しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年7月11日(木)

二階自民党元幹事長 現金振り込みか

1000万円超を1回で

裏金使途の書籍代

 自民党の二階俊博元幹事長は、2020年からの3年間で計約3470万円分の計2万7700冊の書籍を裏金で購入したとしています。“爆買い”は世間を驚愕(きょうがく)させましたが、同氏が公開した明細にはさらなる驚きがありました。なんと1000万円超を現金一括で振り込んだとみられる痕跡が―。(三浦誠)


驚く出版関係者

写真
写真

(写真)二階事務所が公開した書籍代の明細の写し(電話番号のみ本紙で黒塗り)

 二階氏は今年2月、自身の資金管理団体「新政経研究会」の政治資金収支報告書を訂正し、書籍の大量購入を公表しました。このうち7件に、りそな銀行の議員会館にある支店が発行したとみられる「キャッシュサービスご利用明細」が添付されていました。合計金額は約2400万円分に上ります。

 この明細を見た出版関係者は、驚きます。「明細に口座番号が印字されていない。現金で振り込んだのではないか」

 りそな銀行の口座からATM(現金自動預払機)で振り込んだ場合、明細には口座番号の上4桁が印字されます。ところが、二階氏が公開した明細は、いずれも空白です。手数料も窓口振り込みの金額となっています。

 振り込み1回あたりの最高額は、1045万円です(表参照)。国会内の同行支店には窓口を通じて、それだけの金額を現金で振り込むことができる機械が設置されています。

 先の関係者は「普通、これだけの金額は金融機関の口座から振り込む。札束を持ち込んで、せっせと機械に入れている様子を想像すると異様だ」と言います。

 現金で多額の振り込みを繰り返すのはなぜか―。そこからは二階事務所が裏金を現金で保管していた可能性が浮かびあがります。

 実際、裏金を金融機関で管理せず、事務所内で保管していた自民党議員は多くいます。自民党が公表した調査報告書(2月15日)でも39人が現金で管理していました。場所は「事務所の金庫」「事務所の引き出し」「専用の箱」です。

使途不明50億円

図

 二階氏の場合は書籍購入の原資が本当に裏金だけなのか、という疑問も残ります。同氏は自民党幹事長時代に「政策活動費」を約50億円受け取っており、その使途が明かされていないからです。本紙の取材に二階事務所は「回答しません」としています。

 政治資金オンブズマン代表の上脇博之神戸学院大学教授は「二階氏が振り込んだ多額の書籍代は、どう考えても通常の政治資金とはみえない。原資が政策活動費である可能性もある。裏金づくりについて自民党は党としてまともな調査をせず、各議員も整合性のある説明をしていない。説明責任を果たすべきだ」と指摘します。


pageup