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2024年4月21日(日)

米軍機の空港着陸453回

過去10年で最多 進む軍事利用

約8割が九州・沖縄に

 2023年に米軍機が日本の空港(米軍、自衛隊管理の空港を除く)に着陸した回数が453回(前年比123回増)と過去10年で最多となったことが分かりました。そのうち約8割が九州・沖縄に集中しています。政府は九州・沖縄などで「特定利用空港・港湾」の指定を進めており、軍事利用化がさらに進む恐れがあります。


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(写真)奄美空港に着陸したオスプレイと右エンジン周辺で整備を行う米兵=2023年12月2日、鹿児島県奄美市(市民提供)

 国土交通省のまとめによると、全国最多だったのは屋久島空港(鹿児島県屋久島町)の72回でした。11月に米空軍CV22オスプレイが屋久島空港近くの沖合で墜落し、捜索活動のために米海兵隊MV22オスプレイなどが連日飛来しました。

 そのほか多い順に、熊本69回、奄美67回、名古屋51回、種子島50回、福岡43回などが続きました。

 顕著に増加しているのは南西諸島です。徳之島では、前年0回だったのが23年では12回に急増。奄美、種子島、屋久島、徳之島ではいずれも過去10年で最多となりました。

 米海兵隊は、南西諸島の離島に長射程ミサイルや小規模部隊を分散配置して、中国海軍などを抑止する「遠征前進基地作戦(EABO)」を構想しています。これに合わせて、南西諸島での日米共同訓練も増加傾向にあることが背景とみられます。

 その中には機体の不具合による緊急・予防着陸も少なくありません。屋久島での墜落事故も、南西諸島での米軍機の飛行増加の中で起こったものです。

 政府は1日に「特定利用空港・港湾」として九州・四国を中心に7道県16施設を指定。「米軍は利用しない」「あくまで平時における利用で攻撃対象とならない」と説明しています。しかし、米軍が利用しない保証はなく、有事に制約なく軍事利用するための措置であり、標的となって住民が巻き込まれる恐れがあります。

グラフ:米軍機の九州・沖縄の空港への着陸回数

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