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2022年2月26日(土)

主張

ウクライナ侵略

平和の秩序崩す無法を許すな

 ロシアが隣国ウクライナへの侵略に踏み切り、多くの人命が奪われています。他国の主権、領土を侵す野蛮な行為です。国連憲章に基づく平和の国際秩序そのものを根底から突き崩すものです。グテレス国連事務総長も「近年で最も深刻な世界平和と安全保障の危機」と表明しました。ロシアはただちに侵略をやめ、軍をウクライナ領内から撤退させなければなりません。ウクライナ侵略反対の一点で世界が結束して立ち上がることこそ暴挙を阻む最大の力です。

ロシアの行動に道理なし

 国連憲章は2度の大戦の教訓の上に他国への侵略を禁じ、紛争の平和的解決を加盟国に義務づけました。プーチン大統領は中世以来の歴史的な関係を挙げてロシアとウクライナの「一体性」を主張し、同国の主権を事実上認めない立場を繰り返しています。また、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止するとも表明しています。軍事同盟であるNATOの拡大は大きな問題ですが、いずれも侵略を正当化する理由になりません。

 ウクライナはロシアとともにソ連を構成する国の一つでしたが1991年に独立しました。同国の針路を決めるのはウクライナ国民自身です。

 国連安全保障理事会ではキマニ・ケニア大使が、アフリカの痛苦の歴史に触れつつプーチン大統領の主張に反論しました。

 アフリカを分割し植民地支配した帝国主義の国々は民族の一体性を無視して国境線を引きました。

 キマニ大使は、アフリカ諸国が領土をめぐって「何十年も血にまみれた戦争を続ける」ことのないよう、独立後あえて植民地時代の国境を受け継ぎ「未来を選択した」と述べました。歴史や民族の一体性を理由に軍事侵攻がまかり通れば切り取り勝手の無秩序な世界になってしまいます。

 プーチン大統領は、ウクライナ東部地域の「要請」を受けて国連憲章51条に基づいて行った「集団的自衛」だとしていますが、他国の地域の「独立」を一方的に承認して派兵することに何の道理もありません。

 同氏が演説で「ロシアは今日、世界で最も強力な核保有国の一つである」と述べ、ロシアへの攻撃に核兵器で対応する姿勢を示したことは特別に重大です。核兵器の先制使用も辞さないという最悪の威嚇です。ウクライナはソ連時代に配備された核兵器を独立後に放棄し非核化を宣言しました。核兵器禁止条約の発効から1年以上がたちます。プーチン発言は、核兵器のない世界をめざす流れに対する真っ向からの挑戦です。

侵略反対の声で包囲を

 中国の王毅(おう・き)外相はロシアのラブロフ外相との電話会談で「ロシアの安全保障上の合理的な懸念を理解する」と述べました。ロシアの立場に理解を示し、容認することは侵略を正当化するものです。

 ウクライナ侵略に反対する声は世界に広がっています。ロシア国内でも弾圧に屈せず戦争反対のデモが起きています。何よりも重要なのは世界で声を上げ、プーチン政権を包囲することです。

 日本共産党は、米国のベトナム侵略にも、ソ連の覇権主義にも反対してたたかいました、ウクライナ侵略反対の世論と運動を広げるために全力を尽くします。


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