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2019年11月22日(金)

関税下げに“仕掛け”

日米貿易協定 井上氏質問で露呈

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(写真)質問する井上哲士議員=21日、参院外防委

 日本共産党の井上哲士議員は21日の参院外交防衛委員会で質問し、審議の前提に必要な資料を国会に示さないまま日米貿易協定をすすめようとする政府の姿勢をただしました。井上氏の質疑から、同協定に、米国産農産品の関税引き下げを招く仕掛けが盛り込まれていることが浮き彫りになりました。

 日米貿易協定では、日本製自動車にかかわる関税の扱いが「関税撤廃に関するさらなる交渉次第」と書かれています。政府は衆院での同協定にかかわる審議で、自動車を除いた自由化率の試算を示してきませんでした。

 「合意は(自動車・自動車部品の)関税撤廃が前提だ」と語り「合意内容に反する数字は示せない」と語った渋谷和久政策調整統括官に対し、井上氏は「交渉が妥結するまでは現行の関税が適用されるというのが合意内容だ」と指摘。政府として責任を持った試算を示すよう求めました。

 政府は関税撤廃に関する今後の交渉の対象に農業は想定していないと述べています。一方、日米貿易協定の付属書には、「米国は将来の交渉において農産品に関する特恵的な待遇を追求する」と明記されています。

 井上氏は、日米貿易協定にかかわる日米共同声明が「協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動はとらない」としていることを指摘。米国が「農産物に関する特恵的な待遇」の交渉を求め、日本が応じなかった場合、「誠実に履行していない」と判断し、「日本側に一方的な自動車関税引き上げの脅しをかけるのではないか。そうなれば、農業の関税撤廃交渉に応じるしかなくなるのではないか」とただしました。

 「そのようなことはない」と楽観的な見通しを繰り返す茂木氏。井上氏は、「こんな仕掛けがもうけられた協定は認められない」と主張しました。


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