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2024年1月25日(木)

各紙の日本共産党大会報道

鋳型にはめこむだけでいいのか

事実見ないマスコミ

 日本共産党の第29回党大会を、閉会翌日(19日)の各紙はいっせいに報道しました。閉会日(18日)の「朝日」と「読売」は事前記事を掲載し、マスコミが注目する大会でした。当日の記事では、田村智子参院議員の委員長就任を「選挙で女性候補を多数擁立してきた同党を象徴する人事」(「朝日」)と紹介しました。

討論内容触れず

 その一方で、社説や論評を中心に多くは、「低迷の共産 刷新演出」(「朝日」)「党勢反転へ人事で刷新感」(「日経」)などともっぱら人事だけに焦点を当て、その背景に党勢の「低迷」をあげる皮相な中身でした。そこでは党大会とそれに向けた3カ月にわたる全党討論で練り上げた決議や報告、さらには、大会での豊かな討論の内容にはいっさい触れませんでした。

 第29回党大会は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の最新の到達点を踏まえ北東アジアで“対話の習慣”をつくる平和外交の提案や、あらゆる面で行き詰まる自民党政治を終わらせる国民的大運動の提起、そして、4年間の実践と歴史的教訓を踏まえた党建設の方針と目標など、豊かな中身をつくりあげ、歴史的な大会となりました。討論もそれにふさわしい感動的な実践と決意にあふれたものでした。日本の政治を論じるものなら、こうした成果を無視して、もっぱら人事だけに焦点をあてるのでは報道姿勢が問われます。

 新しい指導体制についていえば、志位和夫氏が中央委員会議長についたのをはじめ、幹部会委員長に初の女性委員長となる田村智子氏を選出、田中悠副委員長・書記局長代行や山添拓政策委員長など、全体として「10年先、20年先を展望して、未来にわたって責任を果たすことができる条件をつくった」(志位氏の「閉会あいさつ」)のが特徴です。

 マスコミはこうした集団的指導体制の特徴を見ないで、「議長に残る志位氏『院政』の見方」(「朝日」)「『院政』の懸念は残る」(「産経」)などと事実をゆがめて報道しています。

 党指導部を選出した第1回中央委員会総会では、志位氏が中央委員会議長として、「党を代表するものの一人として、引き続き党の活動のあらゆる分野で必要とされる責任を果たす」ことを確認するとともに、田村氏が幹部会委員長として、「国政のうえで党を代表する」ことを確認しています。公的な職責についていないものが政治をろう断する「院政」などとは無縁です。

終始公開の大会

 さらに言えば、各紙は社説で「『開かれた党』への脱皮こそが求められよう」(「朝日」)「開かれた党へ体質刷新を」(「毎日」)などと、「閉鎖的な体質」なるものを持ち出しています。自分たちの鋳型(いがた)にあてはめ事実を見ない報道の典型です。

 今回の大会は、支部・地区・都道府県の会議で討論をつくし、討論で出された意見や疑問を大会の場でさらに解明して議論を深め、圧倒的多数の賛成で一連の議案を採択しました。また個々の党員からの意見は、中央委員会への批判も含めて特別の冊子を発行し、誰でも読めるようにしました。大会でも自由な討論が行われ、中央委員会への批判的意見にも発言機会が保障され、それに対する率直な批判も行われました。まさに「開かれた党」として民主的運営に力をつくしたのが事実です。この大会の姿は「閉鎖的」などという非難が何ら根拠をもたないことを示しています。

 党大会は開会から閉会まですべてのメディアに公開されていました。この事実をみないで、自らの鋳型にあてはめて論じるのでは、メディアとしての資格が問われます。


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