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2024年1月26日(金)

生活保護費 元に戻せ

各地弁護団ら「政治決着」迫る

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(写真)会見で、生活保護費引き下げ違憲訴訟の早期解決を求める西山貞義弁護士(右から2人目)ら=25日、東京都千代田区

 国が2013~15年にかけて生活保護費を引き下げたのは違憲だなどとして、全国の保護利用者が国などを相手にその処分の取り消しを求める訴訟をめぐり、昨年12月以降に判決が出た三つの訴訟弁護団らは25日、東京都内で会見を開きました。原告勝訴が相次ぐ中、「政治決着」で引き下げ前の保護費に戻すよう求めました。

 同訴訟は、全国29都道府県で提訴され、これまで25地裁2高裁で判決が言い渡されています。今年1月には鹿児島地裁(15日)、富山地裁(24日)で原告が勝訴。22年5月の熊本地裁判決以降でみると、14勝4敗と原告が大きく勝ち越しています。

 会見には鹿児島と富山、沖縄の各弁護団に加え、原告、支援者らが参加しました。

 厚生労働省は独自の物価指標を基に保護利用者世帯の生活実態と懸け離れた物価下落率を導き出して保護費を引き下げました。各裁判所の判決では、その計算方法について統計などの専門的知見との整合性が認められないと判断されています。

 富山弁護団の西山貞義事務局長は、「ほぼすべての勝訴判決で政策の根拠が失われていると明らかになっている」と指摘。「厚労省は誤りを認めて、保護費を元に戻すべきだ」と話しました。

 同訴訟を支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」の共同代表で全国生活と健康を守る会連合会の前田美津恵副会長は、訴訟が長期化する中、「亡くなった原告が大勢いる。一刻も早い政治決着を」と声を詰まらせました。

 会見後には勝訴した鹿児島、富山弁護団らが、国が控訴せず判決を確定させることなどを求めた要請書を同省に提出しました。


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