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2024年2月26日(月)

国保値上げの危険 自治体8割強

24年度 共産党試算

ストップへ声と運動広げよう

 いまでも高すぎる国民健康保険料・税が、2024年度から全国各地で値上げされる危険が迫っています。日本共産党政策委員会の調査で、各都道府県が市町村(東京23区や広域連合を含む)に示した「標準保険料率」に基づき4人家族のモデル世帯で計算したところ、25日までに分かった23都道府県937市町村のうち8割強で値上げとなることが判明しました。


標準保険料率どおりに改定した場合の影響
値上げ上位10都府県
  年収400万円の4人世帯 年収240万円の単身世帯
値上げ市町村 値上げ市町村数の割合 値上げ市町村 値上げ市町村数の割合
①大阪府 43 100% 43 100%
②宮城県 35 100% 35 100%
③岡山県 27 100% 25 93%
④広島県 23 100% 23 100%
⑤佐賀県 20 100% 18 90%
⑥大分県 18 100% 17 94%
⑦千葉県 53 98% 53 98%
⑧青森県 39 98% 32 80%
⑨山口県 18 95% 18 95%
⑩東京都 58 94% 58 94%

 実際の保険料(税)率は6月ごろまでに決まりますが、3月議会に税率改定の条例案を提出している市町村が数多くあります。

 この937市町村は全国の5割強にあたります。調査では、都道府県が示した標準保険料率どおりに市町村が保険料率を改定した場合を想定し計算。24年度の保険料は23年度と比べ、給与年収400万円の4人世帯は83%の市町村で値上げになり、給与年収240万円の単身世帯の場合は77%の市町村が値上げになりました。

大阪府をはじめ

 モデルの4人世帯の場合、保険料率を「完全統一」する大阪府をはじめ、宮城、岡山、広島、佐賀、大分の6府県が全市町村で値上げ。千葉、青森、山口3県は1市町村を除いてすべて値上げとなりました。東京都も値下げとなるのは島部の4村だけで、島部以外はすべて値上げです。

 値上げが多いのは、標準保険料率が、市町村が独自に保険料を抑えるために行う一般会計からの繰り入れをやめさせることを前提に示されるため、前年度の保険料率より高くなっていることが多いからです。ただ、標準保険料率は制度上、「参考値」にすぎません。最終的に保険料率を決めるのは市町村です。

生活に追い打ち

 一方で、24年度の保険料率をすでに決定・公表したのが全国で40市町村余り確認できましたが、モデルの4人世帯で計算すると、9割以上が値上げとなっています。このままでは標準保険料率に沿って値上げを強行する市町村が多数にのぼる危険性があります。

 国保の保険料はいまでも、同じ年収の会社員が支払う健康保険料と比べ2倍も高いのが実態です。国保加入者の高齢化・貧困化が進む一方、自公政権が国庫負担の削減・抑制を続けてきたためです。

 国保料をさらに値上げすれば、物価高騰で厳しい暮らしに追い打ちをかけることになります。値上げストップの声と住民運動を広げることが重要です。

 国民健康保険(市町村国保) 自営業者やフリーランス、年金生活者、非正規雇用の労働者など、国民の約5人に1人にあたる2537万人(2022年3月末現在)が加入している公的医療保険のひとつ。

 国保料率の統一 国保料率を独自に軽減する市町村の努力を敵視し、都道府県内で統一することで大幅値上げへ誘導する仕組み。大阪府や奈良県が24年度から「完全統一」する計画。


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