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2024年8月18日(日)

制服問題 地域巻き込み議論

教育のつどい分科会始まる

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(写真)報告する加藤さん(左端)=17日、大阪市

 大阪市内で開かれている「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2024」(実行委員会主催)は、2日目の17日、18の分科会で討論をはじめました。「主権者の教育と生活指導・自治活動」分科会では、生徒の主体的な活動で男女の区別のないジェンダーレス制服を導入した経験が報告されました。

 報告したのは高知県の公立中学校教員、加藤優子さん。同中学では2021年に、ある学級で生徒からジェンダーレス制服の要望が上がりました。生徒会執行部は、学生服メーカーの担当者を招いて、男女ともズボンとスカートを試着。はしゃぎ気味の生徒たちにメーカー担当者は「数年後には反応が変わってくる」。「参加者全員がハッとした」と加藤さんは話します。

 学校としてもジェンダーレス制服導入に向けた協議を生徒とPTAとを含めて始めることになりました。

 生徒会執行部は生徒へのアンケート結果をふまえ導入の検討を開始。生徒総会ではいじめの可能性についてもふれ、「性の多様性の学習をして、理解を深めることが大切」と確認しました。

 地域の人々とも話し合いが行われました。生徒側が「差別が心配」と不安を出すと、地域の人から「スカートの日を作ったらええんじゃないか」など大胆な意見も出されました。

 今年度から導入された新制服を1年生の8割が利用しています。

 分科会では「制服そのものをなくしてほしいという声は?」との質問も。「そこまでいかなかったが、私自身はいずれなくなる方向だと考えている」と加藤さん。参加した香川県の高校3年生から「卒業した中学では、体操服登校がOKになった」、滋賀県の中学校教師からは「靴下の色指定など、校則全体の見直しももっと進めたい」など、活発に発言がつづきました。


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