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2024年2月10日(土)

機密範囲 民間に拡大

経済安保 法案概要が判明

 政府は7日、軍事・外交分野の機密情報漏えいに罰則を科す秘密保護法制を、経済・技術(経済安全保障)分野に拡大する「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案(仮称)」の自民党部会に提示しました。

 政府が機密情報を指定し、その情報にアクセスできる資格者を認定する制度を「セキュリティークリアランス(SC、適性評価)」と呼び、SCを規定する既存の法律に秘密保護法があります。

 法案は、機密情報の範囲を民間に大幅に広げます。機密性が高いとされる情報については既存の秘密保護法の運用を拡大して適用します。機密性が低いとされる情報は「重要経済安保情報」として同法で対応するとしました。同情報の漏えいには「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」と明記。労働者らが業務に関して漏えいした場合は企業にも罰金刑を科すとしました。

 また、SCの対象者には政府が身辺調査として▽対象者の兄弟姉妹の配偶者を含めた家族の生年月日や国籍▽飲酒の節度▽借金などの経済状態―などを調べます。プライバシーや学問の自由を侵害し、労働者の不利益取り扱いなど重大な人権侵害につながる危険があります。

 「重要経済安保情報」の指定については、行政機関の長が安全保障上の「支障」の判断をした場合に行うとしました。しかし何が機密指定されるかは政府次第です。「経済安全保障推進法」が指定した水道、電気など基盤インフラや、重要物資・技術の半導体や人工知能(AI)、宇宙などに携わる労働者や研究者がSCの対象になり得ます。企業や大学の施設も対象になり、米国追随の軍事産業強化に動員される恐れがあります。


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