2024年9月12日(木)
全被爆体験者の救済を
長崎地裁判決 弁護団が求める
長崎「被爆体験者」訴訟の長崎地裁判決をうけて同訴訟弁護団は9日、声明を発表し、長崎県、市、厚労相に対して、勝訴原告について控訴せず速やかに被爆者健康手帳を交付することや、被爆者援護行政のあり方を見直し、すべての「被爆体験者」を被爆者援護法に該当する「被爆者」として救済することを求めました。
判決が、「被爆者」ではないとされてきた「被爆体験者」の一部を「被爆者」として認定し、被爆者健康手帳交付を義務づけた点は「一定評価できる」と指摘。一方で、「黒い雨」訴訟広島高裁判決の判断内容を大きく後退させ、原告らに「原爆の放射能により健康被害が生ずる可能性がある事情の下にあった」との証明を求めた点は「全く容認できない」としています。
日本被団協が国家補償求める
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は11日、長崎「被爆体験者」訴訟長崎地裁判決について木戸季市(すえいち)事務局長の談話を発表しました。「被爆80年を目前に、すべての原爆被害者に国家補償を」と強く求めています。
「判決に接し、改めて日米両政府への怒りが湧き起こった」とのべ、米国政府による原爆投下と、日本政府が原爆被害への国家補償を拒んできたことを批判しています。
2021年の「黒い雨」訴訟広島高裁判決は原告全員を「被爆者」と認めたものの、その後国は被爆者健康手帳取得に疾病条件を入れ、「黒い雨」をあびた原爆被害者を分断していると指摘。「判決で、なおも分断が持ち込まれたことは、司法の判断として大変残念」と強調しています。