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2024年5月27日(月)

きょうの潮流

 「まるでUFOの出現や宇宙人の襲来に備えるような話だ」―。先日の衆院総務委員会で参考人として陳述した白藤博行専修大学名誉教授の例えに笑ってしまいました▼国会で審議中の地方自治法改定案。個別法で想定できない「国の安全に重大な影響を及ぼす事態」に際し、国が自治体に必要な指示ができるようにすると。白藤氏は「個別法でも想定できない事態が、地方自治法という一般法で想定できるはずがない」▼国は大規模災害や感染症のまん延などをあげ、しきりに想定外と言いますが、東日本大震災で福島第1原発が事故を起こしたのは国と東電が津波の想定を無視したから。新型コロナで病床が足りなくなったのは国が病床削減したからでは▼戦争などの有事も思い浮かびますが、有事法制(事態対処法、国民保護法)は国の指示権を一定認め、その範囲は限定されています。それすら「想定外」として際限なく指示の範囲が広がれば、戦前の国家総動員体制と変わらないことに▼仮に、地方の山村に宇宙船が飛来し、「未知との遭遇」のように村人が宇宙人と遭遇したとしたら…。村人は言葉の通じない客人をあたたかく迎え、村長が役場の職員や村人に宇宙人の受け入れに必要な指示を与えるのでは▼「必要なのは危機管理の現場化、地域化ではないか」と白藤氏。想定外に最初に遭遇するのは自治体の現場です。もし宇宙人などが現れたら、いまの政府は霞が関の会議室でオロオロするばかりで、「指示」どころではないのかも。


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