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2022年2月20日(日)

自民京都府連の組織的買収疑惑

国政選挙の直前に府議に50万円分配

「金の流れ事実」 衆院3期元議員が証言

 自民党京都府連(西田昌司会長)が国政選挙前に候補者から集めた資金を府議会議員らに配ったとされる問題をめぐり、元自民党衆院議員の安藤裕(ひろし)氏が自身のネット動画配信で選挙直前に250万円から300万円を府連に寄付していたと証言しました。安藤氏は、2021年10月まで京都6区を地盤に衆院議員3期を務めていました。(丹田智之)


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 動画で安藤氏は、初当選した12年の衆院選の直前に250万円を府連に寄付したと証言。当時は自身の選挙区内に自民党所属の府議が5人いたため、府連が5人に50万円ずつ分配するために250万円を寄付することになったと明かしました。

 さらに14年の衆院選からは、選挙区内の府議が6人になったため、300万円を寄付したといいます。

 『文芸春秋』3月号によると、府連の内部文書に「マネーロンダリング(資金洗浄)」との記述があり、組織的に「選挙買収」が行われていた疑いがあるとされます。

 動画で安藤氏は、合法だとしつつ「府連に振り込むという形で寄付をして、そのあと府連から地方議員の方たちに渡る。そういう金の流れがあったのは事実です」と認めています。

 安藤氏は、府連に多額の寄付をした時期が衆院選の直前だったことから「買収と思われる懸念は確かにありました」と振り返っています。さらに「合法だという説明を受けたし、先輩議員たちもずっとやってきている。それで言われる通りにした」と続けました。

 神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン共同代表)は「内部文書と収支報告書は、国政選挙の直前に各候補者の選挙区支部などから多額の資金が府連に支出されていた事実を裏付けています。府議らに配るために府連が“トンネル”になったのは明らかで、『党勢拡大のため』という説明は通用しません。選挙買収の疑いは濃厚です。税金が原資の政党助成金が流れた可能性もあり、徹底的に真相を解明する必要がある」と話しています。

 本紙の取材に安藤氏は「(事実関係は)動画で話した通りです」としています。


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