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2024年4月29日(月)

主張

政治改革特別委

腐敗の根断つのか、抜け道か

 徹底的な真相解明で金権腐敗政治の根を断つのか、疑惑にふたをして、なおも抜け道を残すのか―。自民党派閥の裏金事件に対する政党の姿勢と争点が鮮明になっています。裏金事件を受けて新たに設置された衆院政治改革特別委員会での各党の意見表明(26日)です。

 自民党の表明には驚きます。裏金事件の当事者だというのに真相解明の姿勢は皆無。違法な裏金づくりを「不適切な会計処理」という言葉で片づけました。これでどうして「再発防止策」を口にできるのか。日本共産党は、実効ある対策を講じるためにも証人喚問を含めた徹底的な真相解明を行うよう求めています。

■企業献金が温床

 裏金づくりの温床は企業・団体献金です。30年前、リクルート事件など相次ぐ金権腐敗事件のなか「政治改革」が唱えられ、企業・団体献金は「廃止の方向に踏み切る」(細川護熙〈もりひろ〉首相、1993年8月)とされました。

 しかし「政党・政党支部への献金」と「政治資金パーティー券の購入」を認める二つの抜け穴を自民党などがつくりました。裏金づくりはこの抜け穴を利用したものです。再発防止にはこの90年代のニセ「政治改革」の検証も必要です。

 日本共産党は企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、パーティー券購入を含めた企業・団体献金の全面禁止法案を90年代から国会に提出し続けてきました。政治をゆがめる企業・団体献金は断固として許さない日本共産党の立場はいまや改革の共通要求になり、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党も企業・団体献金禁止を打ち出しています。

■言い逃れの自民案

 一方、自民党は「企業は社会的存在」といって企業・団体献金を受け取る姿勢を露骨に見せました。公明党は言及すらしません。企業・団体献金への向き合い方一点をとっても、裏金事件に本気で対応しない姿勢が表れています。

 自民党は「議員本人への罰則強化」として、政治資金収支報告書に議員の「確認書」添付を義務付ける案を示しました。

 これは(1)会計責任者が処罰された際、(2)議員が適切にチェックせず確認書を交付したと認められれば罰則を科す、という二重のハードルがあり、対象は限定的です。「秘書が悪意をもってやった」と言い逃れる余地も残しています。

 政党から政治家個人に支出され使途の公開義務がない「政策活動費」を見直さず、「検討課題」にとどめ棚上げしています。野党の批判を受けしぶしぶ公表した自民党案は「抜け穴案」そのものです。

 日本共産党の案は明確です。▽すべての政治団体の代表者の監督義務を明記し、会計責任者らが違反した際には代表者にも同刑を科す▽「政策活動費」の禁止▽収支報告書要旨の早期公表と作成の義務化▽報告書の迅速な公開―など言い逃れを許さず徹底した透明化の改革を示しています。

 野党が一致できる対策は多く、協議を通じてただちに実現すべきです。企業・団体献金禁止をはじめ実効ある対策を実現させる力は、金権腐敗政治を許さない国民世論です。


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