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2021年12月11日(土)

主張

衆参代表質問

国民の声届く政治へ転換急務

 岸田文雄首相の所信表明演説への各党代表質問が衆参本会議で行われました。日本共産党は志位和夫委員長が衆院で、田村智子副委員長が参院で質問し、コロナ禍から国民を守る対策をはじめ焦点課題で解決の道を提起し、認識をただしました。ところが首相はことごとく答えません。国民が切実な声を上げている問題に真剣に向き合わない姿勢は重大です。

苦しむ人々への支援こそ

 コロナのオミクロン株への対応では医療崩壊を招いたデルタ株での失敗への反省が必要です。医療機関に病床確保を要請しながら、病床削減を進める矛盾した政策は改めるべきです。志位氏は病床削減計画を中止し、病床抜本拡充にかじを切るよう求めましたが、首相は削減をやめようとしません。

 ワクチン接種では、国内の3回目接種の思い切った前倒しとともに、富裕国と貧困国の格差解消に取り組むことが重要です。志位氏は途上国に十分供給するため、ワクチンの知的財産権の保護義務を一時免除する世界各国の提案を政府として支持することを求めました。しかし、首相は支持を明言しませんでした。

 補正予算案は、コロナで疲弊した国民を苦境から救うにはほど遠い中身です。住民税非課税世帯に限定した現金給付案は、東京23区だと年収100万~200万円のワーキングプアの人は対象外です。事業者向けの「復活支援金」は規模が小さい上、打撃を受けた1月~10月の売り上げ減は対象にしません。看護師、介護士、保育士などの賃上げも1桁違うと現場からの批判が出ています。

 一方、世界最大手の台湾の半導体製造企業誘致に4000億円の補助金をつぎ込み、軍事費も補正予算としては過去最大の7738億円を計上しました。「大企業と軍事費への異常な大盤振る舞いをやめ、コロナで苦しむ国民の暮らしにあてるべきだ」。志位氏の追及に首相は応じません。消費税5%減税も拒否しました。国民に冷たい首相の立場は一層鮮明です。

 気候危機について首相は石炭火力発電の新増設に固執し、核兵器禁止条約では締約国会議にオブザーバー参加もしないことを繰り返しました。世界の流れに逆らう態度を改めないことは大問題です。

 沖縄県の辺野古米軍新基地建設では、県が求めている軟弱地盤最深部の調査をしないことを首相は正当化しました。「敵基地攻撃能力の保有」の検討も「憲法の範囲内」と居直りました。9条を守り生かす政治への切り替えが急務です。

 田村副委員長は日本学術会議の人事介入撤回を求めましたが、首相は拒みました。「森友」「加計」「桜を見る会」など国政私物化疑惑にも無反省です。「聞く耳」を持たない強権政治を終わらせることが不可欠です。

願い実現する世論を広げ

 選択的夫婦別姓について志位氏は、自民党内でも反対を表明しているのは3割足らずであることを挙げ、首相が実現に指導力を発揮すること、党議拘束を外し改正案を採択することを提起しました。しかし首相は「引き続き議論」というばかりです。政治の姿勢を変えればすぐに実現できる課題を先送りすることは許されません。

 岸田政権を厳しく追及し、世論と運動で包囲し、新しい政治へ転換することが重要です。


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