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2024年4月12日(金)

PFAS

米、厳しい飲料水基準

日本の目標値は6倍緩い

 米環境保護局(EPA)は10日、健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物(総称=PFAS)について、法的強制力を伴う全国基準としては米国で初となる飲料水の規制値を最終決定しました。1万種類以上あるとされるPFASのうち、6種類の物質が対象。PFOSとPFOAは、日本の目標値と比べて6倍ほど厳しい値が設定されました。これにより、数千人の死亡、数万人の深刻な病気の減少が期待されるとしています。

 PFOSとPFOAの基準値は、それぞれ1リットル当たり4ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)と、従来の健康勧告値(両物質の合計で同70ナノグラム)の10分の1レベルの厳しい値を設定。PFNA、PFHxS、HFPO―DA(通称GenX)はそれぞれ同10ナノグラムとし、これら3物質とPFBSの混合物の濃度制限も設定しました。

 公共水道ではこれらのPFASを監視し、2027年から汚染レベルを公表する義務があります。基準を超えた場合、29年からは対策をとらなければなりません。全米6万6000の公共水道システムの6~10%が、基準を満たすために活性炭の導入など削減措置を講じる必要があると推測されています。

 PFOS、PFOAは、法的強制力のない目標値として「ゼロ」と設定しました。

 EPAは、昨年3月に規制値案を公表。12万件超の一般からのコメントや利害関係者の意見を検討しました。

 日本は、飲み水の暫定目標値をPFOSとPFOAの合計で同50ナノグラムとしており、今回のEPA基準の6・25倍に相当する緩い値です。また、国の食品安全委員会で評価が進められてきた食品からのPFAS許容摂取量の指標値も、欧州食品安全機関(EFSA)の60倍を超えるなど、世界的に厳格化が進む流れに乗り遅れた、緩い値となっています。


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