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2024年9月22日(日)

きょうの潮流

 今日22日は「秋分の日」。この日をまん中にした7日間が秋の「彼岸」です。墓参りをされる方も多いことでしょう。彼岸に仏事を行う風習は、平安時代からあったとみられています▼「彼岸」とは仏教などのことばで、もともとは死後に行く世界や「悟りの世界」を指しています。日本ではこの季節に「日願(ひがん)」という民間習俗が行われていたともいわれます▼「日願」は農耕と結びついたもので、昼と夜の時間が同じになる時期に作物をはぐくむ太陽を崇拝するさまざまな風習が行われていたとみられます。そうした習俗と仏教の考え方が融合し、彼岸の墓参りや法要が行われるようになったという説があります▼秋の彼岸の季節によく見られるのが文字通りの「彼岸花」、別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」です。「曼珠沙華」はサンスクリット語で「天界の花」を意味する言葉で、こちらも仏教と縁があります。赤い花が群れて咲く姿は印象的です▼信仰にかかわらず、彼岸は身近な故人をしのぶ機会にもなります。その人たちのありし日の姿や生き方を思い返すことは、いまの自分を振り返ることにもなり、身が引き締まる思いにもさせられます▼思い出とともに、亡き人たちが願った平和な世の中をどう築いていくかも考えさせられます。ウクライナで、パレスチナで、レバノンで、今も多くの人々が命を奪われています。力に力で対抗し報復を繰り返すのでなく、国際ルールを基礎に対話を積み重ねることでこそ失われた命に報いることができるはずです。


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