しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年2月5日(土)

“奪われた尊厳回復を”

ビキニ損失補償 5人が追加提訴

高知地裁

 マグロ漁船員ら14人が米国の国際法上違法な核実験にからんで国を被告に起こしたビキニ損失補償裁判(高知地裁)で、新たに5人が4日までに追加提訴しました。5人は、高知県の室戸市、宿毛市、土佐清水市に住む元漁船員・遺族です。

 米国は、1954年に太平洋・ビキニ環礁で6回も違法な核実験を繰り返しました。同核実験の総核威力は、48・31メガトンにもなり、広島型原爆が8年9カ月余にわたり毎日爆発するのと同じ規模です。第五福竜丸をはじめ多くの日本の漁船が被災し、ヒロシマ、ナガサキに続く史上3度目の核被災事件です。

 訴状では、55年1月、被告(国)が米国から200万ドルを受け取り、米国の法的責任を不問にする政治決着をおこない、第五福竜丸を除く、のべ1000隻のマグロ被災漁船と1万数千人の被災漁船員の健康被害にたいする救済措置を講じなかったと指摘。被災漁船員は、違法な核実験によって被ばくしたもので、損害賠償請求の道ばかりか、一切の法的救済を否定され続けてきたとしています。

 訴状は、この裁判で原告らが求めるものについて、「究極的には、被ばくにより奪われた被災船員の人間としての尊厳の回復であり、ビキニ事件を全面的に解決すること」だと強調。被告(国)にたいし、憲法29条3項に基づく「正当な補償」の支払いを求めています。


pageup