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2024年4月7日(日)

のと鉄道 全区間再開

能登中島―穴水駅間 “希望の象徴”

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(写真)1日駅長を務めた「桜娘ズ。」(能登鹿島駅の花壇を花で彩る活動)世話人の佐藤まゆみさん(穴水町在住=72=)による「出発進行~」の合図で動きだした、のと鉄道の始発列車=6日、石川県穴水町

 能登半島地震から3カ月。1月1日の被災後、一部運休が続いていた石川県の第三セクター「のと鉄道」が6日、桜が咲き始める新学期を前に全区間での運行を再開しました。通勤・通学など地域の足となっている鉄道の再開に沿線住民らは喜びの声をあげ、始発列車の出発を見送りました。復旧・復興への汽笛となることにも期待を寄せます。

 午前6時12分、本社のある穴水駅(穴水町)から出発進行の合図を受けて始発列車がゆっくりと動きだしました。4歳の息子と来ていた同町在住のAさん(48)は、「穴水駅はよく遊びに来ていた場所。復旧するかどうかわからなかったので、良かった」と再開を喜びます。金沢市から息子(4)と列車に乗りに来たBさん(41)は、「復興のひとつの始まりだ」と期待を寄せました。

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(写真)穴水駅で始発列車の出発後、全国へのメッセージを伝える「のと鉄道」の社員ら=6日、石川県穴水町

 復旧したのは、全線(七尾~穴水)・総延長33・1キロのうち能登中島(七尾市)~穴水駅間の4駅16・8キロ。地震で沿線上の土砂崩れや線路軌道の左右のズレ、破断、沈下のほか駅舎などに甚大な被害が生じました。2月15日からは一部区間(七尾~能登中島駅間)で運行が再開。能登中島~穴水駅間はバスによる代替輸送が行われていました。全線復旧後も当面は、1日の本数を地震前より3往復少ない14往復の臨時ダイヤで一部区間では速度を落として運行するとしています。

 全線開通を記念して穴水駅で早朝行われた出発式で、のと鉄道の中田哲也社長は「新学期に間に合った。公共交通機関の再開だけにとどまらず、未来への希望の象徴となる」と力を込めました。

 式には、沿線の首長らも出席。茶谷義隆・七尾市長は「数十年後には、のと里山空港まで何らかの形でつながって、新しい人の流れができることを期待する」と発言。吉村光輝・穴水町長は「のと鉄道をシンボルに復興させ、町の中心部となる穴水駅を多くの人が集える場所にしていきたい」と表明しました。(遠藤誠二、田中智己)


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