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2024年2月20日(火)

海自幹部の靖国参拝認める

165人、官用バスで九段下へ

 昨年5月に海上自衛隊の幹部ら165人が制服姿で靖国神社(東京都千代田区)を集団参拝していた問題(本紙17日付既報)で防衛省は19日、本紙の取材に参拝したことを認めました。(取材班)

 本紙は、昨年5月に練習艦隊司令官・今野泰樹海将補はじめ、一般幹部候補生課程を修了した初級幹部ら165人が「航海に先立ち正式参拝した」とする記事が靖国神社の社報「靖国」の昨年7月号に出ていたことを指摘していました。防衛省は本紙に対し「歴史学習のため(東京都千代田区の)九段下周辺にある史跡等を巡る研修を実施しました。この際、当該研修の休憩時間を利用し、個人の自由意思により靖国神社を参拝した」と答えました。

 165人もの移動手段について尋ねたところ、防衛省は「練習艦隊が停泊していた晴海ふ頭から九段下までは官用バスにて移動、その後、史跡等の間は徒歩で移動しました」と説明しました。

 靖国神社を巡っては今年1月に陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら幹部が公用車で集団参拝し、防衛省から訓戒処分を受けています。

 海自幹部らの参拝では制服姿で官用バスを使用していますが、防衛省は「歴史学習のため九段下周辺にある史跡等を巡る研修」として、宗教施設への部隊参拝を禁じた事務次官通達(1974年)違反を逃れようとしたものと考えられます。

 「九段下周辺」には、遊就館といった靖国神社境内にある施設や展示があります。遊就館の展示は、第2次世界大戦を「大東亜戦争」と呼び、侵略戦争を美化するもので、仮に同展示の見学が行われていたならば、軍国主義の精神的支柱だった靖国神社の参拝とあわせて、旧日本軍への回帰を懸念させます。


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