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2021年9月21日(火)

沖縄連帯 世界に勇気

反戦NPO団体ワールド・ビヨンド・ウォー日本支部長 ジョセフ・エサティエさんに聞く

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(写真)辺野古基地反対を訴えるジョセフ・エサティエ氏

 安倍・菅自公政権が強権的に推し進める沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設。玉城デニー沖縄県知事は1月、就任直後のバイデン米大統領に同基地建設をやめるよう求める書簡を送りました。その書簡を紹介して賛同を求める署名を集め、世界に辺野古基地反対の世論を広げるキャンペーンを展開する国際的な平和団体があります。米バージニア州に拠点を置き、戦争のもたらす非人道性や環境破壊などについて告発する反戦NPO団体「ワールド・ビヨンド・ウォー」(WBW)です。

 8月6日から始めた署名は4000人を超えています。沖縄で抗議行動に参加した経験のあるWBW日本支部長のジョセフ・エサティエ名古屋工業大学准教授は「沖縄の辺野古基地反対の座り込みに玉城デニー知事が訪れ、市民と一緒に基地建設に抗議し、建設を止めるために共にたたかっていることに感銘を受けた」と言います。

 署名は、沖縄の人々を代表する玉城知事に世界は沖縄と共にあると連帯を示すために始めたもの。エサティエさんは「県民投票を行い、70%が反対の民意を示し、圧政に抵抗している。まさに民主主義が沖縄では生きている。沖縄の人々は、あきらめなければいつか勝つと心から信じている。沖縄に連帯することは、米軍の基地被害や、悪政に苦しむ世界の人々を勇気づけることにもつながる」と強調します。

沖縄への植民地的行為

米本土では許されぬ汚染水放出

 WBWは、沖縄県知事が米大統領に直接新基地建設をやめるようメッセージを送らねばならない状況を日米両政府は深刻に受け止めるべきだと主張。ホワイトハウスと日本大使館の前でデニー氏の書簡を読み上げる抗議行動を行っています。

 エサティエさんは、米軍基地周辺から消火泡剤などに使われる有機フッ素化合物(PFAS)などを含む高濃度の汚染物質が相次いで検出されている問題にも強い憤りを示しています。先月26日、宜野湾市の普天間基地から米軍側が一方的に下水道に汚染水を放出。今月10日、市が下水を調査した結果、PFASの一種PFOSとPFOAの合算値が国の基準値の13・4倍の670ナノグラム検出されました。

 エサティエさんは、米国では兵士や家族からPFASによる健康被害が相次いで報告され、少量でも発がん性があり、生殖機能などに深刻な健康被害を与えることが知られるようになり、基地周辺地域で学習会が開かれるなど危険性への認識は高まっていると話します。

 PFASは“永遠の化学物質”とも呼ばれ、いったん排出されると取り除くことができない非常に危険な物質です。米国の環境保護局は安全値を70ナノグラム以下としていますが、バーモント州は五つのPFASの種類を合算して20以下と定め、中でもカリフォルニア州ではPFASの種類に含まれるPFOSは1ナノグラム以下、PFOAは0・007ナノグラム以下を目標とするなど、州独自でより厳しい規制を設ける動きが広まっています。

 地元の合意なき汚染水の放出についてエサティエさんは「米本土ではこんなことは許されない。沖縄への差別的で、植民地的な米軍の行為を許している日米地位協定を改定しなければならない」と訴えます。

 (石橋さくら)


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