2024年6月12日(水)
7月末までに“目標水準”の運動を
都道府県委員長会議開く
田村委員長が報告
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日本共産党の全国都道府県委員長会議が11日に党本部で開かれました。田村智子委員長が報告し、7月末までに“目標水準”の活動を必ずつくりだすための意思統一をはかりました。
第一の柱は、会議の主題です。第2回中央委員会総会で7月末までの到達の決意を固め合った“目標水準”の運動にむけて前向きの変化をつくりだしている党組織はあるが、全国的には大きな開きがあると指摘。「党員拡大で4月、5月の4倍、『赤旗』読者拡大では1・5倍に引き上げることが必要になります」と到達点を明らかにし、「5割以上の支部で入党の働きかけに踏み出し、5割以上の支部が読者を増やす運動にできるかどうかがカギを握っている」と訴えました。
3日付の推進本部の「訴え」は「現状をふまえ、どこから突破していくか検討して出した」とのべ、「都道府県・地区機関にむけた『訴え』という性格のものとなっている」と強調。「訴え」が提起したのは大きく二つあると指摘しました。
一つは、「『手紙』の『返事』・党づくり実践・全支部援助集中期間」が、「都道府県・地区機関が、全支部を援助する集中期間」であること。16日までに全支部に連絡をとり、返事を出して実践に踏み出す相談にのることは、「機関の姿勢いかんでできる」と提起しました。
二つは、すべての地区の運動にしていくことです。地区の支部への援助によって「全支部運動」にする。「党勢拡大の地区独自のイニシアチブ」を発揮して「やればできる」ことを率先して実践する。そのために推進本部も、地区の実情と条件、困難や悩みを踏み込んで掌握し、ともに打開する決意を語っていると述べ、率直な議論で前途を見いだす会議にしようと訴えました。
報告の第二の柱は、情勢の劇的進展と日本共産党の役割に確信をもって広く打って出ることです。各党の政治的本質が浮き彫りとなり、日本共産党の役割が鮮明になっています。
裏金問題で自民党を政治的にも組織的にも断崖絶壁まで追い詰めてきたのは「『赤旗』のスクープであり、日本共産党国会議員団の論戦、全国各地で宣伝・署名・対話をくり広げた全党の力」であると力をこめました。
暮らしと経済の問題では「経済再生プラン」、外交では「東アジア平和構築への提言」を手に広く宣伝、対話、懇談にとりくみ、「自民党政治を終わらせる国民的たたかいを起こそう。総選挙で党躍進の風を起こそう。沖縄県議選、東京都知事選、都議補選勝利を勝ち取ろう」とよびかけました。
第三の柱は、どのようにして“目標水準”の運動への飛躍をつくり出すのかです。推進本部の「訴え」が提起した二つのとりくみについて、幹部会でどういう議論になったかを踏まえて説明。
一つは「手紙」と「返事」のとりくみをさらに発展させること、「返事」が党づくりの発展とどう結びつくのかを語ることです。そのためにも党機関がすべての支部と連絡を取り、「返事」を出して実践し、踏み出す相談にのるという「基本をいかにしてやり抜くかが重要になります」と強調しました。
「『返事』を寄せていただく活動がどんなに大切か」と語った田村氏。
▽「返事」を出す議論を通じて支部の決意が固まり、党活動と党勢拡大への新しい踏み切りの契機になっている▽中央として「返事」をしっかりと受け止め、支部への生きた援助をどう強めるのかの方途を見いだす大きな力になっている――と語り、「双方向・循環型」の党建設方針の探求を「新しいステージで発展させる決意」だとのべました。
二つは、いかにしてすべての地区の自覚的な運動をつくりだしていくのかです。
地区の実情と条件、困難と悩みをもっと踏み込んで掌握し、ともに打開する姿勢で臨むことを推進本部の姿勢として「訴え」のなかで言及したとのべ、「これは、都道府県委員会の姿勢としても重要ではないだろうか」と問いかけ、中央と都道府県、地区が一体となって事態の打開のために知恵と力を合わせることをよびかけました。
同時に、この間、変化をつくっている地区は、地区委員長が大会決定や2中総に徹底して依拠し、「いかに前進するかについて決意を固め、常任委員会での突っ込んだ議論を通じてその決意も機関全体のものにしている」とのべ、6日の「地区委員会の経験に聞く」での発言を紹介しました。
その上に立って“目標水準”の運動への展望を開くために、全地区が6月、7月に地区主催の入党懇談会や「集い」を「必ず1回以上、条件があるところは2度、3度と開催しよう」と提起。7月13日の党創立記念講演を結節点に、党勢拡大の飛躍をつくろうとよびかけました。
第四の柱として報告したのは日曜版の料金改定についてです。常任幹部会では、現行の930円から990円への60円の値上げが、経費削減を強めつつも「『赤旗』の発行を守り抜くため」どうしても必要だと判断したとのべ、「日曜版の料金改定へのご協力のお願い」にこめられた読者への感謝とおわびの思いを伝えることが重要だと論議を重ねてきたと語りました。
今回、公表前に配達・集金者に伝えるために4日の機関紙部長会議で報告したのは、2018年の値上げの際での批判を受けた教訓に立ってのものだったとし、「『赤旗』の発行を守り抜くには、読者の前進を」の決意で奮闘することを重ねて訴えました。
第五の柱として、田村氏は第29回党大会決定の徹底と「『共産主義と自由』を学び語り合う大運動」をよびかけました。
「党勢拡大を全党運動にしていく『根本的な力』は第29回党大会決定の徹底にある」とし、「党大会決定の五つの理論的・政治的突破点が、今日の情勢のもとで生きた力を発揮している」と強調しました。
4月27日の志位和夫議長の学生オンラインゼミが大会決定第4章を大きく発展させたものとなっていると指摘し、日本共産党の躍進、強く大きな党をつくるうえでの一大戦略として、「学生オンラインゼミ」を全党が学習し、この「大運動」に全党が踏み出して党づくりの前進・飛躍をつくりだそうとよびかけました。
田村委員長 討論のまとめ
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討論では30人が発言しました。
討論のまとめで田村氏は、「手紙」と返事の取り組みに表れている感動的な支部の決意や変化がさらに広がっているとして、3点についてのべました。
第一に、党勢拡大が一部の支部に担われている現状を打開するために、地区委員会をどう援助していたかを深める討論となったと指摘しました。
富山県委員長は1人専従の地区が抱えている困難は県委員会の指導責任であることを明確にして系統的援助を重ね地区が3月以降連続して党員を増やす変化をつくっていること、鳥取県委員長は、推進本部の「訴え」の「援助」という言葉が目に飛び込んできたと発言し、遅れの責任を地区に向けていたことを自己批判、長と機関に向けての「訴え」であることを明確にして援助にたちあがっていると発言したことを紹介し、これらに学んで「集中期間」の成功と6、7月に目標水準へと党勢拡大を引き上げることをよびかけました。
田村氏は改めて「訴え」の提起――(1)地区の機関役員が支部に入って返事と支部の踏み出しを援助(2)地区として「集い」・入党懇談会を行う――を強調。これを地区委員会に正面から提起してこそ地区の困難、躊躇(ちゅうちょ)をつかみ、正面からこたえる活動になるとして都道府県常任委員会での率直な議論をよびかけました。
第二に、討論で情勢の劇的な進展が語られたことです。
田村氏は「私たちが思っている以上に国民の変化が劇的に進んでます」とのべ、入党者を迎えられる条件の広がりを強調。政治資金規正法改定をめぐり日本共産党が参院に企業・団体献金全面禁止法案、政党助成金廃止法案を提出している国政の焦点を補足的に紹介。党外の識者が各地で裏金事件をスクープする「赤旗」のかけがえのない役割と購読の呼びかけをオープンに行っていることをあげ、日曜版購読料改定でのピンチをチャンスに変えて、「赤旗」を守りたい支部と党員の切実な思いを一つに集めようと訴えました。
第三は、「『共産主義と自由』を学び語り合う大運動」を戦略的課題として取り組むことです。
党勢が後退した客観的要因の最大のものとして「社会主義・共産主義の問題があった」として「共産主義と自由」を語ることは、日本共産党の最も根源的な理念に対する共感を広げるチャンスだと強調。「共産党という名前がかっこいい」と若い人がそう思えるくらいの理論的解明になっていると語りました。
機関役員が支部に入るうえで情勢に確信を持つだけでなく、共産主義者として成長する、その質的建設に挑もうというのがこの大運動だと訴えました。
「援助集中期間」の残る数日と6月を臨戦態勢もとって取り組むこと、目標水準の活動への飛躍は今年1年と今大会期の党づくりにとって極めて重要であること、その中で世代的継承を何としてもやりとげることを強調し奮闘をよびかけました。