2024年4月24日(水)
将来へ包摂的な対話
ASEAN未来フォーラム ハノイで第1回会合
東南アジア諸国連合(ASEAN)の政府関係者、専門家と広範な関係者がインクルーシブ(包摂的)に参加して、ASEANの将来にかかわる重要問題について対話する新しいフォーラム「ASEAN未来フォーラム」の第1回会合が23日、ハノイで開かれました。
この会合はベトナムのファム・ミン・チン首相が2023年9月のASEAN首脳会議で提案。第1回のテーマを「人間中心のASEAN共同体の迅速で持続可能な成長」とし、AIなどの新しい技術の活用やこれからのASEANの役割向上、将来的な地域平和の確保などについて、閣僚や専門家が意見を交わしました。
開幕にあたりチン首相は「ASEANの地位はかつてなく高まっているが、同時にかつてないほど多くの挑戦課題に直面している」と指摘。国家間の対抗と分断の傾向、デジタル技術や持続可能な開発がもたらすチャンスと課題などに触れ、「大きな転換点を前に、いま将来を描くことが必要だ」と強調し、ASEANの結束・協力と自主独立、パートナー諸国との信頼関係、デジタル転換やグリーン経済、人間中心の開発を強化・重視していくべきだと提起しました。
ラオスのソンサイ首相は、国際情勢の不確実性に言及しつつ「ASEANは自らの運命を自ら決めていくべきだ」と強調。経済連結を強めるとともに東南アジア友好協力条約(TAC)やASEAN憲章などで定めたASEANの原則と流儀を守って協力を進めていくべきだと強調しました。
ASEAN未来フォーラム第1回会合には約500人が参加。ASEAN各国首脳、グテレス国連事務総長もビデオメッセージを寄せました。主催したベトナム外交学院からの招待を受けて、日本共産党の井上歩国際委員会委員が参加しました。