しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年3月23日(土)

水俣病 救済に背

熊本地裁 国主張沿い全員棄却

25人認定も「除斥」適用

写真

(写真)「不当判決」に肩を落とす熊本地裁門前の原告と支援者ら=22日、熊本市

 「全ての水俣病被害者の救済を」と、水俣病特別措置法でも救済されなかった被害者1400人が国、熊本県、加害企業のチッソに損害賠償を求めている「ノーモア・ミナマタ第2次熊本訴訟」で、先行して審理を終えた1、2陣原告144人の判決が22日、熊本地裁でありました。品川英基裁判長は、原告全員の請求を棄却する不当判決を出しました。

 判決では、原告144人のうち、25人は水俣病に罹患(りかん)していると認めたものの、民法の時効にあたる「除斥期間」(権利が20年で消滅)を理由に請求を退けました。原告が主張した共通診断書での症状の証明は単体では信用できないとして、国などが証拠として提出した公的検診録を重視。また発症までの潜伏期間は10年程度にとどまるなど国の主張に沿って、残る原告の請求を棄却しました。

 同様の訴訟は全国で4訴訟がたたかわれていて、昨年9月の大阪地裁判決では、原告が全面勝訴しました。判決後の報告集会で園田昭人弁護団長は「大阪と真逆の非常にひどい判決だ」と述べ、被害を公正な目で見ず、さらに正義に反する除斥を適用したと批判しました。

 森正直原告団長は、「全然納得できない、怒りを通り越した判決だ」と述べ、国の主張を中心にして原告を全く見ていないと指摘。「壁は高くとも控訴審で全力を尽くし、全ての被害者を救済するまでたたかい抜く」と表明しました。


pageup