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2024年2月20日(火)

介護 2交代(16時間の長時間夜勤)9割

指針なく青天井

日本医労連 実態調査

 日本医労連は19日、2023年の介護施設夜勤実態調査結果を発表しました。16時間前後の長時間勤務となる「2交代」の施設が89・3%を占め、そのうち87%が16時間以上の勤務、59・4%が「1人体制」だと明らかにしました。利用者の安全と労働者の適正な労働条件を確保する配置基準引き上げの必要性を訴えました。


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(写真)調査結果を報告する日本医労連の役員ら=19日、厚生労働省

 調査は昨年6月に実施し、124施設179職場3332人から回答を得たもの。

 「3交代」の施設は10%前後。全体の77・7%の施設が16時間以上の勤務でした。

 2交代夜勤で回数が月4回を超える職員は42・1%。4・5回以上の割合はグループホーム(64・8%)などで高くなり、10回以上になることも。看護師の場合は離職防止や負担軽減のための指針として「3交代は月8日以内(2交代に換算すると4回)」を位置付けていますが、介護現場にはこのような指針がなく回数が青天井になっています。

 複数体制がとれているのは2交代夜勤で40・6%。グループホームや小規模施設では、すべての職場が1人体制で、特養でもユニットなどの職場単位でみると57・1%が1人体制です。

 夜勤施設は仮眠場所の設置が定められていますが、仮眠室の有無を回答した110施設のうち「無い」は36・4%でした。

 厚生労働省で会見した佐々木悦子委員長は、介護現場の深刻な人手不足にふれ、「1人夜勤中に職員が倒れて朝まで発見されず命を落とした事故から数年たっても1人夜勤は解消されていない」と強調。超高齢化で介護施設の需要が高まる中で、働き続けられる職場環境にしなければ現場の人手は増えないとして、他産業に並ぶ賃金の引き上げや大幅増員の必要性を訴えました。


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