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2024年5月24日(金)

きょうの潮流

 国のエネルギー政策の中長期的な方向性を示す「エネルギー基本計画」。その見直しに向けた議論が、経済産業省の審議会で始まりました▼経済界の委員は、さっそく「(原子力の)新設・リプレース(建て替え)も含めた原子力技術の安全利用の拡大、早期再稼働を」と発言。別の委員は「原発の開発をどう進めるのか、明確にしていただきたい」と▼原子力に詳しい委員からも、「脱炭素社会の実現に向けて原子力を使わない手はない」などと、原発推進を求める意見が相次ぎました。前回、基本計画を改定したのは2021年で、原発の依存度を「可能な限り低減する」と明記していました▼今回、基本計画の見直しに当たり、この「可能な限り低減する」の表現を見直してもらいたいと、原発を持つ大手電力などでつくる電気事業連合会の会長が会見で表明。その具体化の一つとして、事故を起こした電力会社が過失の有無にかかわらず無限責任を負う原子力損害賠償制度の見直しを求めました▼審議会でも経済界から、原発の新増設を進めるため、同制度のあり方など「国が電力会社を支える手だて」が必要だとの発言が。以前から財界は、電力会社の賠償に上限を設けることを明記するよう要求してきました▼原発の「最大限活用」を掲げて原発回帰へかじを切った岸田自公政権。東京電力福島第1原発事故の教訓を忘れたかのよう。委員構成など、今回の計画の審議プロセスや内容を見直せとの声が若者や市民からあがるのは当然です。


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