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2024年4月20日(土)

きょうの潮流

 創設当時、その地域は混乱に満ちていました。激しい対立や大国の介入、異なる文明や文化、宗教。イギリスの歴史家は「アジアのバルカン」と呼びました▼それから60年ちかく、多様性に富んだ地域につくられたASEAN(東南アジア諸国連合)は大きな成果をあげてきました。平和をもたらし、ここで暮らす人々の生活を向上させ、この地域を牛耳ってきた諸大国を「教化」したことだと研究者はいいます(『ASEANの奇跡』)▼多様であるがゆえに育んできた共同体意識。不完全で弱いがゆえに対話を重ね、形成してきた相互信頼と協力関係。一つの地球村の縮図のような地域で果たしてきた共同体が提示しているもの。それは希望のメッセージです▼戦争はなくならないのではないか。いま暗闇が世界を覆っています。ウクライナで、ガザで、さらに拡大の様相も。どうすれば、私たちの住む東アジアで平和をつくりだせるか―志位議長が提言しました▼自主独立と団結を大切にしてきたASEANのとりくみから学び力を合わせ、東アジアにも平和のための枠組みをつくり発展させる。その道すじを示しながら、困難があっても「外交の真髄は、共通点を見いだし、ともに解決すること」だと▼ASEANの業績と成功はノーベル平和賞にも値すると評価されています。その共同体を歌い、採択された賛歌があります。「われら夢見よう/支えあい気遣おう/平和こそわれらの目標/そして永遠の繁栄/それが ASEAN Way」


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