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2022年5月4日(水)

2022憲法大集会

市民 決意

 3日、東京都江東区内で開かれた「改憲発議許さない! 守ろう平和といのちとくらし 2022憲法大集会」では、各界の市民らが憲法からみた日本の現状と課題についてスピーチしました。要旨を紹介します。

主催者あいさつ 戦争否定こそ必要

5・3憲法集会実行委 藤本泰成さん

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 ロシアの行為が、武力による威嚇・行使を禁じた国連憲章に違反することは間違いなく、絶対に許せません。これ以上、市民の犠牲を出すな、即時撤退せよの声をあげましょう。

 敵基地攻撃能力や核兵器を保有すれば国民の命が守れるのか。圧倒的な軍事力の保有は国民の生活を圧迫し、他国の脅威とされ、結局、地域の平和は壊れていきます。ウクライナの現実は、憲法9条の絶対的戦争否定の思想がいま本当に必要なことを示しています。

 戦争で犠牲になったすべての人に思いをはせ、憲法の意義を問い直していきましょう。

9条は最大の危機

改憲問題対策法律家6団体連絡会事務局長 大江京子さん

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 憲法9条は戦後最大の危機です。自民党や岸田首相は、9条の「専守防衛」の原理さえ捨て去り、名実とも戦争できる国に変えようとしています。

 「敵基地攻撃能力保有」は全面戦争を呼び込み、国民の命を守れません。軍事同盟や軍事力による「抑止力」は軍拡の応酬と相互不信を広げるだけです。安全保障環境の悪化といいますが、原因と脅威をなくす議論が欠けています。中国と対話もしない日本政府に語る資格はありません。

 政府によって二度と戦争の惨禍を起こさせないと定めた憲法を今こそつかみとり改憲を阻止しましょう。

女性の声響かせて

フリーライター 小川たまかさん

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 「外交や経済の方がジェンダーより大事」という人がいます。しかし、社会的性差(ジェンダー)を乗り越えなければ外交や経済を語る土俵には上がれません。

 憲法14条には、国民は、人種、信条、性別、社会的身分、または門地で差別されないとしています。これを守ることは常にたたかいでもあります。

 声を上げたたかれる女性を見て、口をつぐむ女性がたくさんいます。女性のみなさん。前に出てしゃべりましょう。私たちの声を響かせましょう。それが憲法14条の理念を守ることです。

「治外法権」許すな

琉球大学名誉教授 高嶋伸欣さん

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 沖縄は今年、本土復帰50年です。復帰前はアメリカの軍事支配下で憲法も適用されない、いわば人間扱いされない20年間でした。沖縄の人々は無権利状態から声を上げ続け憲法の適用と復帰を認めさせたのです。

 本土でも、羽田空港への離発着の際に米軍の横田空域を避けなければならないなど、日米地位協定が憲法よりも上に位置づけられている現実があります。明治時代の治外法権と同じようなものです。

 沖縄の復帰は、沖縄の人たちが声をあげることで実現しました。このことに改めて注目し、私たちも声をあげていきましょう。

暮らしを守る9条

ジャーナリスト 和光大学名誉教授 竹信三恵子さん

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 戦前の日本は、日清戦争以降ほぼ10年おきに戦争をしています。その中で、軍事費が国家予算の7、8割を占めるようになっていました。憲法9条は不戦の誓いであると同時に、国のお金を軍事ではなく、社会保障など私たちの生活のために使う仕組みなのです。

 それがいま崩されています。非正規雇用の増加などで社会保障が機能せず命を落とす人がいるのに、自民党の安保提言では軍事費をGDP(国内総生産)の2%まで引き上げるといっています。

 私たちの生活を考えるからこそ、9条をなくしてはいけないのです。

ウクライナ特別アピール ロシアの侵略・改憲論に抗議

5・3憲法集会実行委 菱山南帆子さん

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 5・3憲法集会実行委員会の菱山南帆子さんはウクライナ特別アピールを読み上げ、参加者の拍手で採択されました。

 アピールは、ロシアのウクライナ侵略は、武力による威嚇・行使を禁じた国連憲章違反であり、直ちに撤退すべきだと強調。これに便乗した改憲、「核共有」論は「日本を際限のない軍拡競争に引きずりこみ、壊滅的な戦争の勃発を招きかねない」と批判しました。

 「この道は日本がかつて歩んだ道だ」と指摘。「憲法9条を掲げ世界の市民とともに平和をつくり出すたたかいに全力を挙げて取り組む」と宣言しています。

連帯あいさつ 多数は改憲望まず

市民連合・上智大学国際教養学部教授 中野晃一さん

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 朝日新聞の世論調査で「あなたにとって一番優先すべき政治課題は」との問いで「憲法」は2%しかいません。ほかの選択肢の中で景気、福祉、教育・子育てを合わせると68%です。改憲を多くの人は望んでいません。

 政府が旗を振り「抑止」一辺倒ですが、軍拡競争になります。「安心供与」が「抑止」とセットでないと抑止が効きません。「安心供与」をやらない政治こそが米国の盾にされてしまうかもしれない。9条を守って「安心供与」をやって初めて安全保障政策として成立することも合わせて伝えていきたい。まずは参院選からです。

行動提起 署名を広げて審判

5・3憲法集会実行委 米山淳子さん

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 自民党は憲法の平和原則と専守防衛の原則を投げ捨て、戦争する国への道をひた走る安保提言をまとめ、改憲に前のめりです。

 憲法をめぐるたたかいは、国会とともに、草の根からのたたかいが正念場となっています。

 戦争か平和かが問われるなか、「憲法改悪を許さない全国署名」を地域や職場で大きく広げ、憲法を守る私たちの声を国会に届けていきましょう。

 7月は参院選です。

 市民と野党の共闘で改憲勢力に審判を下し、「憲法改悪は許さない」の声を大きく増やしていきましょう。


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