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2022年3月22日(火)

日米共同訓練446日 コロナで大幅減

20年度 対中国は増加

グラフ

 自衛隊と米軍が2020年度に実施した共同訓練・演習(日米双方が参加した多国間共同訓練を含む)が少なくとも67回、延べ446日に達したことが分かりました。新型コロナウイルス感染拡大などによって訓練日数が19年度比で約3分の1に減少しました。一方、沖縄県や南シナ海で対中国を想定した訓練が増加しています。

 本紙が、防衛省への情報公開請求で入手した資料をもとに集計しました。延べ日数の内訳は統合幕僚監部(統幕)が18日、陸上自衛隊が36日、海上自衛隊が274日、航空自衛隊が118日で、いずれも19年度より減少しました。統幕によると、新型コロナ拡大によって「多国間共同訓練コブラ・ゴールド21」が延期。訓練回数の減少について陸自は、新型コロナは「要因の一つ」であり、「さまざまな状況を踏まえ、相手国と調整した」ためだとしました。

 一方、隔年で行われる日米共同統合実動演習「キーン・ソード」は20年10月26日~11月5日にかけて予定通り行われ、米軍と自衛隊合わせて4万6000人が参加。中国を想定し、強襲上陸作戦やミサイル攻撃を行う拠点をつくるなど、全国で大規模な演習が行われました。

 また、空自は訓練回数でみれば19年度比で倍増しました。増加が顕著なのは、対中国を想定した訓練です。沖縄県周辺や東シナ海の空域で、空自は、核兵器搭載可能な戦略爆撃機B52との共同訓練を少なくとも3回実施し、戦略爆撃機B1との訓練は少なくとも10回行いました。戦略爆撃機は相手国の軍事施設や産業拠点を直接爆撃するものです。

 自衛隊の護衛艦に米軍機が発着艦する訓練も目立ちます。海自の護衛艦と米陸軍ヘリUH60が発着艦訓練を少なくとも3回実施しました。「キーン・ソード」では、米空軍CV22オスプレイが海自の護衛艦「かが」に初めて着艦。CV22には山崎幸二統幕長とケビン・シュナイダー在日米軍司令官が搭乗し、「空母化」が狙われている「かが」の甲板で会見し、強固な日米関係をアピールしました。

 “日本版海兵隊”といわれる陸自の「水陸機動団」と、海外への“殴り込み”の先頭に立つ第31海兵遠征隊(31MEU)が共同訓練を実施。新型コロナウイルスの感染が拡大し、沖縄県で緊急事態宣言が出ているにもかかわらず、同県金武町のブルービーチや中部訓練場などでヘリボーン降下訓練などを強行しました。米海兵隊のように、水陸機動団が海外侵攻能力を高めています。

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