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2021年6月22日(火)

通常国会 共闘・世論が政治動かす(4)

改憲策動を許さない

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(写真)議員団総会であいさつする志位和夫委員長=16日、参院議員会館

 「自民党が『改憲4項目』の議論を憲法審査会に持ち込もうとして以来3年間、今国会を含めて9国会にわたって、改憲案づくりの議論を許さなかった」「これは3000万人署名運動をはじめ、『安倍・菅改憲反対』を掲げた市民と野党の共闘の重要な成果だ」。日本共産党の志位和夫委員長は16日の党国会議員団総会のあいさつで、こう強調しました。

自民の思惑外れ

 安倍晋三前首相が9条改憲に踏み込んで“改憲宣言”を行ったのが2017年5月3日。翌18年には自民党が「改憲4項目」をまとめ、憲法審査会に持ち込もうとします。しかし、市民の中からは「安倍改憲を許さない」という声が草の根からわき上がり、安倍9条改憲に反対する3000万人署名が急速に広がりました。以来、安保法制廃止を求める市民と野党の共闘は、「安倍改憲反対」の共闘へと発展していきます。

 こうしたなか、政府・与党は、憲法審査会を動かすため、国民投票法の改定を野党に呼びかけます。これに対し、日本共産党の赤嶺政賢議員が「改定案は、憲法審査会を動かすための“呼び水”だ」と喝破。これによって、立憲民主党など他の野党は、共同提出を呼びかける与党の提案には乗らず、与党だけで改定案を提出せざるをえなくなったのです。こうして自民党の思惑は完全に外れました。

 一方で、自民党は国民投票法改定案を提出した手前、これを処理しなければ次に進めないジレンマに陥ります。改定案が改憲議論の“足かせ”となったのです。

総選挙で決着を

 安倍氏は辞任会見で「国民的世論が盛り上がらなかった」と改憲策動の破綻を認め、退陣しました。ところが、菅義偉首相は「安倍改憲」に固執し、総選挙前に何とか“足かせ”を外そうと、今国会での改定国民投票法の成立をはかります。しかし、法案審議によってCM規制や最低投票率の問題など、現行国民投票法の根本的な欠陥が再び焦点として浮上し、“トゲ”のように突き刺さったままです。

 菅政権からは、新型コロナウイルス感染症拡大のさなか、「緊急事態条項」を突破口にして改憲論議を進めようとする言動がでています。しかし、この動きに対しても、立民の枝野幸男代表は15日の衆院本会議で「憲法に対する無知蒙昧(もうまい)ぶりを示すのみならず、多くの方が命を落とし、苦しむ中で不謹慎の極みだ」と痛烈に批判しました。

 志位氏は党国会議員団総会のあいさつで、政府・与党の改憲策動とのたたかいの経過にふれつつ、「『安倍・菅改憲を許さない』―この点では、野党の共闘は揺らいでいない」と強調。「この3年間のたたかいに確信をもって、総選挙で決着をつける―。総選挙で改憲策動に終止符を打つ審判を下すために意気高く奮闘しよう」と呼びかけました。(つづく)


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