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2024年4月18日(木)

きょうの潮流

 「最後にもう一回、バンプは可能ですか?」。バンプとは賭けの上限額を引き上げる隠語です。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平容疑者は、違法賭博の胴元に何度も頼んで深みにはまっていきました▼スポーツ賭博は2年間で約1万9千回。1日約25回に上ります。損失総額は62億円。うち24億5千万円余を大谷選手の口座から無断で引き出しました▼電話で大谷選手になりすまして銀行をだまし、代理人や会計士にうその説明で切り抜けようとしています。いずれも正常な判断とは程遠いギャンブル依存をうかがわせる言動です。「水原氏は大谷氏を利用するためにその信頼関係を利用し悪用した」。連邦検事は告発します▼本紙11日付で米国のスポーツ賭博をめぐる憂慮すべき現状を報じています。2018年の解禁後、巨大ビジネス化し、宣伝合戦が起き、大リーグ放送にも賭け情報があふれます。ネットで容易に購入でき、ギャンブル依存症に陥るリスクが30%も増加したとか▼水原容疑者の罪は決して許されません。同時に社会や政治の側に問題はないか。人々を賭博に誘導し、依存症を助長している“罪”はないのか▼1950年、日本の最高裁は、賭博が「勤労の美風」を害し、「国民経済の機能に重大な障害を与え」、「公共の福祉に反する」と断じました。その後、日本にパチンコが乱立し、さらにカジノを認め、米国同様のスポーツ賭博解禁の動きまであります。決して海の向こうの話ではありません。


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