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2021年11月16日(火)

主張

COPと岸田政権

1.5度目標達成へ姿勢を改めよ

 英国で開かれていた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は成果文書「グラスゴー気候合意」を採択して閉幕しました。世界の気温上昇を産業革命前と比べて「1・5度に抑える努力を追求する」と明記しました。二酸化炭素(CO2)を大量に出す石炭火力発電については表現が当初案の「段階的廃止」から後退したものの「段階的削減」となりました。日本政府は2030年以降も石炭火力を使う姿勢を示し批判を浴びました。CO2排出世界5位の日本が脱炭素に責任を果たさないことは許されません。

石炭火力依存は通用せず

 15年に採択された地球温暖化対策の「パリ協定」は世界の気温上昇を「2度より十分低く抑える」ことを掲げ、1・5度以内に抑制することを努力目標としていました。1・5度目標達成のためには30年までに温室効果ガスの排出を半減し、50年までに実質ゼロにする必要があります。会議の期間中に目標を引き上げた国もありました。各国の今後の具体的行動が決定的です。

 岸田文雄首相は、アジアの排出ゼロに向けて「日本が強いリーダーシップを発揮する」と言ってCOP26の首脳級会合に出席しましたが、かえって立ち遅れを際立たせました。もともと日本の排出削減目標は30年度に10年度比42%減と、世界平均を下回っています。

 岸田首相は演説で、排出削減目標の上積みを表明せず、石炭火力については国内での削減、廃止に言及しませんでした。会議前に発表した第6次エネルギー基本計画は、30年度の発電量の19%を石炭火力に依存するとしており、石炭火力発電所を九つ新増設する計画です。首相はアジアで石炭火力事業を展開するとも述べました。長期にわたってCO2を大量に排出し続けることになります。

 会議中、46カ国・地域が、先進国は30年代、それ以外の国は40年代に石炭火力を全廃するとした声明を発表しました。日本は米国、中国とともに不参加でした。声明には英仏独、欧州連合(EU)のほか日本が石炭火力事業を支援するベトナムも加わりました。石炭火力に依存し続けることはもはや通用しません。

 グラスゴー気候合意は今後10年間が「決定的」だとし、各国に「加速した行動」を求めました。残された時間はきわめて限られています。

 条約の事務局は、これまでに各国が提出した温室効果ガスの排出削減目標をすべて達成しても世界の気温が今世紀末までに2・7度上昇すると警告していました。今回の合意は、1・5度以内の方が気候変動の影響が「はるかに小さい」と指摘しました。その上で各国に30年までの排出削減目標を22年末までに再検討し強化するよう求めたことは重要です。

ただちに具体的行動を

 日本ではエネルギー消費を4割減らし、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば30年度までにCO2を10年度比で50~60%削減することができます。50年に向けて、ガス火力なども再生可能エネルギーに置き換えれば実質ゼロは可能です。(「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」)

 日本はただちに具体的行動を開始すべきです。削減目標の引き上げや石炭火力の廃止に踏み出すことに一刻の猶予もなりません。


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