しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年3月21日(木)

オスプレイ 日米が飛行再開加速

米、国内法盾に情報隠し

日本政府は開示求めたか

 欠陥機オスプレイをめぐり、日米両政府は飛行再開へ前のめりになっています。昨年11月に鹿児島県屋久島沖で発生したCV22オスプレイ墜落事故を受け、米軍は全世界で運用を停止。今年3月8日に運用停止が解除されると、14日に米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22オスプレイが飛行再開したのに続き、防衛省は19日、陸上自衛隊V22オスプレイが21日にも飛行再開すると表明しました。

 V22は木更津駐屯地(千葉県木更津市)に14機が暫定配備されており、うち2機は佐賀・目達原(めたばる)駐屯地、熊本・高遊原(たかゆうばる)分屯地に駐機したままになっています。飛行再開にあたって必要な教育や整備などを行い、「段階的」に進めると言いながらあまりにも性急です。

 しかも、日米両政府は、屋久島沖での墜落の原因となった部品の不具合は特定されているものの、事故調査委員会による調査には、訴訟や懲戒処分に関するものも含まれており、調査報告書が出る前に詳細を明らかにすることは米国内法(合衆国法典第10部第2254条)や米国防総省指示、米国の判例などで制限されるとして、公にすることを拒んでいます。

 事故調査報告書の公表期限について定めはなく、22年6月に米国内で発生したMV22墜落事故の報告書の公表には1年以上かかっています。詳細な情報が明らかにされないまま、長期にわたって国内で飛行する危険があります。

 しかも、今回の事故は機体が水没し、残骸が腐食しているため、調査が困難をきわめ、最悪「原因不明」と結論付ける可能性も指摘されています。米当局者も取材に「事故の根本原因はまだわかっていない」と認めています。

 しかし、今回の事故は日本国内で発生し、一歩間違えば住宅地に墜落する危険があったものです。米国内法や規則がどうあれ、日本政府は飛行再開の可否以前の問題として、不具合の原因となった部品を公にすることを米側に求めるべきであり、それができないなら日本国内の飛行再開を認めないと主張すべきです。それは主権国家として、国民の命を守る責務を持つ政府として、当然とるべき姿勢です。

 国内法を盾に、不具合の原因を公表できないという米側の説明に異を唱えず、唯々諾々と従っていたのなら、それは著しい主権放棄と言わざるをえません。


pageup