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日本共産党創立101周年(1922~2023)に寄せて

 日本共産党は、15日で創立101年を迎えます。日本の平和と自由、民主主義のため開拓と苦闘を重ねた101年でした。各界の方に談話を寄せていただきました。

#岡野八代さん #アルテイシアさん #纐纈厚さん #金谷雅史さん #二見伸明さん #浜矩子さん #五野井郁夫さん #スガナミユウさん #萩原伸次郎さん #池田香代子さん


[写真]同志社大学教授・岡野八代さん

世紀超えた一歩に敬意

同志社大学教授 岡野八代さん

 人間にとって1世紀という長さは、世代を超えてつながることでようやく持続する時間です。日本共産党が世紀を超え、新しい一歩を踏み出された記念すべき年を迎えられることへのお祝いの気持ちをこめて、メッセージをお送りします。

 日本の政党のなかで唯一、戦前より活動を始め、数々の弾圧を乗り越え、その活動が継続されてきたことに、心より敬意を表します。その歩みは、時に重く、数々の犠牲のうえに持続されてきたものであろうことも、想像に難くありません。

 他方で、わたしが出会う党関係者の皆さんは、世界と時代に学び、つねに笑顔で声をかけてくださる方々です。みなさんの日々の活動は、日本社会を生きる喜びに満ちた社会へと変革しようとする挑戦です。

 その挑戦は、古代の哲学者が人間の本質だと考えた、政治的動物(ゾーン・ポリティコン)としての活動です。だからこそ、世代を超え、多くのひとが党の周りに結集したのでしょう。

 21世紀、人間の本質とはなにかが大きく問われています。皆さんと共に、わたし自身も、人間とはなにかという大きな問いに向き合っていきたい。新たな世紀、新しい活動へと大きく飛躍されますことを祈念しています。(寄稿)
(2023年7月14日)


[写真]作家・アルテイシアさん

ジェンダー平等で一番

作家 アルテイシアさん

 日本共産党は一番ジェンダー平等に取り組んでる政党ですよね。国会論戦で性暴力の問題や生理の貧困を、党書記局長である小池晃さんが取り上げるのをみて、ジェンダー平等を共産党がいかに重視しているかが伝わります。

 地元の神戸市や兵庫県でも、痴漢撲滅アクションや生理の貧困、包括的性教育など、ジェンダー問題に共産党の議員さんが一番取り組んでいます。そのことをもっと無党派層にも知ってほしいですね。

 私の周りで選挙ボランティアや、JCPサポーターに加わった子は、ジェンダー平等がきっかけになった人が多い。「ジェンダー平等を進めるために何ができるか、と考えたときに日本共産党が政党として一番信頼できるから、ボランティアをやっています」と話す人もいます。ジェンダーが政治参加の入り口になっていますね。

 フェミニストと日本共産党の歴史は似ています。女性参政権を求めて運動した英国の女性たち「サフラジェット」は逮捕され、拷問されました。

 私は、女性の権利や自由のためにたたかってきたフェミニストの先輩たちがいるからここにいて、次の世代にバトンをつなぎたいと思っています。同じように共産党も反戦・平和を貫き、人権を守れと、戦前からたたかってきた先輩がいます。そのバトンがもっとつながってほしい。党ができて101年、今後の100年もつながってほしい。
(2023年7月14日)


[写真]山口大学名誉教授・纐纈厚さん

反戦平和のとりでたれ

山口大学名誉教授 纐纈厚さん

 1922年の結党以来、数多くの犠牲を強いられながらも、軍国主義と侵略戦争に断固立ち向かってきた唯一の政党が日本共産党です。平和憲法をないがしろにし、「新しい戦前」へと向かおうとする戦後日本政治のもとで、一貫して平和憲法を守り、国民に寄り添い、多くの民衆とともに歩んできました。

 日本共産党の1世紀の歴史は、近代日本の100年を映し出す鏡です。日本共産党の苦闘と犠牲は、国民が強いられた苦闘と犠牲ではないかと思います。

 革新政党と評される政党は数多く存在しましたが、離合集散を繰り返して国民の信頼を裏切ってきました。日本共産党は、不動の精神と綱領のもと、厚い信頼を築き上げてきた稀有(けう)な政党です。

 日本共産党が前面に立って再び、「新しい戦前」に数多くの国民とともに立ち向かう状況です。反戦平和運動を起こす大きなとりでになってほしい。本当の意味での平和と民主主義を日本に創り出す政党としての発展を願います。

 「戦争をする国」へと向かう日本を、戦後世界に向けて誓った「平和国家日本」に立ち戻らせるために野党共闘、あるいは護憲共闘の実現が求められます。ブレることなく護憲の立ち位置を厳守し、一貫して野党共闘を呼びかけている日本共産党には、推進役として1世紀の歴史を生かしてほしいと願います。
(2023年7月14日)


[写真]酪農家・金谷雅史さん

私の声をみんなの声に

酪農家 金谷雅史さん

 昨年11月に農林水産省前で行われた畜産・酪農危機打開の集会(農民連など主催)までは共産党をはじめ、特にどの政党も支持していませんでした。

 この集会で私は「酪農ヤバイです」と訴えました。となりに日本共産党の小池晃書記局長、田村貴昭衆院議員、紙智子参院議員がいました。その後、田村さんは質問で、小池さんは本会議の代表質問で私の訴えを紹介し、小池さんは、選挙区でもないのに訪ねてきて、搾乳もしてくれました。紙さんは参院農水委員会の参考人として発言の場をいただきました。

 私の訴えは「小さな声」です。共産党は、この「小さな声」を拾い上げてくれました。その声を国会に届けてくれています。草の根の活動で、私の声を拾い上げて、「みんなの問題だ」として取り上げています。

 乳価は時間がかかって上がってきております。近々にも牛乳値上げの予定があります。ですがまだ十分ではない状況です。

 手をつないで事態を変えていきたい。野党の共闘を進めるためにも共産党が前進してほしい。私も共産党の政策や候補者のことを口コミも含め発信していきたい。
(2023年7月14日)


[写真]元公明党副委員長・二見伸明さん

民主集中制「当たり前」

元公明党副委員長 二見伸明さん

 先日(6月25日)、以下のようなツイートをしたんだ。

 「志位委員長が党幹部会(第8回中央委員会総会)で吠(ほ)えた。民主集中の『民主とは党内民主主義のこと。集中とは統一した党の力を集めること。この両方の要素は国民に責任を負う近代政党ならば当たり前』。集中とは別言すれば団結だ。政治学者二見伸明は百点満点を付けた。自民党は利権に群がり、利権のために集中する徒党集団だ」と。

 「当たり前」のことを言っただけなのに、閲覧数はいつもよりケタ違いに多かったよ。

 翻って、党創立101年、新しい出発なんだよね。『サンデー毎日』(7月2・9日合併号)で倉重篤郎君(毎日新聞客員編集委員)が、日中関係についての志位さんの提言を取り上げて、高く評価していた。

 提言が、これからの日本の外交戦略の要、"日中両国政府の最大公約数"だと思っているんだよ。日本と世界の平和のためにも、日中が本気になって話し合い、提言の精神に立って前向きにやっていく必要があるんだね。

 いろいろあるアメリカと中国だけど、両国の"パイプ"は、本当はすごいんだよ。日中の平和な関係、これは101年目の大きな課題じゃないかな。だから、提言はすごく大きいと思っているよ。
(2023年7月14日)


[写真]同志社大学名誉教授・浜矩子さん

政治に魂を吹き込んで

同志社大学名誉教授 浜矩子さん

 私は最近、岸田文雄首相のことを「鮒侍(ふなざむらい)」と呼んでいます。歌舞伎の忠臣蔵で吉良上野介(きらこうずけのすけ)が浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)をなじります。おまえはこっちの壁にぶつかったら方向転換し、あっちでぶつかったらまた別の方へ行く、ふらふらしている鮒侍じゃ、と。

 岸田首相はこの鮒侍のようです。バイデン大統領にいわれればふらふらと大軍拡の方向へ行き、「人口減少が大変だ」と財界にいわれればそちらへ行く。明確な信念や論理を持たないから言葉が魂から出てこず、大軍拡を進める理由も説明できません。恐ろしいことです。敵基地攻撃能力の保有は「憲法の趣旨とするところではない」という政府見解を軽いノリで壊してしまい、その重大さが鮒侍にはわからないのです。

 マイナンバーカードをめぐって人々の個人情報をないがしろにしても、政府・与党には責任意識や良心の呵責(かしゃく)がみられません。大企業べったりの政治を続けた結果、人々の痛みに思いをはせる感受性をなくしてしまったのではないでしょうか。

 共産党には日本の政治に魂を吹き込んでいただきたい。それだけに共産党の魂がピュアで潔いものであってほしいと願います。いろいろな批判についても真摯(しんし)に受け止め、自らの魂を力の限りに開示していただきたい。ひるんだり逃げたり意気消沈したりせず、開けっぴろげに語っていただきたい。共産党の組織や理念に確信を持てる空気が形成されることを期待します。
(2023年7月15日)


[写真]高千穂大学教授(政治学)・五野井郁夫さん

ポップな打ち出し期待

高千穂大学教授(政治学) 五野井郁夫さん

 ぶれない軸をもった"安心感"ある存在です。市民目線の政治を貫いてきたからこそ、「この政党だけは変な方向にはいかないよね」と信頼がおけるんです。

 安心感の一つに、統一協会との関係がないという事実があります。先の統一地方選でも統一協会からフリーであることは有権者が投票する上での安心材料になりました。また、国会では入管法やLGBT法などをめぐり、人権擁護を中軸に据えた妥協をみせない論戦でたたかってきました。ここまでしがらみがなく、絶対に曲がらないと確信できる政党は希有な存在です。

 一つ提言したいのは、日本共産党に対するさまざまな誤解を払拭する上で、もっとカジュアルかつ正確に発信していく方法の模索です。党運営の在り方に「独裁」との誤解もありますが、民主的選挙と党の一体性を両立させる民主集中制を機能させている希少な存在です。それだけに誤解されたままではもったいない。

 知的な基盤と誠実さ、絶対に揺るがない信念と歴史を持っているのですから、後はどうアウトプットするかです。支持者の中には若くて才能あるクリエーターもたくさんいます。「共産党って実はかっこいいんじゃない?」と思ってもらえるようなポップな打ち出しを期待します。
(2023年7月15日)


[写真]東京・下北沢のライブハウス「LIVE HAUS」店長・スガナミユウさん

真っ当な政策 広げたい

東京・下北沢のライブハウス「LIVE HAUS」店長

 スガナミユウさん

 ここ数年、私の身の回りで「良い質問をしている国会議員がいる」「政策を見ると真っ当だ」と話題になることがあり、その多くが日本共産党議員のことでした。昨年の参院選を振り返っても、特定の政党をいつも支持しているわけではない市民が驚くほど山添拓さん(参院議員)の応援に駆けつけていました。私も、その一人です。

 今の政治はおかしいと感じている人たちが、何の先入観もなくフラットに各政党を見て共産党を応援・投票の選択肢に入れている。こうした動きが全国にもっと波及してほしいと思っています。

 民意を無視した強行的な政治が、与党だけでなく、日本維新の会や国民民主党などもはや野党とは言えない勢力も一緒になって進められています。秋にも予想される総選挙に向けて、この事実を多くの人に伝えたい。

 東京都杉並区で岸本聡子さんが区長になるなど、ジェンダー平等をめぐって地方政治に変化が起きています。この流れを国政でも実現したい。衆院選に田村智子さんが出ると聞いて驚きました。全力で応援します。

 市民の声を受けとめて新しい政治を実現するため前に進み続ける共産党に「101年目の希望」を感じています。
(2023年7月15日)


[写真]横浜国立大学名誉教授・萩原伸次郎さん

米・財界批判 唯一の党

横浜国立大学名誉教授 萩原伸次郎さん

 いま日本経済は、岸田政権のアベノミクス継承路線によって、物価上昇、実質賃金の下落、一部大企業の円安による大もうけと株価高騰など、経済格差の深刻化が引き起こされています。また、アメリカの要請による軍拡と軍需品購入によって、財政赤字の巨額化と福祉切り捨てが懸念されています。これらの社会経済現象は、アメリカの新自由主義経済政策への追随によってもたらされたものであり、アメリカ言いなりの政治、財界中心の経済政策によるものであり、その根源には、日米安全保障条約があり、それにつき従う政治がもたらしたものにほかなりません。こうした政治経済政策に敢然と対峙(たいじ)し、日米安全保障条約に代わって日米友好条約を締結し、日米の対等な政治経済関係の樹立によって、日本から米軍基地をなくすことを主張しているのが、日本共産党です。

 日本共産党は、戦前から一貫して、反戦、主権在民、基本的人権の保障という民主主義的要求を前面に打ち出し、戦後も、対米従属と財界中心の経済政策を批判し、国民全体の経済を豊かにする革新的経済政策を打ち出してきた日本で唯一の素晴らしい政党です。この7月15日に創立101年を迎える日本共産党に熱きエールを送ります。(寄稿)
(2023年7月15日)


[写真]翻訳家・池田香代子さん

成熟した「2世紀目」に

翻訳家 池田香代子さん

 著名なミュージシャンが故ジャニー喜多川氏について「功績に対する尊敬の念は今も変わらない」などとラジオ番組で発言したことが、性加害を軽視するものだとSNS上で多くの批判を浴びました。一方でこれらの批判に「反日」とレッテル貼りする発信もありました。

 少年たちへの性加害は、子どもの人権という普遍的価値に照らして許されない行為です。人権の思想を理解しない人たちが、「反日」「人権派」と市民に悪口を投げつける。ジャニーズ問題だけでなく、岸田政権が強行した改悪入管法や与党など4党のLGBT法、マイナンバーカードの健康保険証一本化押しつけにしても、人権が著しく軽視されています。

 内部の掟(おきて)に縛られた世間を脱し、人権という普遍的価値に基づく社会を育てるには、野党共闘で政権を奪取しなければ。その原点は2015年の安保法制反対運動。日本共産党が市民の声に応え、共闘を呼びかけました。

 言い出しっぺの志位和夫委員長が記者会見で「相手のあることですから」と言われ、剛直なイメージの共産党からその言葉を聞いて感動したものです。これからも柔軟性を涵養(かんよう)し、成熟した「2世紀目」となることを期待しています。
(2023年7月15日)



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