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2024年4月19日(金)

生業のサケ漁認めず

札幌地裁 アイヌの権利訴訟

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(写真)引き続き闘う決意を語る差間さん(左から2人目)ら=18日、札幌市中央区

 北海道浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(長根弘喜会長、旧浦幌アイヌ協会)が、国と北海道を相手に、同町の浦幌十勝川河口部で生業(なりわい)としてサケ漁を行う権利の確認を求めた訴訟の判決で18日、札幌地裁は訴えを棄却しました。原告団・弁護団は控訴する方針です。

 十勝地方のアイヌ民族は、禁漁とされた1883年まではサケを自由に捕獲していました。現在は、伝統的な儀式としてのみ漁が認められています。

 判決で中野琢郎裁判長(小野瀬昭裁判長代読)は、アイヌが集団として「文化享有権」(少数民族がその固有の文化を享有する権利)の主体だと認めました。一方で、経済活動であるサケ漁を規制することは国の権限内だとしました。

 判決後の記者会見で、市川守弘弁護団長は「集団としての地位を認めたことは、今までの国の見解に風穴を開けた。しかし、文化と生業は一体のものなのに区別するのは認められない」と語りました。

 「ラポロアイヌネイション」会長代行の差間啓全(さしま・ひろまさ)さんは「アイヌの先祖たちが生活としてサケ漁を続けてきたことを認めない判決だ」と述べました。


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