2024年4月9日(火)
第2回中央委員会総会
田村委員長の結語
日本共産党の第2回中央委員会総会で、田村智子委員長が7日行った討論の結語は次の通りです。
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幹部会を代表して討論の結語をおこないます。
第2回中央委員会総会は54人が発言し、いずれもこの総会の議題を深める内容で、充実した討論となりました。
幹部会報告は、ユーチューブ配信で1万3595人、党内通信の視聴者は1万2333人にのぼっています。感想文は665通が寄せられました。
「熱い報告に胸が躍った。2中総があれこれ多くのものを詰め込んだものではなく、支部のみなさんへの手紙にぎゅっと絞ってのものにしたのがいい。長いものではなく、これだったら支部で一気に読んで足を踏み出すことができる。2月、3月とわれわれはがんばってきた、努力してきた、そのうねりを止めずに加速させる。早く手紙を議論したい。みんなで議論したい。いままさに胸が躍っている」
徳島の阿北地区から寄せられた感想ですが、2中総の確信をまさにぎゅっとつかんだ感想です。昨年、2回の「手紙」に「返事」を書けなかったという支部からも、「今度は返事を書きたい」という感想、職場支部から、視聴したその場で意見交流をして寄せられた感想など、「手紙」と報告を歓迎するものが圧倒的でした。
討論では、能登半島の震災について、石川の秋元邦宏県委員長はじめ発言がありました。支部のみなさんも被災する大変な困難のなかで、「国民の苦難軽減こそが日本共産党の役割だ」と、懸命の活動が続けられています。そのなかで、多くの方々から党への信頼も寄せられています。困難ななかで党勢を前進させようという活動がおこなわれていることに、みなさんも胸を熱くされたと思います。能登地区では党員拡大で3月目標を達成、石川県全体でも3月読者拡大での前進を勝ち取っています。この奮闘に全党で応えましょう。そして能登半島の復旧、復興への支援に全力で取り組もうではありませんか。
また、山村糸子同志の急逝について、開会あいさつで志位和夫議長から追悼の言葉を述べました。討論では、静岡の森大介書記長が、「山村同志が『集団の知恵が日本共産党の強み』と困難に直面した時に、強調していたことを思い出した」と発言し、愛媛の林紀子県委員長からは「山村さんの遺志を引き継ぎ、静岡県党のみなさんの悲しみを乗り越えての奮闘に、団結してがんばる」という発言もありました。これらは、2中総に参加するみんなの共通の決意ではないかと思います。
そのうえで、討論のまとめとして3点を述べたいと思います。
2中総の議題と持ち方、タイミングが大きく歓迎された
一つは、第2回中央委員会総会の議題と持ち方、そしてタイミングが大きく歓迎されたということです。この2中総は、議題を「全党の支部・グループのみなさんへの手紙」に思い切って絞り、報告も「手紙」を読み上げて中心点の解明に絞るという異例の持ち方をしました。その理由について開会あいさつで、「大会後の情勢の進展に照らしても、あらゆる点で生命力が際立っている大会決定の全面実践をすすめることが何よりも重要」「大会決定の徹底は途上であり、引き続き党活動の最優先課題として追求しなければならないと判断した」、と述べました。このことが全党の活動にも気持ちにも、ぴったり応えるものとなったと思います。
千葉の小倉忠平県委員長は、「2中総について、県の指導部のなかで、大会決定の徹底をしながら、このタイミングでどういった方針が出るのかと期待と注目があったが、手紙の提案は、期待、関心に正面から応えるものだった」と発言されました。大阪の駒井正男府委員長は、「毎週の常任委員会で決定の5割読了にすごく苦闘している。そのことをわかってほしい」という地区委員長さんの声を紹介し、「この手紙が背中を押していく最良の推進力だ」と発言されました。このように2中総の全体構想、いわばグランドデザインが大きく歓迎されたと言えると思います。
議題である手紙の中身では、何より大会決定の中心中の中心が、つよく大きな党づくりにあること、今大会期の2年間の党づくりが歴史的分かれ道、「後退から前進へ転じよう」と正面から提起したことが、大きく歓迎されています。
愛知の石山淳一県委員長は、「この2年間が党の命運をわけると、ずばりと明確にした。ベテラン党員の方々は、党の灯(あか)りを消すわけにはいかないという思いをたいへん強く持っているが、長年にわたり党員拡大に取り組んでこられなかったことから、まだまだちゅうちょがある。『手紙』がベテラン党員のみなさんの熱い決意を引き出すものになっている」と発言されました。
歴史的な分かれ道について、目標をやり切るならば、その先には大きな展望が開かれる、しかし党づくりが進まなかったら、わが党の任務が果たせなくなる事態に直面すると率直に訴えたことは、発言の全体で歓迎され深められました。全国の感想でも、「中央の熱い思いが伝わる」、「早く支部で討議したい」、「大会決定をどう具体化すればよいのか見えてくる」など、熱い感想が多数寄せられていることも特徴です。
タイミングも歓迎されました。大会後、2月、3月、全国で党勢拡大での新たな奮闘がはじまりうねりが起こっている。しかし前進に届いていない。どうやって党づくりを全党・全支部運動にしていくか。その根本的な力である大会決定をどうみんなのものにしていくか――ここに、都道府県委員会も地区委員会も本当に苦労しているところだと思います。その苦労しているところに、「手紙」の提案がかみ合ったのではないでしょうか。「双方向・循環型」の活動の発展として、「手紙」で、中央委員会が支部・グループに直接訴える。まさにこれが支部を立ち上げるカギだということが討論でも深められました。
また、都道府県・地区党会議がほぼ終了し、成功をおさめ、いよいよ支部が「政策と計画」をつくり、充実させて、大会決定の本格的実践に踏み出そうというタイミングでもありました。まさに、全国の党活動を加速させる推進力になる2中総になったと思います。
「手紙」は党づくりのうねりを加速させる推進力
討論のまとめの二つ目は、「手紙」を、大会後にはじまった党勢拡大のうねりを加速させる力にしてほしいという開会あいさつ、提案報告の訴えが受け止められ、深められたということです。開会あいさつと提案報告で二重に強調した「手紙」の位置づけは、4月から党勢拡大を加速させるということにほかなりません。
大会後、全党の努力で、まだ前進には届いていないけれども、つよく大きな党づくりへの確かなうねりが起こり始めています。自民党が末期的状況におちいる情勢の進展、日本共産党への期待とも相まって、躍動的な党勢拡大の経験が発言のなかでも次つぎと紹介されました。「党の事務所に『入党したい』と電話がかかってきた」など、自民党政治への怒りと日本共産党への期待を反映した党勢拡大は、この間にはなかったことだと思います。
また、党の世代的継承でも、新たな踏み出しが各地で生まれています。岐阜の松岡清県委員長は3月、「集い」をちからに、大運動の取り組みをうわまわる党勢拡大の取り組みとなった経験を発言されました。そのなかで全県の新入党員15人中、10人が真ん中世代。入党者の6割7割という、これまでにない党勢拡大になったということです。
「大運動」でなかなか党員拡大に結び付かず苦労していた県や地区も含めて、大会後、毎月前進をと、2月、3月、全国が党員拡大の日常化、読者拡大の大奮闘といううねりをつくり出してきました。そして、この4月にはいってからも、「今月こそ前進を」というさらなるうねりをつくりだしているという発言も相次ぎました。
「手紙」はこのはじまった党勢拡大のうねりを、もっと大きくする、前進させる、その推進力です。党員拡大の中軸である世代的継承についても、「『空白の期間』があるということは、働きかける対象がそれだけいるということ」など、前向きな議論が積極的に受け止められています。民青同盟が、目標をやりきった昨年と比べても、たくさんの新たな仲間を迎えて、意気軒高、奮闘していることが報告されたことは、たいへんうれしく頼もしいことです。青年・学生の「社会主義・共産主義を学んでみたい」という意欲も、発言の中で次つぎと紹介されました。まさに、二重の歴史的チャンス――自民党政治の行き詰まりと党の値打ちが際立つというチャンス、資本主義のシステムの矛盾が深まり、社会主義への新たな期待が生まれているというチャンス――のときです。大会後に生まれている党勢拡大のうねりを止めない、思い切って加速する、この決意を固め合おうではありませんか。
加速という点では、「仕切り直しにしない」ということを特に強調しておきたいと思います。この点では、「手紙」の構成にあらためて注目していただきたいと思います。「手紙」は、まず、2年間の目標の意味、歴史的分岐点だということを述べている3章で、支部で党勢拡大の目標を具体化してほしい、拡大に足を踏み出してほしい、と呼びかけています。そのうえで、4章で党大会決定の全面的な具体化・実践となる「三つの活動」を呼びかけています。手紙を討議したら、まず拡大に足を踏み出そう、踏み出しながら「三つの活動」を具体化し、「返事」を寄せていただきたい。これが「手紙」の組み立てにもなっていることを、ぜひつかんで、生かしてほしいのです。
支部・グループのみなさん、手紙を討議したら、この4月から、まずどんどん足を踏み出す、踏み出しながら「返事」をつくり、寄せていただきたい。このことを呼びかけます。「返事」をどう書こうかと頭をかかえこまずに、まず党づくりに足を踏み出しながら、「返事」をつくって寄せてください。
党機関が正面から支部に党勢拡大を提起しよう
討論のまとめの三つ目に、この「手紙」でどうやって全党・全支部運動にするか、党機関の役割と責務について積極的に発言され、深められたことはとても重要だったと思います。共通していたのは、支部に正面から党勢拡大を提起する。目標も正面から、若い世代への働きかけも正面から提起する。党機関が踏み切ることが、支部の踏み切りにつながり、支部の変化が生まれているということです。
山梨の花田仁県委員長は、3月、「集い」での党員拡大の経験について、地区党会議や市委員会にも自ら入って、何度も党員拡大を正面から討議した。支部にも正面から呼びかけ、足を踏み出すところまで援助した。その中で、支部が真ん中世代へ働きかけたことが、この「集い」の成功、党員拡大を大きく前へ進めることにつながったということを発言されました。
また、三重の大嶽隆司県委員長は、大会決定の支部討議の割合と、入党の働きかけに踏み出した支部の割合に、大きなギャップがあることに触れ、支部が足を踏み出す、熱い訴えが必要だと発言されました。そして、昨日の私の提案報告の動画は、熱く、党づくりへの踏み出しを呼びかけたもので、大いに活用したいと発言されました。これは大いに活用していただきたいと思いますが、同時に、私が強調したいのは、都道府県委員長、地区委員長を先頭に、機関が自らの言葉で、支部に正面から熱く呼びかけてほしいということです。
すべての中央役員のみなさんが「手紙」を送る主人公として、自分の言葉で、後退から前進への転換を熱く呼びかけようではありませんか。中央委員会の総意として送る「手紙」です。私たちが、党と日本にとって命運をかけた2年間だと、支部・グループに、正面から、心から、熱く、毎月毎月の党勢拡大への立ち上がりを呼びかけましょう。
――続いて、田村委員長は、手紙の補強について説明しました。
今年前半の時期のもつ意義
――遅くとも7月末までに目標達成にふさわしい水準の運動をつくろう
結語の最後に、提案をしたいと思います。
今後の政治日程を考えた時、今年前半は、思い切って党づくりに力を集中し、目標達成の流れをつくれるかが勝負となります。そのことが、総選挙勝利の最大の保障となります。
そこで党創立102周年の記念すべき月である7月の末までを一つの節にして、4カ月弱の期間のなかで、2年後の目標達成にふさわしい毎月毎月の目標の水準――全国的には毎月2万人に働きかけ、2千人の入党者を迎える運動の水準にまで到達させること、日刊紙では毎月1200人、日曜版で6千人以上の増勢をかちとるところまで到達を引き上げていくことを呼びかけます。各県・地区でも、2年後までの目標をめざす毎月毎月の目標を持っていると思います。それをやりぬける水準の運動を、必ず7月末までにつくりだそうという提起です。もちろん、4月からそれをめざすわけですが、遅くとも7月末までに月ごとに運動の水準を引き上げていって、必ずその水準に到達させようと訴えるものです。
これが7月末までにできれば、2年後の目標達成が大きく見えてきます。大きな仕事ですが、毎月毎月の党勢拡大の独自追求を貫き、同時に「手紙」と大会決定を力に党勢拡大の運動に参加する支部を一つひとつ広げていくことがカギになります。入党の働きかけ支部、読者拡大成果支部が、毎月毎月、末広がりになって、7月末までに必ず目標達成にふさわしい党勢拡大の水準に運動をもっていく、このことを心から呼びかけるものです。
そのために、この4月は成否を分ける月です。2月、3月に生まれた大会決定実践のうねりを止めずに、必ず加速させ、党員でも読者でも前進を開始しましょう。学生新歓、27日のオンラインゼミの成功をはじめ、青年・学生分野での前進、大きく進めていきましょう。党の世代的継承でもさらなる前進のうねりをつくろうではありませんか。このことを心から訴えて、討論の結語といたします。