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2021年10月4日(月)

自由守る決意新た

学術会議任命拒否1年で座談会 学者・文化人ら

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(写真)ライブ&オンライン座談会で発言する(左から)佐藤学、加藤陽子、田中優子、広渡清吾、温又柔の各氏=2日、東京都渋谷区

 日本学術会議会員候補の速やかな任命を求めて学者・文化人らが4月に結成した「学問と表現の自由を守る会」は2日、第1回座談会を東京・渋谷で開き、「あれから1年、私たちの自由は? そして社会は?」と題して語り合いました。

 登壇者は、任命拒否された6人のうちの1人である加藤陽子東京大学教授のほか、田中優子法政大学前総長、広渡清吾学術会議元会長、作家の温又柔(おん・ゆうじゅう)氏で、司会を佐藤学東京大学名誉教授が務めました。

 加藤氏は昨年9月29日に学術会議事務局から任命拒否の知らせを受けた1年前を振り返り、同会議の歴史の中で初めて任命を拒否した菅義偉首相の行いに対し、なかなか大事になってしまうのではないか、と感じたと述べました。翌月1日の「しんぶん赤旗」のスクープに報道各社が続き、1日夜の時点で問題の本質を「われわれの側が流せた」のは、政権にとって痛手だったのではないかと分析しました。

 田中氏は法政大学出身の菅首相による任命拒否は「総長として非常に恥ずかしかった」と述べ、いち早く批判声明を出した経緯を説明。学問は政府から自由であってこそ発展すると強調しました。

 広渡氏は「忖度(そんたく)」に相当する独語は「先取り的服従」で、これが全国民に広がったのがナチズムだと説いたドイツの政治学者の分析を紹介。任命拒否を「決して見逃してはならない」と強調しました。

 温氏は不自由になりつつある日本社会に「ヒリヒリした怖さ」を感じたと語り、不自由な方向に加担せず自由に「心ある選択」を重ねていく決意を述べました。

 座談会はチューズライフ・プロジェクトがライブ配信。ユーチューブでいつでも視聴可能です。


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