませんでした。

 米国では、6月に最高裁が中絶を憲法上の権利とした「ロー対ウェイド判決」を覆したことに、各地で抗議が起きています。

 集会で発言したミリアム・アップファイマーさん(55)は、10代の時に避妊具を使用したにもかかわらず妊娠し、「学校へ行けなくなることやお金のことを考えると恐ろしかった」と告白。「中絶は必要な医療であり、合法とするだけでなく安全でなければならない」と訴えました。

 参加したボニー・ロファーさん(26)は「安全な中絶ができず、今も女性たちが命を落としている。日々行動を起こし、私たちはたたかうぞということを権力者たちに示したい」と話しました。

 運動団体「中絶の権利のため蜂起を」が呼び掛けた全国行動の一環で、西部ロサンゼルス、中西部シカゴ、シンシナティなどでも取り組まれました。


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