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2024年5月8日(水)

きょうの潮流

 「私はナンセンスだと思う」。丸山達也島根県知事が、民間の有識者会議「人口戦略会議」が公表した「消滅可能性自治体」のリストに不満をあらわにしました▼「じゃあ、東京都がすごいがんばっているから人口が増えているの? そんなことないでしょ。出生率、最低だよ」と丸山氏。千葉市の神谷俊一市長も「自然減対策のメインが自治体であるかのような間違ったメッセージだ」と▼全国町村会の吉田隆行会長(広島県坂町長)は「20~39歳の女性人口が半減するという一面的な指標をもって線引き」しているとし、「一部の地方の問題であるかのように矮小(わいしょう)化されてはならない」。全国の首長から苦言が相次いでいます▼人口5700人の岡山県奈義町は日本共産党と町民の運動で、高校卒業までの子ども医療費無料化などきめ細かな子育て支援を実現し、2019年に合計特殊出生率2・95を達成しました。「奇跡の町」とも呼ばれ、今回「消滅可能性自治体」から脱しました▼リストの公表以来、若い女性から「人口減少の責任は私たちのせいじゃない」と怒りの声が届きます。「これから大学の奨学金を返さないといけないのに、こんどは子どもを産めって? 女性に責任を押し付けすぎ」。まっとうな怒りです▼国が教育や社会保障を切り捨て、市区町村に責任を押し付けてきた結果、財政力の強い都市に人口は集まり、地方が衰退しました。国がジェンダー平等とこども政策をど真ん中に置くなら、消滅するのはリストの方では。


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