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2024年5月24日(金)

“症候一つ だめではない”

山下議員追及 水俣病認定で環境相認める

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(写真)質問する山下芳生議員=23日、参院環境委

 伊藤信太郎環境相は23日の参院環境委員会で、水俣病の認定基準が旧環境庁の1977年判断条件で感覚障害など二つ以上の症候が出ていることとされてきたことを巡り、症候が一つでは水俣病と認定されないとする基準ではないと「理解している」と初めて認めました。二つの症候の組み合わせで被害者を切り捨ててきた国の責任は重大です。日本共産党の山下芳生議員への答弁。

 山下氏は、2013年の最高裁判決が症候の組み合わせによる判断条件での認定を退け、一つの症候であっても水俣病と認定することが排除されるものではないとしていると指摘。「77年判断条件は症候が一つではだめだという基準ではもともとなかった」と追及しました。

 山下氏は、被害患者切り捨ての歴史に終止符を打つべきだと強調し、認定基準や対象地域などの差別見直しなど全面解決につながる制度の早急な構築を提案。伊藤環境相は「歴史と経緯を十分に踏まえつつ、現状を分析し、水俣病対策に全力を尽くす」と答えました。

 また、山下氏は、全面解決のために水俣病問題の歴史を胸に刻む必要があると強調。水俣病加害企業チッソのメチル水銀垂れ流しによる健康被害の拡大を防がなかった国の責任を断罪した2004年の関西訴訟最高裁判決を受け、当時の環境相談話が「被害の拡大を防止できなかったことに真摯(しんし)に反省する」と述べていると指摘し、認識をただしました。伊藤環境相は「当時の大臣と同じ気持ちだ」と答えました。


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