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2024年6月27日(木)

沖縄米兵少女暴行に怒り

またしても人権蹂躙 政府は県に3カ月も未報告

3月27日に政府内で情報共有

 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)所属の空軍兵の男(25)が、16歳未満の少女を車で連れ去り、自宅で性的暴行を加えたとしてわいせつ誘拐と不同意性交の罪で那覇地検に起訴された事件が明るみに出ました。県民の人権と女性の尊厳を踏みにじる米兵犯罪が繰り返されたばかりか、日本政府が米兵の起訴から約3カ月も県側に報告していなかったことに対する怒りの声が広がっています。


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(写真)記者団の取材に応じる玉城デニー知事=26日、沖縄県庁

 玉城デニー知事は26日、県庁内で囲み取材に応じ、「県民が常にこのような不安にさらされていることをもっと真剣に考えるべきだ。特に日本政府は」と強調。「受忍限度を超えているこの基地の問題を、われわれ沖縄を交えた場でしっかり解決しようと言っているにもかかわらず、それが受け入れられないということはまさに政治の怠慢だ」と非難しました。

 今回の事件をめぐっては、米兵が起訴された今年3月27日に外務省の次官がエマニュエル駐日米大使に対して抗議していたにもかかわらず、県には連絡していませんでした。

 林芳正官房長官は26日の会見で、県側に事件の情報を伝えていなかった理由を問われ、「捜査機関の活動内容にかかわる」などとして答えませんでした。

 この問題を巡り、外務省の宮本新吾北米局参事官は26日、日本共産党国会議員団の申し入れの中で、那覇地検が米兵を起訴した3月27日時点で上川陽子外相、首相官邸に事件の情報を共有していたと明らかにしました。

 3月27日には外務省の岡野正敬事務次官がエマニュエル駐日米国大使に遺憾の意を申し入れ、綱紀粛正と再発防止の徹底を求めています。小池晃書記局長は、一方でそうした事実が沖縄県側には一切明らかにされていないと指摘。事態を把握しながら公表をしなかった上川外相、首相官邸の責任は重大であり、「政治的な配慮があって事実を隠蔽(いんぺい)しようとしたと言われても仕方がない対応だ」と批判しました。

 また、事件後、米軍に対して「外出制限」など具体的な対応を取るよう要請しているかとただすと、宮本氏は「そうした対応がとられているとは承知していない」と回答。宮本氏が「推定無罪の原則もある」などと事件後の対応を正当化しようとしたのに対し、赤嶺政賢衆院議員は「何十年も米軍の事件に遭遇してきたが、これほど不誠実な対応をされたのは初めてだ」と厳しく抗議しました。


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