2024年9月22日(日)
主張
労働時間の短縮
賃上げと一体に自由時間拡大
日本のフルタイム労働者の労働時間は、ヨーロッパ諸国に比べて年間300時間程度も長く、「毎日残業続きでくたくた。帰って寝るだけの生活」「仕事と家事・育児に追われて自分の時間がない」「自分を向上させる時間がほしい」―など、「人間らしく働きたい」「もっと自由に生きたい」、そのために「自由な時間」がほしいという切実な声が広がっています。
労働時間の短縮は、余暇や趣味を楽しみ、豊かな教養を育み、社会活動にとりくむなどのために自由な時間を確保するとともに、男女がともに家事や育児・介護などのケアを分かち合える社会にするためにも、いま日本社会に求められている重要課題です。
■日本共産党の提案
日本共産党の田村智子委員長は20日、国会内で記者会見し、賃上げと一体に労働時間の短縮を実現し、働く人の自由な時間を拡大するための提案、「自由時間拡大推進法」を発表しました。
この提案は、二つの方向で労働時間の短縮をすすめるものです。第一は、法定労働時間をすみやかに「1日7時間、週35時間」に移行するために国が必要な措置をとること。第二は、「1日8時間」さえ崩されている現状をただちになくすために、残業規制の強化や違法・脱法の長時間労働をなくす措置をとることです。
また、同提案は、フリーランスやギグワーカーなど「雇用関係によらない働き方」が急増するなか、その労働者性を認め、労働法制、労働時間規制、最低賃金適用の対象とし、あらゆる働き方において労働時間短縮と賃上げをすすめることを求めています。
特に現在、長時間労働を強いられている教職員、公務、ケア労働従事者の長時間労働の是正は急務であり、同提案は増員や労働条件の改善について具体的な方策を示しています。
■経済発展にも寄与
男性を中心とした正規雇用に求められている、生活を犠牲にした長時間労働は、女性が家庭におけるケアを担い、非正規雇用を選ばざるをえない状況を生みだしてきました。労働時間を短縮すると同時に、ケアの社会化と分担など働き方を変えていくことはジェンダー平等社会の実現に欠かせません。
さらに、働く人の自由な時間が増えることは個人のさまざまな活動を広げ消費と需要の増大につながります。個人の心身ともの健康と多面的な発達を促し、経済と社会の発展に寄与します。最低賃金の大幅引き上げなど賃上げと一体に労働時間の短縮をすすめます。
いま政府、財界は、労働条件の最低基準を定めた労働基準法を解体する大改悪をすすめようとしています。おもな狙いは、労働者の生命・健康確保のための最も重要な規制である労働時間規制の形骸化です。
これを許せば、労働者から生活のための時間、健康保持のための時間をさらに奪うことになります。日本共産党は「自由時間拡大推進法」を正面に掲げ、長時間労働をいっそうはびこらせる労働基準法の大改悪に断固反対します。
いまこそ、働く人の自由な時間を拡大するために、力を合わせようではありませんか。