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2024年4月10日(水)

能登半島1.1地震

能登島 住民の要望聞く

党京都市議団 支援物資を届け

家、修理したいが…/使えない港

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(写真)解体が決まった蔵の前で住民から説明を受ける西野(左端)、加藤(右端)両議員=8日、石川県七尾市の能登島

 日本共産党京都市議団(西野さち子団長、全14人)のうち7人と事務局員3人の計10人は8日、石川県七尾市の能登島を訪ね、地震の被災者に支援物資を届けて要望を聞きました。

 福島県矢吹町の前党町議、安井たかひろさんが同行。東日本大震災を体験した安井さんは寝袋を持ち込んで5月6日までの1カ月間、羽咋市の共同支援センターに常駐します。

 能登半島北部の七尾湾に位置する能登島は、人口2375人(2023年9月時点)。景観と海鮮自慢の民宿が多数ありましたが、半島と結ぶ2本の橋の一つが地震で通行不能に。ライフラインの崩壊で民宿関係者はじめ島民の多くが島外避難を余儀なくされました。上下水道や電気は復旧したものの、帰島状況を含め、住民の実情がよく分かっていません。

「飲み水がダメ」

 午前中に日本共産党石川県委員会を訪ね、救援募金を手渡した京都市議団一行は、全国から寄せられた新鮮野菜やコメ、飲料水などを積めるだけ詰め込んで車4台で出発。実情・要望を聞き支援物資を届けることを最優先に、同島で被害が最も深刻と言われる野崎町に向かいました。

 午後2時、人影もまばらな同所で、最初に出会った、つえを手にした女性(93)は「電気やトイレは大丈夫やけど、飲み水がダメやね。この先の三差路に、1人暮らしのばあちゃんがおるよ」と。

 西野、加藤あい両市議が声をかけます。玄関先に出てきた男性は「半分まではいかんけど結構、出ていく人がいる。向かいの人は“家の中がひどいので、住むのをあきらめた”と言っていた」といい、「修理したいが、準半壊と判定されて34万しか出ない。あとは自腹だから正直、気力もない」。

 倒壊したお堂などが境内に残るお寺は「住職は仮設に入っていておらんよ」といいます。向かいに住む女性(93)は「地震はたびたび経験したけど、こんな大きいのは初めて。亡くなった人がおらんでよかった」と話します。

 昨年6月に脳梗塞になったばかりの女性(67)は夫(69)とともに、散乱したままの室内を見せてくれました。「壁はほとんど剥げ落ち、窓やドアは動きません。一部損壊の判定に納得できず、再度見てもらって準半壊になりました。3月から家に戻っているが、とても住めません」

 くらた共子、やまね智史両市議は漁港で漁師と対話。“港が使い物にならなくなった。個人の力ではどうにもならない。県と国に早く直してほしい”と漁民。10匹余の猫と暮らす女性(90)は、「福井地震(1948年)で蔵が、能登沖地震(1993年)で母屋がやられ、今回は家全部やられた。外見より中がひどい。隣が全壊し3人が下敷きになったが、だれも助けに来ず、自分たちで救出した。くたびれ果てたけど、死んだ方がいなくてよかった」といいます。

人ごとではない

 一行は予定時間ギリギリまで訪問を続けました。西野団長は「被害の大きさにショックを受けました。“戻りたいけど戻れない”事情がよく分かりました。元の生活に少しでも近づけるために、行政の姿勢が厳しく問われていると痛感しました。人ごとではない。京都市の行政にも生かしていきたい」と語りました。(青野圭)


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