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2024年3月30日(土)

きょうの潮流

 みそやしょうゆ、みりんや酢、お酒も。無形文化遺産にも選ばれた和食は、健康的でおいしいと世界から注目されてきました▼豊かな日本の食文化。その礎が麹(こうじ)です。米や麦、大豆などに麹菌を加え培養させたもので、多彩な調味料や日本酒づくりには欠かせません。醸造の現場には「一麹」という言葉があり、職人たちは麹の質にこだわってきました▼多くの発酵食品にも使われ、日々の食生活を支えてきた麹。菌の種類が違うとしても、商品名に麹がつき、しかも製薬会社が悪玉コレステロールを下げると銘打ったサプリメントに大勢がひかれても不思議ではないでしょう▼紅麹原料を使った小林製薬の機能性表示食品が原因と疑われる健康被害が相次いでいます。昨日の会社側の会見では、これまでに5人が亡くなり百人以上が入院。相談件数は1万5千件にも上っていると。不安はとめどなく広がっています▼健康に役立つと宣伝されたサプリで健康被害を受けたとなれば、とんでもない。会社が問題を把握してから2カ月も公表が遅れたことも批判を浴びています。国の食品安全委員会によると欧州では紅麹由来のサプリによる健康被害が報告されています▼機能性表示食品は安倍政権が成長戦略の一環として導入。事業者の届け出のみで国の審査はなく、安全性への懸念が指摘されていました。サプリによる健康被害は後を絶ちません。被害者の救済とともに、制度を改める。それが古くから息づく健康な食づくりにもつながるはずです。


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